
筐体デザインがかっこよく、前々から気になっていたイヤホン。
弊ブログでもTANGZUのイヤホンはいくつか扱っており、その品質の高さは確かなものであることは確認済み。
いつか試してみたいなぁと思っていたところであったが、縁あって入手できたので紹介しようと思う。
ということで今回は TANGZU Yu Xuan Ji 魚玄機 のレビューをしていく。
TANGZU Yu Xuan Ji 魚玄機 の基本データ
TANGZU について

TANGZUは、2018年11月に中国東莞市で設立されたオーディオブランドだ。
数千円程度のものから数万円クラスの製品が展開されており、2024年ぐらいから頻繁に製品展開が行われている模様。
なんでも、ドライバーの振動膜などに使われるフィルム技術の研究を中核としており、これが他社製品との独自性をもたらしているそうな。
例に漏れず美少女絵、というか美女絵を採用しているのも同社のポイント。
弊サイトでもいくつか扱っている。
TANGZU Yu Xuan Ji 魚玄機 について

TANGZU Yu Xuan Ji 魚玄機は、10mmトポロジーダイナミックドライバーを搭載したイヤホンだ。
日本語でなんてよめば良いのかわからん。うおげんき?
このトポロジーダイナミックドライバーなるものは、特殊なナノ粒子コーティングを施した振動膜が特徴であり、高い解像度と歪みを抑えた自然な周波数特性を実現できるスグレモノらしい。
また、筐体は亜鉛合金で構成されており、セミオープンタイプになっているとのこと。
開放型ヘッドフォンのような、自然で広々としたサウンドと没入感のあるリスニング体験を提供可能とし、一方で音漏れについては、精密メッシュフィルターにより最大限に抑えられており、通常の使用ではほとんど気にならないように設計されているとのこと。
開放型ではあるがあくまでもイヤホンの体は保っているようで、外での使用も考えられている様子。
そして、相変わらず表紙には謎の中華美女が描かれている。
なんでも、中国の唐代の女流詩人である魚玄機にインスパイアされたとのこと。
ちなみに日本国内において『魚玄機』で検索すると、森鴎外の青空文庫がヒットする。
教養がなくて深堀りできないンゴねぇ…。
TANGZU Yu Xuan Ji 魚玄機 の外観


まずは外箱から。
今回はまぁ常識的な大きさ。

これが魚玄機ちゃんですか。
まぁ元ネタがある以上、大真面目に魚玄機さんなんでしょうねコレ。
エッ 詩人?詩人なんだよね…?すっごい派手やね…。

外箱を取ると内箱登場。
相変わらず重厚感のあるデザインだ。

蓋を取るとこのような配置。

蝶の羽、というか菊っぽいデザインが美しい。
撮影用に一度イヤホンを箱に戻したのだけど、イヤホンの取り出し方間違えて箱がちょっと歪になっちゃった。
上からじゃなくて下から抜くように取り出そう。


内容物は上記の通り。
紙類は見当たらず。

プラグは4.4mmモデル。
音量確保は問題ないが、ケーブル自体の品質は少々安っぽいかなという印象。

イヤピは2種類付属。
左側は同社の唐彩(Tang Sancai)ですかね?
中々評判の良いイヤピが付属しているのは嬉しい。

ケースはよくある「おまけ品質」。
コレ使うくらいなら100円ショップの何かを利用したほうがよいかと。




ずっしりとした黒と金の配色のイヤホンだ。
なんだかMOONDROP 竹-CHU IIを彷彿とさせる。
ノズルは短く、返しも小さい。
TANGZUイヤホンの特徴なのかな?

重さは10.4gを計測。
DUNU Kima 2レベルのどっしり感。
TANGZU Yu Xuan Ji 魚玄機 の良いところ
バランス良く聴きやすい出力傾向

全体的にバランスが良く、聴きやすく扱いやすいという印象。
低音はしっかり響くし、ボーカルは若干遠いながらも男女問わず明瞭に鳴らしてくれる。
中高音域が気持ち前に出ている印象があるが、サ行や金属音の響きも刺さらずマイルドさがある。
音場も広く解像度も高いので値段以上のポテンシャルを感じることができ、ボーカルの”鼻息”までも明瞭に聞こえるレベルで面白い。
1万円以下のイヤホンの中では中々に”高音質”といえるだろう。
TANGZU Yu Xuan Ji 魚玄機 の微妙なところ
好き嫌いが分かれそう
上述したように、本機はバランスの良い出力傾向があり、それなりの満足感が得られる。
費用対効果は間違いなく高いと言える。
一方で”のっぺり”している感じを随所に感じるものであり、メリハリが無い様子がある。
元気はあるのだけど楽しさが無い、と言えばいいのか、迫力が無いと表現すればいいのか…。
セミオープンタイプ筐体のメリットもさほど感じず、高音の抜け感や見通しの良さもあまり感じることが出来ない。
上記の通り音場も広く解像度も高いのに、何故か臨場感が無い。
このような、なんだか妙な違和感がつきまとう…。
この”のっぺり感”を好きとする人は間違いなくいるだろうが、合わない人にはとことん合わない。
かなり好き嫌いが分かれそう、という印象だ。
TANGZU Yu Xuan Ji 魚玄機 の総評

バランスの良い出力傾向、疲れにくく扱いやすいイヤホン。
一方で、不思議な違和感を感じるイヤホン。
簡潔に纏めてしまうと、このような文言に落ち着く評価となってしまった。
あくまで筆者の感想なので参考程度によろしく。
迫力や臨場感が不自然に抜け落ちた”のっぺりサウンド”は好き嫌いが明確に分かれそう。
まぁ同価格帯のイヤホンを複数持っていて、比較しないような使い方をするのであれば、間違いなくコスパに優れたイヤホンではあるのだが。
ハマる人にはハマるとは思うので、視聴できる環境があれば是非とも試してみて欲しい、そんなイヤホンだ。