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以下記事で少し触れた例のイヤホン。
聴き込んでみたのでレビューをしていこうと思う。
いつもの通りあまり調べすに興味本位で購入したものではあるが、まぁ中々に優秀な音を出すので良い意味で期待を裏切られた。
今回はそんなTRIPOWIN Olina SEのレビューをしていく。
TRIPOWIN Olina SE の基本データ
TRIPOWIN について
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Tripowinは、2019年頃に設立された中国の何処かにあるオーディオブランドだ。
廉価で高品質な製品を地道に展開しており、その努力も相まって最近では著名レビュアー等とのコラボモデルも多く発表されている。
公開されている情報が少ない会社ではあるが、信頼と実績を積み重ねた実力のあるブランドと言える。
TRIPOWIN Olina SE について
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TRIPOWIN Olina SEは、TRIPOWINとHBBのコラボモデルイヤホンだ。
“TRIPOWIN X HBB Olina”と呼ばれてたりもする。
既存モデルである「TRIPOWIN HBB Olina」の”SPECIAL EDITION”ということでSEとなる。
概要は以下参照。
HBB(HawaiiBadboy)とは、上述した通りの著名レビュアーの一人であり、Youtube上で数多くのオーディオデバイスのレビューを行っているアメリカ人である。
彼の豊富な経験とデータによりチューニングされたイヤホンが「TRIPOWIN HBB Olina」であり、更にHBB氏による調整が施されたのがこの「TRIPOWIN Olina SE」となる。
HBB氏については以下参照。
前モデルより10mm振動板がアップグレード(ダイヤフラムの構造が強化)されており、周波数帯域がより広くなったとのこと。
またよりバランスよく自然なチューニングが施されているとのことで、とにかく”全体的にパワーアップしたぜ”的なプロモーションを随所で確認することができる。
前モデルの「TRIPOWIN HBB Olina」も海外での評判は良く、また本記事の主役である「TRIPOWIN Olina SE」もまたすこぶる評判が良い。
日本ではあまり本機レビューを見かけないので、まぁなんだったら自分で確認してみるか、という気持ちで購入した次第。
ていうか、有名レビュアーが作った作品を僕みたいなうんちがレビューするって大分烏滸がましいよね。
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TRIPOWIN Olina SE の外観
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いつもの通り外箱から。
なんか…安っぽい。
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内箱。
この価格帯によくあるマグネットで開閉するタイプ。
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開けるとこのように。
ケースとイヤホンがお目見えだ。
この箱デザインはTRI製品に大分酷似している印象。
![](https://gadgeneko.com/wp-content/uploads/2022/12/DSC04217-1024x683.jpg)
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専用ケースは円筒状。
強度は申し分なく手触りも良い。
中にはケーブルとイヤピ、フィルタが20枚もあった。
…20枚?多くね??
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ケーブルは付属品にしては中々品質の良いものが同梱されていた。
本体色に合わせて落ち着いた配色の4コアOFC(無酸素銅)ケーブルだ。
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本体。
すごいシンプルな筐体デザインに海亀の刻印がワンポイントとなっている。
曰く、ハワイのマークらしい。
すべすべのサラサラで指紋も水気も残りにくく扱いやすいアルミニウム合金シェルだ。
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なんというか、本当にシンプル。
真っ黒で特殊な形状でもない。黒豆。
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重さは5.9gを計測。とても軽い。
TRIPOWIN Olina SE の良いところ
確かな音質。素晴らしい。
低域は少々強めではあるが、歪も少なくまとまりがある。
ブリブリ感のある曲はブリブリ出すし、あっさりとした曲はそのままあっさりと出してくれる、素直な出力傾向と感じる。
中域はかなり良く、細部の音まで聴こえることが可能。
なんというか”丸い”感じがあり男女問わずボーカルが解りやすく大変聴きやすい。
高域も再現性はかなり高く、粒立ちがあり定位感が高い印象。
サ行の刺さりは無いが鋭い出力があり、十分な解像度を保持した中々面白い音を味わうことができる。
若干の奥行き不足というか、随所で「浅さ」を感じるものではあり、また本機の”個性”というものも薄いものではあるが、そも1DDの本機に対し述べるものですら無く、重箱の隅をつつくような話である。
詰まるとこ、この価格帯では信じられないぐらい音が良い。
何よりもバランス感が大変に良く、低域から高域にかけて不足がちな箇所がまるで無い。
男女ボーカル共に楽しむことができる印象ではあるが、個人的にはこの幅広い再現性を活かせる男性ボーカルの曲が映えるかなと感じる。
男性ボーカルに対しアタック感が強く尖りのあるシンセがバックで流れる本曲であるが、このOlina SEは大変バランスよく聴かせてくれる。
同様に、女性ボーカルでもハスキーな声のほうが本機の魅力を十分に引き出せるかも、と感じた。
TRIPOWIN Olina SE の微妙なところ
高級感がまるでない
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同価格帯の商品をいくつか扱ってきた筆者としては、どうにも本機からは高級感を感じることができず、伴って所有感が芽生え辛いところである。
はっきり言ってしまえば、KBEAR Aurora以下でもあるしTRI Meteor以下という印象だ。
まず筐体デザイン。
シンプルなのは結構ではあるが、あまりにもシンプルすぎる。
上述した通り、何か眼を引くデザインがあるとか特殊な加工がしてあるという、本機を象徴するものは一切無く、黒豆なのだ。
なんでや!海亀可愛やろがい!という話なのかもしれないが…いやダサくね?
ただの平面プレートに亀描いてあるだけだぜ?しかも単色だぜ?
安っぽさを際立たせてるだけでしょコレ。
まだ前モデルの「TRIPOWIN HBB Olina」のマーブルフェイスのほうがよかったまである。
その他付属品も同様だ。
開封の儀のがっかり感はKBEAR Auroraと同じぐらいだったと思う。
外箱からしての話ではあるが、この価格帯としては全体的に安っぽいなぁという印象が強い。
もう一声、もう一声工夫が欲しかった。
TRIPOWIN Olina SE の総評
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優れた音質とバランスを持つコスパ良好イヤホン。
この価格帯では大変に優秀。
ただし、それ以外はこの価格帯では一歩及ばず。
しかして、発想を変えてみてほしい。
このような高品質な音を出力するイヤホンを、この安っぽさ故に、気兼ねなくどこにでも持ち出せるということでもある。
この価格帯になると鏡面筐体や金属筐体などを採用したモデルが多くなり、大変傷付きやすく持ち運ぶ気力が失せるモノばかりとなる。
一方で本機のこのドシンプルなデザインは心強いかもしれない。
傷も付きにくく、よしんば傷付いても心に及ぶダメージは少ない。かもしれない。
とすれば、本機のこの安っぽさ、もとい「手軽さ」は大変な魅力なのだ、と思う。
何よりもこの優れた音質は一見の価値、いや一聴の価値ありだ。
万人にお勧めできる優秀なイヤホンと言えるだろう。