【KBEAR Streamer (流光) レビュー】優れたビルドクオリティから放たれる個性的な音色が面白い。

3.5
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以下福袋で当てたイヤホンを今更レビューしていく。

期待値としては上記記事に記載した通り。
最早レビューが出回り、その”扱いづらさ”が知れ渡っている現状は周知の事実。
故に優先度は低めの存在であったのだが、まぁ放置しておくわけにもいかず。

ということで今回はKBEAR Streamerをレビューしていこうと思う。
或いはKBEAR 流光と表記するべきなのか。

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KBEAR Streamer (流光) の基本データ

KBEARについて

KBEARは2014年に中国の深センにて創設されたイヤホンメーカー。
中華イヤホンではもうお馴染みなメーカーであり、低価格のものから高価格帯まで幅広いイヤホンを発表している。

姉妹ブランドに「TRI」というブランドが存在しており、正直どのような棲み分けを行っているのかは全く把握できないが、同じくイヤホンやポタアンを発表している。
本ブログでもTRI製品を含めいくつかの製品を扱ったことがあり、品質は確かなものであること確認済み。

どれも個性的でクセの強い商品であり、未だに中華イヤホンらしさを持ち合わせている印象があり、どれもこれもかなり博打感が強めと認識している。
商品説明なんてまるでアテにならない、聴いてみないと解らない、そんなブランドという印象だ。

KBEAR
「KBEAR」の記事一覧です。

KBEAR Streamer (流光) について

KBEAR Streamer (流光) とは、手作りプロセスなイヤホンである。(画像参照)
このKBEARクオリティの日本語には、最早実家のような安心感すら覚えるというもの。

気を取り直して、KBEAR Streamer (流光) とは、2023年8月頃に発売された1DDイヤホンだ。
手作業で加工された透明なレジンシェルに、10mm PEK振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載している。
装着性と遮音性に優れたオリジナルの筐体は、搭載されたボイスコイルの特性を伸ばすことに貢献し、さらに音の音質表現を向上させることが可能。
また駆動力の高いアンプでは音質上限が高くなるとのこと。
…音質上限って何?

とにかく見た目がとてもキレイで写真写りのよろしい機種という認識。
ぜひ手に取ってみたいと前から思っていたので、福袋で当てたのはまぁ嬉しいところ。

KBEAR Streamer (流光) の外見

外箱。
シンプルで安価なモデルに採用されがちな梱包だ。
本機の立ち位置はエントリーモデルなのか??

開封。

内容物は基本的なもの。
ケーブル、説明書、イヤピ。

ツヤツヤすべすべでとってもクリア。
内部の機構が見る角度によって大きく歪んで表現されるのは面白い。
手触りも見た目もかなり品質はよく、且つ個性的で印象が良い。

体重測定。
7.3gを計測。見た目どおりといったところ。

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KBEAR Streamer (流光) の良いところ

質感・見た目・装着感がすごく良い

境目が一切確認できない、まるで水晶から削り出したかのようなボディは圧巻の一言。
角ばった箇所や加工跡はまるで確認できず、一つの生き物のようにも思える。
透明度の高いレジンはそれだけで美しいものであるが、見る角度によって内部構造を艶めかしく捉えることができ、本機を飽きさせないアクセントとしても活用されているように思える。
光の入り方によって変幻するその様は、まさに”流光”と呼ぶに相応しい。

手触り(肌触り)に関しても上述した通りであり、ツヤツヤすべすべでとても心地が良い。
実際に装着してみると、IEMな筐体デザインも相まってかなりの遮音性を有しているのがわかる。
この価格帯ではかなりレベルの高いビルドクオリティを有してると評価できるだろう。

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KBEAR Streamer (流光)  の微妙なところ

ボーカル曲が苦手すぎる

本機はふくよかで暖色的な音色が特徴だ。
アコースティックな楽曲に対しより聴きやすい音色に誇張して鳴らしてくれる。
低域と高域はしっかりと出ており比較的聴きやすい印象があり、また明瞭さは少し欠けるがスッキリした感触を感じることができる。

一方で、中音域がガッツリ凹んでいるような傾向があるため、男女問わずボーカルがとても聴き辛い。
ボーカル粋に1枚~とかではなく、3.4枚のフィルターがかかっているような”篭もり”があり、且つ遠くに配置されているため、ボーカル曲に対してのバランスがすこぶる悪い。

上記本機の傾向を加味し、生演奏(ライブ音源)等で映えるかもしれないと試しに聴いてみたところ、ただでさえ遠く明瞭感にかけるボーカルが更に引っ込み、最早何を歌っているのかすら把握できない曲すらあった。
リードボーカルがコレならば、無論コーラスだなんだは最早雑音のソレである。

これらの事から、本機はジャズやクラシックなどの楽曲を楽しむ事に特化しているのだと判断することができるが、一方で解像度や臨場感もあまりよろしくはないのでそれら楽曲を楽しむにも力不足といった印象。
つまり…このイヤホンは何に向いているんだろう?
うーん、筆者は思い浮かばないなぁ。

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KBEAR Streamer (流光) の総評

優れたビルドクオリティから放たれる、個性的な音色が面白いイヤホン。
決して音が悪いというワケではないが、まぁ「使い難いな」という印象。

しかしながら待って欲しい。
昨今の中華イヤホンは全体的な技術革新が著しく、どこもかしこも優秀なイヤホンが溢れている現状ではあるが、こういう個性的なイヤホンを探すのが本来の中華イヤホン漁りの醍醐味ではなかったか。
未だに個性的なイヤホンを排出し続けているKBEARは、我々にその心を忘れないでくれと戒めているのではないか。
KBEAR Streamerは「たまにはこういうイヤホンで音楽を楽しむというのも悪くはないのかもしれない」と、そんな中華イヤホンを始めた時の淡い初心を思い出させてくれるイヤホンなのかもしれない。
(大嘘)

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