
一ヶ月前、以下のトラックボールマウスを購入した。
形状が多少違うぐらいで、他には何も面白みの無いマウスであり、色々とがっかりした。
で、上記記事内で「どうせ買うならKensington Slimblade Proでも買えばよかったなぁ」とボヤいたものであるが、まぁその通りで我慢できずに買っちゃった。
ということで Kensington Slimblade Pro をレビューしていく。
Kensington Slimblade Pro について
Kensington とは

Kensingtonは、アメリカ合衆国に拠点を置くオフィス用品ブランドだ。
世界的大手であるACCO Brands(アコ・ブランズ)の一部門にあたり、PC周辺機器・アクセサリの設計、製造、販売を行っている。
Kensingtonと言えば奇妙なトラックボールを作るブランド、という認識が強いと思う。
が、社会に出てみると「ケンジントンロック」なるセキュリティ機構に出くわすことが多く、調べてみると当然同社であるKensingtonに行き着く事になり、世間一般では”セキュリティスロットとしてのKensington”という方がメジャーであるという真実にブチ当たるのだ。
おそらく大多数の日本人はこの事に驚くと思う。
え、あれ?違うの?そうなんだ…。
ごめんね…。日本人代表ヅラしちゃって…。
Kensington Slimblade Pro とは

Kensington Slimblade Pro とは、2022年ぐらいにKensingtonが繰り出した珍妙奇天烈なマウスである。
55㎜ボールを中心に配置した左右対称デザインのトラックボールマウスであり、一見するとマウスであることすら解らない異形なガジェットとなる。
前モデルの「SlimBlade」は有線のみであったのに対し、本機は形状や操作感はそのままに無線対応・充電式へと進化したモデルになる様子。
本機の特徴としては以下の通り。
- 機能:
- 大玉(直径55mm):
安定感があり、指先での細かい制御からダイナミックな移動まで対応。 - ひねってスクロール:
ホイールがなく、ボール自体を水平方向に「ひねる」ことでスクロール操作を行う独特かつ直感的なギミック。 - 左右対称デザイン:
右利き・左利き問わず使用可能。
- 大玉(直径55mm):
- 接続方式(トリプル接続):
- Bluetooth
- 2.4GHzワイヤレス(USBドングル付属)
- 有線(USB-C to Aケーブル付属、充電しながら使用可)
- バッテリー:
内蔵リチウムイオン電池(USB-C充電)。1回の充電で最大約4ヶ月使用可能。
ボール自体を捻ることでスクロール操作が可能、という非常に個性的な機能を有している。
この独特な機能を味わいたくて手を出したまである。
その機能の実用性は果たしてどんなものだろう。
Kensington Slimblade Pro の外観


まずは外箱。
なんだか業務的というかオフィス的というかなんというか。

内箱。
ただの段ボール感。

あけると、球が剥き出しで登場。


本体。
のぺっとした黒い板に赤い球が乗っかっている。
かっこいいと言えばかっこいいかもだが、気持ち悪いと言えば気持ち悪い。
そんな絶妙なデザイン。

上部にはType-C入力。
有線使用/充電に使用することが可能。

本体右にはDPIボタン。
マウス感度を切り替えることができる。
「400/800/1200/1600」のDPIに変更可能。

左には「無線/有線/Bluetooth」接続の切り替えが可能。

球は乗っかっているだけ。マジで乗っかっているだけ。
逆さまにするとゴロッと落ちる。
なんという潔さか…。


本体背面にはUSBレシーバーが収納されている。
なんか持ち運びできそうな顔しとりますけど、上述したように球は乗っかっているだけなので、持ち運びはかなり実用的ではない。


付属品は上記の通り。
CtoCへの変換プラグも内包。

重さはずっしり288.1gを計測。
まぁ手に持ってぶん回すタイプのモノではないので重くて結構なワケだけども、それでもトラックボールマウスとしては重い。
Kensington Slimblade Pro の良いところ
汎用性の高いデザインと優秀なアプリ
手のひらの何処を使用しても使用することができる、非常に汎用性の高いデザインは唯一無二。
おそらく中指と薬指を使用してボールを操作する事を前提としたデザインなのだろうが、手のひらだろうが親指だろうが、ましてや小指での操作であっても対応することができる。
画面の端から橋まで移動するに際し、手のひらすべてを使用してヌルーっと動かすこともできるし、人差し指から小指までを使用してスルーっと移動することだってできる。

これを可能にするのは、なにも本機のデザインだけではない。
オフィシャルで提供されているアプリの機能も大分に優れている。
右クリックも左クリックもアプリ上で好きに配置できるので、より自分好みに使用することが可能。
この機能性を以てすれば、足でも操作できるんじゃないか、という汎用性の高さがある。

筆者は上記のように右斜上に右クリックを配置、本来右クリックがある箇所には中央クリックを配置している。
筆者は薬指と親指でボールを操作し、手の内側で中央クリック、右クリックを小指、左クリックを親指、人差し指で左上クリックという大分テクい使用を行っている。


ポインター速度もスクロール速度も勿論可変可能。
ここまで汎用性が高いと、必然的に自分の用途に合わせた環境特効なデバイスと成り上がってしまう。
コレに慣れてしまうと、もう他のマウスには戻れない。
Kensington Slimblade Pro の微妙なところ
あまりにも個性的な操作感
まぁ、言わずもがな、ですね!
見ての通りで説明する必要もなく、本機は通常のマウスのそれとはかけ離れた操作感を有する。
故に、かなりとってもトンデモなく激烈に人を選ぶのだ。
これ実は、ぱっと触って解るようなものではない、というのがまた面倒くさい。
そもそも、ぱっと触って違和感を感じるような人は本機を選ばない。
日常使用をしてく中でフラストレーションが溜まっていくような製品なのだ。
家電量販店の展示品を触る程度ではおそらく気付くことができるようなものではなく、長い間使用してく中で、ふつふつと溜まっていくストレスに対し、どこまで許容できるか、という本機への愛情が必要となる。
筆者自身も本機を使用する中で「なぜ自分はこんな苦行を?」と自問自答する事が何度かあった。
が、それを超えて慣れてしまうと、本機の利便性や唯一無二感に虜になってしまい、行き着く先にはエデンが待ち受けているのである。
そう、人はソレを洗脳と呼ぶ。
君にこの覚悟はあるか?
Kensington Slimblade Pro の総評

唯一無二の気色悪いトラックボールマウス。慣れると最強。
つまり慣れないと地獄ですわ。
この糞みたいなドマゾデバイスは、正直人にはおすすめできないなぁという印象。
大人しく他のトラックボールマウスを選んでほしいまである。
まぁ正直、筆者としてはコレは前哨戦な位置づけ。
2023年に発売されたマウスなので、今更詳細に触れる必要も無いと判断しての、このようなシンプルな記事となっている。
本命は12月に発売される新型マウス、Kensington Expert Mouse TB800であり、本機はデモンストレーションとしての導入となる。
この操作感に適正があれば導入しようと考えていたのであるが、どうやら筆者はそれがあるらしい。
ということで、勇んで新型も購入してみようと思う。



