
まず最初に、本記事はAKASO TECH LLC社様より商品を提供頂いた上での記事となる。
提供品だろうがなんだろうが、正直に書き記すスタイルは変えるつもりは無いので、偏見無しに一読いただきたい。(テンプレ)
なんだかアクションカメラ界隈に360°撮影の波が来ているな。
insta360は勿論の事、DJIもOsmo 360を出してきたし、なんか最近アレなGoproも新型を出してきている。
そんな中、このビッグウェーブに負けじと乗ってきたAKASOという企業をご存知だろうか。
ちなみに筆者は知らなかった。
ということで今回は AKASO 360 というアクションカメラをレビューしていく。
AKASO 360 の基本データ
AKASO について

AKASOは、主にアクションカメラを製造・販売している企業だ。
元々は2011年に米国ワシントン州シアトルで設立された企業であるが、現在では中国を拠点とする企業が保有するブランドとして2013年ごろに確立された模様。
アウトドアやアドベンチャー環境下での使用を目的としたアクションカメラを展開しており、高品質ながら手頃な価格帯の製品が特徴ということで、コストパフォーマンスの高いブランドとして知られているとのこと。
AKASO 360 について

AKASO 360は、360°撮影が可能なアクションカメラだ。
競合他社製品と比較するとかなり手頃な価格帯での展開が行われており、それでいて機能面では妥協はなく、高性能な機能を備えている様子。
主なスペックとしては以下の通り。
映像
- 360度動画: 5.7K @ 30fps、4K @ 60fps
- シングルレンズ動画: 2.8K @ 60fps
- 360度写真: 72MP (7200万画素)
センサー・レンズ
- センサー: デュアル1/2インチ4800万画素CMOSセンサー
- 絞り値: f/2.25
バッテリー
- 容量: 1350mAh
- 駆動時間: 約60分(5.7K/30fps撮影時)
その他の主な特徴
- 手ブレ補正: 360° SuperSmooth手ブレ補正
- 追跡機能: AIトラッキング
- ディスプレイ: 2.29インチタッチスクリーン
- 防塵・防水: 全天候防水
- その他: 見えない自撮り棒、専用アプリ、デュアルバンドWi-Fi、Bluetooth 4.2
おや、これは…Insta360 X3じゃな?
なるほどちょうど手元にある。比較してみよう。
機能 | Insta360 X3 | AKASO 360 |
360度動画解像度 | 5.7K/30fps | 5.7K/30fps |
360度写真解像度 | 7,200万画素 | 7,200万画素 |
センサー | 1/2インチ4800万画素 | 1/2インチ4800万画素 |
ディスプレイ | 2.29インチ強化ガラス | 2.29インチ |
バッテリー容量 | 1,800mAh | 1,350mAh |
手ブレ補正 | FlowState手ブレ補正 + 360度水平維持 | 360° SuperSmooth手ブレ補正 + 360°水平維持 |
AI機能 | AIトラッキング、AI編集 | AIトラッキング、AI編集 |
防水性能 | 10m防水 | 全天候防水 |
やはりスペック面もやれることでも同じな様子。
本機のライバルはInsta360 X3ということだろう。
といっても、向こうは4.5万円に対し、こちらは2.9万円。
ヒュー!やるじゃねえか!
価格はさておき、ガッツリ比較してやるかんな~覚悟しろォ?
AKASO 360 の外観


まずは外箱から。
縦長の箱で本機の裏表が描かれている
背面には実装機能のピクトグラムのみ。

開けるとこんな感じ。
うーん、ここまでガッツリX3インスパイア。

内容物は上記の通り。
ソフトケース、AtoCケーブル、説明書、クロス、バッテリーが2つ。
アクションカムあるあるなステッカーは無かった。


ソフトケースはちょうど充電ポート部に穴が空いている。
ここもX3と同様。

バッテリーが2つ付いてるのはお得ナリねえ!
と思う反面、嫌な予感がよぎる。
まぁ予想通りなわけで、理由は後述。


本体。
長方形な体躯にモニタ付き。
下部には大きめなボタンが一つ。


集音マイクは上部左右に2つ配置。
電源ボタンはファンクションキーを兼ねている。
浅く押せばFn、深く押せば電源ボタンとして稼働する。

下部は標準的なカメラ用の1/4インチネジ穴を配置。


設定画面はこんな感じ。
シンプルやね。

モード切替はスライド。
左から「動画/タイムラプス/ループ録画/写真/DNG8(RAW)/AEB撮影(HDR撮影)/インターバル撮影/TimeFusion」。
DNG8やAEB撮影など、見慣れない形式が確認できるが別に本機固有なものではない。


X3と比較。
大きさも形状もほぼ一緒。
X3の液晶は強化ガラスなので質感が大分異なっている。

体重計測、本機は178.9gを計測。
重さまでX3と一緒。
オプション品
AKASO TECH LLC社様は弊ブログをちゃんと確認されていらっしゃる様子。
「バイクで使うんなら色々オプション渡しまっせ~」とのことで、それら関係アイテムも提供してくれた。
ありがとナス。

本体の他、セルフィー棒とクランプ、SDカードとマウントアダプターを提供してくれた。
太っ腹!

セルフィー棒は三脚が脱着できるタイプ。
ああ、コレで所有しているセルフィー棒が5本になっちゃった。

クランプは球形ホルダータイプ。
細めのロッドにも対応できるラバーアイテムが付属しており、いかにもミラーに付けて欲しそうな形状をしている。
質感が良く結構使えそう。
ああ、コレで所有しているクランプが3本になっちゃった。


では望み通りミラーに装着して実機検証してみよう。
以下で紹介する動画はこの形態で撮影を行っている。
一般的なモトブログの画角やね。
それではデュエルスタンバイ!
AKASO 360 の良いところ
全く問題の無い使用感
正直疑ってました。
だってX3が4.5万円に対し、AKASO 360は2.9万円だよ?
そりゃあ不安しかないって。
ところがどっこい、これがまるで問題が無いんだな。
作成された動画のクオリティ、画質、本体の操作性、全てが問題無し。
正直かなり驚いた。
バイクの振動もなんのその、ド安定の撮影ができている。
以下X3との比較動画を掲載。
共に5.7K/30fpsで撮影、設定は全てデフォルト。
ぶっちゃけ説明が無いと違いが解らないレベル。
非常にクオリティが高い。
細かいところを指摘するのであれば、AKASO 360のほうが「何故かセピア寄りの色味」「風切り音がデカい」というところか。
いや、”風切り音についてはデカすぎる”と言ったほうが良いかもしれないが…。
続いて、走行しない使い方での比較。
同じく5.7K/30fpsで撮影、設定は全てデフォルト。
これまた違いがほぼ無い。
同じ土台で勝負ができる品質といって差し支えが無い。
自撮り棒もちゃんと消えている。
細かいところとしては、やはりこちらも同様にAKASO 360のほうが「何故かセピア寄りの色味」という特徴が出ている。
また、手すり部分に注視してみると、AKASO 360のほうでは色収差が出ていることが解ると思う。
まぁよく見ないと解りもしない話ではあるのだけども。
とまぁ、X3と比較しても重箱の隅をつつく様なレベルの差しかなく、通常使用においてはまるで問題がない。
この価格差でここまでできるのであれば、かなりコストパフォーマンスの高いアクションカメラと言えるだろう。
なお、本機の編集アプリケーション側で色味の編集が可能。
ここでイジってしまえば本機のセピア感を除ける事ができるぞ。

AKASO 360 の残念なところ
電池持ちが悪い

上述したように、やはり電池持ちが悪かった。
5.7K/30fps60分持たない。
付属の64GBのSDカードはまだ3/5程度しか使用できておらず、まだまだ余裕があるにも関わらず、本体のほうが力尽きてしまった。
正確には、気温32℃の環境下で、5.7K/30fps、デフォルト設定で撮影した際に、58分42秒で電源断となっている。
対してX3は同条件で100分程度は頑張ってくれる。
バッテリー容量については、X3が1,800mAh、AKASO 360が1,350mAhということで、妥当っちゃ妥当な数値ではあるのだけども。
まぁ、そのための”標準でバッテリー2個セット”なのでしょう。
配慮が有って凄いと思った。(小並
とはいえ、アクティブ活動下でバッテリーを交換できるタイミングってあまり無いからなぁ…。
ちなみに公式の計測値では、気温40℃以下の環境下での利用において、5.7K/30fps、デフォルト設定で撮影した場合に60分持つことが確認できているとのこと。
まぁ、誤差やね。
残り何分の録画ができるのかが直感的に解らない

本機は何故か残バイト数で計測が行われる。
普通は、残りh/m(何時間何分)の撮影が可能と計測されるものだが、本機はSDカードの残りバイト数が表示される。
つまり、直感的にあとどの程度の録画が可能なのかが解らない。
筆者は有名どころから無名のよくわからないメーカーのアクションカメラを数多使い続けて来たが、SDカード残量で計測が行われる機種は初めてなので驚きがデカい。
保存形式が特殊すぎる

本機は一つの動画に対し3つの動画ファイルを作成する。
前動画、後動画、前後を合わせた動画、という3つのMP4ファイルが、5分事に分割して作成される。
編集アプリ上ではこれらファイルを纏めて一つの動画として扱ってくれるので問題は無いのだが、ファイルの管理としてはクソ面倒。
前動画、後動画、前後を合わせた動画のうち、一つでも欠けるとエラーを吐いて正常に読み込めない。
しかもそんなのが5分事に作成されるので、ファイル数がとんでもない事になる。
DJI Osmo Actionも似たような仕様ではあったが、本機は前後の3つもファイルをその都度作成するので、ちょっとタチが悪いかなって。
AKASO 360 の総評

安価な360°撮影カメラと侮るなかれ。全然使えるコスパ良好アクションカメラ。
動画の撮影・編集体験は優れている一方で、細かいところが惜しいといった印象。
電池持ち、保存方式はまぁいいとして、残り何分間の撮影が可能なのかが解らないのはちょっと厳しいかなぁ。
ファーム更新でどうにかできそうなので頑張ってほしいところ。
とはいえ、総合点では3万円以下で購入できる360°撮影可能なアクションカメラとしては健闘できている製品と評価できる。
入門機としてはかなりオススメできるので、是非とも検討してみて欲しい。