久しぶりのMOONDROPのイヤホンだ。
実は購入・到着してから2ヶ月以上放置していたりするので、大分時期を逃した感がある。
でもその間に熟成されてより良くなっているんじゃないかな。知らんけど。
ということでMOONDROP 竹-CHU IIのレビューをしていこうと思う。
MOONDROP 竹-CHU II の基本データ
水月雨(MOONDROP) について
水月雨(MOONDROP)は中国(おそらく深セン)を拠点とした、2015年に設立されたオーディオブランドだ。
1万円程度のものから10万円近いものまで、多種多様なイヤホンを展開している。
年々着実に技術力を増しており、それに比例して知名度と信頼を増している堅実なメーカー。
その甲斐もあって今では有力な高級イヤホン・ヘッドフォンメーカーの一員となっている。
以降はMOONDROP Ariaの記事と同じになるので省略。
MOONDROP 竹-CHU II について
MOONDROP 竹-CHU IIは、2023年7月に発売されたイヤホンである。
アルミニウムマグネシウム(Al-Mg)合金ドーム・複合振動板ダイナミックドライバーを1基搭載、ダイヤフラムサスペンションには特性の異なる2種類のポリマー複合素材を使用し、パンチの効いた低音を実現/非線形歪みを大幅に低減しているとのこと。
前機種「竹-CHU」同じくの合金鋳造筐体を備えながらも、20ドル以下という価格で展開されている。
公式画像には“The End-game of entry-level IEMs”(エントリーレベルIEMの競争の終わらせる)といったコ◯ドットばりのビッグマウスが確認でき、中々に香ばしい。
その実力は如何に。
格安価格帯なイヤホンでありながら、スペック上は性能や品質、デザインに妥協は見られない。
竹-CHUの「リケーブルができない」という弱点を克服し、最新の技術が惜しみなく投入された、正に「2」と名乗るに相応しい製品となっている印象。
なお、Amazonや楽天などの大手ECサイトでは二倍近いボッタクリ価格(9000円前後)で売られている。
買うのであったら海外サイトを利用したほうが良いだろう。
2023年10月に入ってから落ち着いた模様。それでもチョット高め。
MOONDROP 竹-CHU II の外観
外箱から。竹-CHUよろしく装飾軽めな箱。
ビニール蓋が廃止され全てが紙素材になっている。
これが「竹-CHU II」ちゃんですか…。
なんだか解釈不一致です(半ギレ
「竹-CHU」ちゃんはかぐや姫をイメージした姫カット十二単というわかりやすいアイコンだったのに対し、「竹-CHU II」ちゃんはなんかこう、変。
竹背景で何故かパーティドレス、申し訳無さ程度にパンダを添えて、というミスマッチ具合はなんともに残念だ。
せめてチャイナドレスを着ろ。
ちなみに2023年10月以降からデザインが変わった様子。
変更後は以下のイラストになるようであるが、これもまた解釈不一致。
せめてチャイナドレスを着ろ。(チャイナドレス過激派解放民族戦線)
パカッと開けるとこんな感じ。
内容物は上記の通り。
「竹-CHU II」を装着した水月女史の名刺イラストが付属。
表紙コレでよくね?なぁコレでよくねえか?
付属ポーチはMOONDROP 蘭-LANと同じタイプ。
中にはケーブルとイヤピが入っている。
残念ながら「竹-CHU」には付属していたSpring Tipsではない。
ケーブルはコシのあるしっかりとした3.5mmプラグタイプ。
黒筺体に対してクリアの配色を充てるのか~とちょっとびっくり。
筺体はまんま「竹-CHU」。
左右でプリントが異なるのもオシャレ。
デザインとしては個人的に「竹-CHU」より好み。
体重測定。7.7gを測定。
ずっしり感を感じるものだが実は軽い。
MOONDROP 竹-CHU と外観比較
せっかくだし「竹-CHU」ちゃんと比較してみよう。
なんか「菊-JIU」ちゃんも写りたがってるけど出番無しだ。ゴメンな。
いざ記事起こしして思うが、比べる必要あったかコレ?
まんま「竹-CHU」と同じ。太さ高さ形状装着感に至るまで「竹-CHU」と同じ。
「竹-CHU」と同じ!!!!
MOONDROP 竹-CHU II の良いところ
隙の無くなった竹-CHU
前作「竹-CHU」のコスパの良さは記事に書いた通りであるが、本作も同様に非常に費用対効果が高い。
Moondropらしい暖色を感じる聴きやすくバランスの取れた出力傾向はもちろんのこと、20ドルとは信じられないレベルの解像度を感じることができる。
ポップスやクラシック、ジャズなどでも楽しく聴けるポテンシャルを備えており、エントリーモデルとは思えない懐の広さを感じる音色を奏でてくれる。
リケーブルすることで音圧の確保や音色の微調整も可能になったため、前作で不足がちだったパワー感や解像度を自分好みに調整することができるようになった点は特筆できるポイントと言えるだろう。
「竹-CHU」と相変わらず女性ボーカルに強く、若干丸めだが中高音域は鮮明に出力してくれる。
ロウなテンポにしっかりとしたリズム感を感じれるものであるが、「竹-CHU」より低音を引き締めて出力してくれる傾向があり、ウッドベースなどのアコースティック系がより鮮やかに引き立つ印象がある。
本機で聴くEGO WRAPPIN’ 等の女性ボーカル+ジャズリズムは高級機を凌駕するリスニング体験を与えてくれると個人的には感じている。
「竹-CHU」よりウォームでよりまろやかに纏まっており、しっかりと差別化がされているように思える。
MOONDROP 竹-CHU II の残念なところ
特に無し、完璧。
コム◯ットとか言ってスミマセンでした。
…であるが、これMOONDROP 蘭-LANの立つ瀬が無くね?と。
「蘭-LAN」は、リケーブルできるという点で「竹-CHU」と差別化ができていたイヤホンであった。
リケーブルができる「竹-CHU」が出た今、彼女の存在意義はあるのか。
ということで「蘭-LAN」を引っ張り出して比較してみる。
なるほど、「蘭-LAN」のほうが若干解像度が高い。ここは価格なりというところか。
だがしかし、「蘭-LAN」のほうが音色に金属みを感じる。
「竹-CHU II」のほうが中高音域が丸いため、聴きやすく聴き疲れが無い印象がある。
筆者的には、圧倒的に「竹-CHU II」のほうが好みな音色だ。
ということでどうやらMOONDROP 蘭-LANと若干ながら差別化はできている模様。
とても微妙であるが、一応は個人の趣味嗜好が介在できる様子であり安心した。
MOONDROP 竹-CHU II の総評
大言壮語ではない、正に低価格イヤホン戦争を終わらせる事のできるイヤホン。
これは強すぎる。
というか改めて聴き直して思ったことなのだけれど、前作「竹-CHU」自体のポテンシャルが高すぎる。
コレをベースに、今までのノウハウを突っ込んで再設計/リケーブルできるようにしたら、そらあ最強になるというもの。
改めてMOONDROPの技術力の高さに驚愕する、そんな底知れないイヤホンと感じた。