オーディオファンなら知る人ぞ知る、あの水月雨(MOONDROP)。
何故かパッケージに二次元美少女が誂えられた、あの水月雨だ。
内容はともかく、そのパッケージの異様さやデザインの奇抜さから、誰もが思わず目を引かれることは間違いない。
オーディオファンのお前らこういうの好きなんだろ、という造り手側の策略なのだろうか。
萌え絵なんかに釣られやしない…そんな手に俺が釣られクマ。
ということで無様に釣られた哀れなクマさんのレビューを見てほしい。
MOONDROP Aria の基本データ
水月雨(MOONDROP) について
水月雨(MOONDROP)は中国(おそらく深セン)を拠点とした、2015年に設立されたオーディオブランドだ。
1万円程度のものから10万円近いものまで、多種多様なイヤホンを展開している。
年々着実に技術力を増しており、それに比例して知名度と信頼を増している堅実なメーカー。
その甲斐もあって今では有力な高級イヤホン・ヘッドフォンメーカーの一員となっている。
ここのイヤホンの特徴はなんといってもそのパッケージデザイン。
なんで?ってぐらいに全ての商品のパッケージに二次元美少女が描かれている。
なぜこのようなデザインとしているのか、理由はわからないけども、コンセプトとしてはとてもユニークで面白いと思う。
Twitterは頻繁に更新されており、新機種情報もいち早く公開されるのでファンはフォロー推奨。
公式HPは更新遅め。
MOONDROP Aria について
Ariaは2018年に低価格モデルとしてリリースされている。
しかし発売から数ヶ月後、何の説明も無く突如として販売が停止している。
それから暫く音沙汰がなかったものの、2021年になって突如、また何の説明も無く発売が(強くなって)再開されたという謎の経歴持ちである。
再販にあたり中身も大きくグレードアップしており、基本構成はそのままに初代とは全く音質が異なる様子。
残念ながら初代を聴く機会は無かった為、比較などは出来ていない。
2世のみのレビューとなってしまうのが心苦しい。
構成としてはLCP(Liquid Crystal Polymer)振動板を採用した10mmDDユニットを1基搭載。
マット仕上げのCNC加工金属製イヤーピースが高級感を高めている。
持つと冷ややかでずしりと重い。
MOONDROP Aria の外観
ではまず話題の外箱から。
エロゲのパッケージみてぇだな。幻想的な美少女が表紙を彩っている。
これがAriaちゃんですか。
普通の人が見たらイヤホン入ってるって絶対思わないだろうな。
説明は中国語と英語。
…そうだね、高性能なんだね!
内箱。これもまた良いデザイン。
漢字の美しさが理解できる言語圏で良かった。
ぱかっと開けるとご本尊が見える。
内箱のデザインがそのまま本体に反映されているかのよう。
コンセプトがしっかりしていて、とても纏まった美しい梱包デザインだ。
オプションは上記の通り。
イヤホン本体、ケース、ケーブル、大量のイヤーピース。
ケーブルは3.5mm、0.78mm 2Pin。4芯かな?
ファブリック加工で絡まりにくいやつ。
ケースは円形。
上蓋にポケットがついているタイプ。
まぁオマケレベルな品質かな。
本体は見ての通りとてもシンプルでシックなデザイン。
黒筐体に刻まれた金色のラインと「Aria」の文字が美しく映える。
マット加工の金属製筐体が想像以上の高級感を演出しており、所持することへの満足感がある。
この筐体故の安定感や高剛性も、その満足感へ拍車をかける一員か。
ステム部分には突起(返し)が無く、使用するイヤーピースによっては耳からの脱着後にすっぽ抜けてしまうかもしれない。
勿論0.78mm 2Pin仕様。
体重測定。
まさかの10gを測定。NICEHCK NX7 MK3の2倍ってマジか。
金属筐体故のずっしり感は伊達じゃない。
MOONDROP Aria の良いところ
上品な音に酔う
誇張のない、とてもバランスの取れた音質が魅力的。
モニター向けの無機質でバランス重視の面白みのない傾向とはまた違った、とても上品な音だ。
どの音域もバランス良く聞かせてくれる為、再々楽曲を選ばない。
解像度も1DDとは信じられないぐらい明瞭であり、十分な迫力がある。
流石にNICEHCK NX7 MK3などの多ドラ機に比べてしまうと不足気味だなぁと思わざるを得ないが、それでもかなりの肉薄ぶり。むしろ音の多さに疲れないだけあって心地良いまである。
今まで自分が聴いてきた中華イヤホンは「下品だったんだな」と思わされるぐらいの、生き生きとした音作りに大変驚くと同時に感動も覚えた。これがイヤホン沼なんだよなぁ。
金属筐体故の音の響きがとても魅力的。
低音を誇張しないまでも隅々まで響かしてくれており、とても艷やかだ。
電子音もアコースティック音源も聴き疲れせず鳴らしてくれる。
ボーカルも明瞭に聞き取ることが出来、浮き沈みも感じない。
それでいてサ行も刺さることなく、高音域までカバーした出力を感じることができる。
全体的にマイルドめではあるが、十分に音楽を楽しむことが可能だ。
なんという完成度の高さか。
映像コンテンツに強い
実は本機の良さは映像コンテンツでも活きる。
本機の金属筐体の響きが、まるで映画館での視聴のように迫力を出してくれるのだ。
上記映像等を本機で確認していたところ、なかなかの迫力に驚いた。
多ドラではクドい上に疲れるし、なんなら五月蝿いまである。
つまり本機では音楽も映像コンテンツも楽しむことができるということだ。
MOONDROP Aria の残念なところ
標準ケーブルがやや力不足か
付属ケーブルがやや力不足。ケーブル交換は必要かも。
まぁ本機の魅力である「聴き疲れしない音作り」を引き立てるうえではちょうどいいバランスなのかもしれないけれども、交換次第ではもっと良いほうに化けてくれそう。
色々試しがいがありそうだ。
冷たく重い
金属筐体で10gもある。
なので寒い時期に装着すると耳がすげえ冷たい。ヒヤっとする。
暫くすると体温で暖かくなるけど、ちょっとびっくりする。
それからやはり重さが気になる所。長時間の装着で少し疲れを覚える。
まぁこれは人によるところでもあり、このずっりしと装着できるところが気持ち良いという人もいるかもしれないので欠点にはならないかもだ。
MOONDROP Aria の総評
今までの中華イヤホンとは一線を画するイヤホン。
最近の中華イヤホンに飽きた人や、これから始めたい人にうってつけ。
万人におすすめできる完成度の非常に高いイヤホンだ。
こんな感じでMOONDROPはとてもファンが多い様子。
筆者もMOONDROP沼に嵌りそう。色々買い漁っちゃいそう。。。
2023/1/24 買っちった。
これが地獄の始まり。