11.11セールで60%OFFぐらいで投げ売りされてたので買ってみた。
勿論、これがどういうイヤホンなのかという情報は一切知らずに、だ。
衝動買い。コレこそが人生に潤いを与えるのだ。
ということで、本機を聴きこみつつ調べた情報をまとめていこうと思う。
今回はそんなKinera Celest Plutus Beastについてレビューしていく。
Kinera Celest Plutus Beast の基本データ
Kinera について
Kineraとは、2010年に設立された中国のオーディオメーカーとなる。
小型スピーカーデバイスを独自に開発する能力を有しているとのことで、ダイナミックドライバ・バランスドアーマチュアは勿論の事、静電・骨伝導・平面ユニットに至るまで、独自に開発研究をしているという中々のツワモノブランドである。
その中の子会社として2021年に設立されたのが「Celest」となる。
Kineraの技術力を安価モデルとして提供するブランドの様子。
XiaomiとRedmiみたいな関係性かな。
公式HPはココ。
Kinera Celest Plutus Beast について
Kinera Celest Plutus Beastは、2024年2月頃に発売されたハイブリットイヤホンである。
ドライバ構成は「1 BC+1 BA+1 SPD」と中々に個性的。
概要としては、低域担当の10mm 骨伝導ドライバユニット(BC)、高域担当の1基のバランスド アーマチュア(BA)ドライバユニット、そしてフルレンジ担当の角形平面ドライバ(SPD)ユニットとなる。
BC、BAはまぁいいとして、角形平面ドライバ(SPD)は初耳。
どうやら通常の平面駆動型ドライバより小型の設計らしく、平面駆動の良さはそのままにレスポンスを高めた様子。
ちなみに特許取得済みだそうな。
フェイスカバーはラグジュアリー感のある美麗なデザインで彩られている。
説明を読むとこのカバーは「手描き」という文言が確認できる。正気か?
“手描きのような繊細さが売りのプリント”って事でよろしいか?
流石にこの価格でハンドメイドは信じられないが…。
Kinera Celest Plutus Beast の外観
まずは外箱。
なんだか禍々しい。
中の箱はこのように。
あらかっこいい。
開けるとこんなかんじ。
イヤホン本体はラップのようなもので保護されている。
なお今回は色違いモデルを選択している。
内容物を引っ張り出すとこの通り。
ケースはフェイクレザーではあるが質感は良い。
中にはケーブルが入っている。今回は4.4mmモデルを選択。
細くてペラいので品質はそれなりか。
イヤーピースは2種類でそれぞれS/M/Lサイズ。
開口部の広さが違うみたい。
説明書は屏風折りで漆黒。
紙質もよくかっこいい。でも英語と中国語のみ。
表紙には謎生物が鎮座している。
この謎生物がPlutus Beastくんということで良いかな?
読み辛いから日本語の愛称でも決めようか。
…そうだな、野獣先輩とかどうかな?
メンテナンスブラシ。何をどう使うのか謎。
野獣先輩のメタルアクセサリー。存在が謎。
本体はこんな感じ。
表面の造形は小ぶりな一方で、ノズル側は奥に大きく深く伸びている独特なデザイン。
遮音性や装着性に期待ができそうだ。
重さは5.3gを計測。見た目通りといった感じ。
Kinera Celest Plutus Beast の良いところ
深く響く低音が面白い
本機の低域はかなり独特な響き方をする。
表現のしようが難しいところではあるが、なんというかこう、筐体内にバネが入っているような「みよんみよん」という不思議な響き方を感じる。
これは決して不快であるとか耳障りであるというものではなく、むしろ心地良いとまで感じるぐらいの絶妙さがある。
この独特な鳴り方は骨伝導ドライバユニット(BC)によるものと思われ、同社のエッセンㇲを色濃く感じる一方で、しっかりと独自製品レベルとして昇華できている”技術力の高さ”も垣間見ることができる。
この響き方はスネアワイヤーに近いものがあり、伴ってドラムスの鳴り方をよりダイナミックに表現することに加担している印象がある。
ベースの響きも生々しく、特にアコースティックの響きには中々の感動を感じるものだ。
このように、骨伝導ドライバユニット(BC)から表現されるドラム・ベースの低域再現力はかなりレベルが高いと評価できるだろう。
高域担当のBAについては、さして特徴は無いが刺さりも無く過不足感もなく、バランスの良い出力が確認できる印象だ。
味付けの強い低域に負けること無く鳴ってくれるため中々にいい塩梅と言える。
しかしてフルレンジ担当の角形平面ドライバ(SPD)については懐疑的。
なんかこう、SPDだけ他ドライバに比べてパワーが足りていないようでボーカルや中域が凹みがち。
定位感もなんだか曖昧で奥行きが無いように感じる。
本機のチューニング仕草なのだろうけども、正直”特許取得済み”の自信作とは思えなかった。
同社の別イヤホンでは違うのかも?要調査ですな。
装着感よし
上述したように本機はノズル側が奥に大きく深く伸びている独特なデザインだ。
やはりこの形状は耳に深く密着するようであり、優れた装着感と遮音性を確保してくれる。
本体自体は小ぶりであるため、女性や子供でもなんなく装着できそうな汎用性の高さがある。
使用ユーザーの耳の形状に左右され辛いというのは中々に魅力的だ。
Kinera Celest Plutus Beast の残念なところ
特になし。
この価格では頑張ってるほう。
強いて言えば色々独特なところ。
Kinera Celest Plutus Beast の総評
色々独特だが魅力的なイヤホン。低域の再現力が魅力的。
さて、本記事で「独特」という言葉を何回使ったでしょう?
そんな”おふざけ”ができるぐらいには本機は独特。形状も音も付属品まで個性的。
ただし、尖りすぎて万人に受け入れられないような個性ではない、というのはお伝えしたい。
あくまで「楽曲を楽しく聴いてほしい」という意図を感じられるぐらいの常識的な範疇であり、色々とかなぐり捨てて個性特化したKBEAR Streamerのような”ぶっ飛ばし感”は無いので安心してほしい。
なんといってもこの低域の再現力は大変に面白く興味深い。
この響き方は随一。是非本機を聴いてみてほしい。