SeeAudio x Z Reviews Rinko がなかなか良かったため、同社製品を探していた次第。
予てより見かけて気になっていたSeeAudio Bravery AEを手に入れたのでレビューしていこうと思う。
SeeAudio Bravery AE の基本データ
SeeAudio について
SeeAudioは2019年に生まれた深圳発のオーディオブランド。
優れた筺体美とサウンドチューニングが度々ネット上で話題になるブランドという印象。
他細かいことは以下記事を確認してほしい。
SeeAudio Bravery AE について
SeeAudio Bravery AE は、前機種であるSeeAudio Braveryの次期モデルだ。
初期のSeeAudio Braveryは、黒くて重厚感のある三角形なデザインのものであったが、次期モデルではより装着感を高めた筺体デザインへ変更となり、またプラグ交換式のケーブルへと換装されている。
また、赤と青のカラーモデルが存在している模様。
BAドライバを4基搭載した完全BAイヤホン。
高域用に1基、低域用に2基のKnowles BAドライバと、中音域用に1基のSonion BAドライバで構成されているとのこと。
正確なチューニングに自信アリとの説明が確認できる。
ケーブルメーカーである HAKUGEI とイヤピメーカーの Azla Sednafit とコラボしており、標準で同社のケーブルとイヤピが付属しているお得仕様。
ちなみに各配色で製品名も若干異なる模様。
上述の通り三角形の黒いモデルが「SeeAudio Bravery」、限定赤モデルが「SeeAudio Bravery Anniversary Limited Edition」、赤と青モデルが「SeeAudio Bravery AE (Angel Ears) Exclusive Edition」、赤と青が一つづつ入っているのが「SeeAudio Bravery RB Edition」らしい…。
リアルタイムで追っている訳では無いので詳細は不明。
初期機種を除き、他モデルは色が異なるぐらいで中身は変わらない。
限定赤モデルとSeeAudio Bravery AEの赤の何が違うのか正直分からないうえ、Amazonでの扱いは「SeeAudio Bravery AE (Angel Ears) Exclusive Edition」モデルに対し「SeeAudio Bravery AE リミテッド エディション」という説明書きがされている。
結局同じなのか?箱の絵柄だけの違いなのか?わ わかんないっピ…。
SeeAudio Bravery AE の外観
まずはいつもの通り外箱から。
到着したのはちゃんと「Exclusive Edition」だった。
ちなみにこの表紙の娘っ子はSeeAudioの看板娘らしく、名前は「リンコ」らしい。
え?じゃあSeeAudio x Z Reviews Rinkoはこのリンコのことなの?
じゃあ表紙の娘達は誰?何で二人いるの?わ わかんないっピ…。
話を戻して箱の裏を見てみる。
商品スペックの記載が確認できる。
内箱はこんな感じ。
SEE through your Ears?”耳を通して見る”ってこと?
開封。高級感あり。
内容物はこの通り。
プラグは換装式。2.5、3.5、4.4mmに変更可能。
ケーブルは太く、布製カバーのため絡まり辛く、断線はし難そうだ。
イヤピはお高いAzla Sednafit製のものとフォームイヤピが標準で付属。
太っ腹!
ケースはセパレート式。ちょっとショボい印象。
換装プラグが入っていた。
黒い封筒には沢山の紙が入っていた。
ポストカードやら説明書やら…シールまである。
君、そういう顔できるんだね。
全力で変顔ができる女は好きだ。でも前歯はどうにかしろ。
なんか花言葉みたいな説明が確認できる。
選んだ色毎にアドバイスがあるようだが、紅だけ辛辣なのは何故?
そんな紅選んだ奴~。
本体は綺羅びやかで美しいフェイスが印象的。
耳の形状に沿ったような流線的な筺体が美しい。
最近ではKZ ZARでも見かけたものであるが、意外とこの筺体を採用しているイヤホンは少ない印象。
ギッチリみちみちという印象はなく、すっきりシンプルにBAが配置されている印象。
また筺体自身もレジンのみで形成されておりとてもシンプル。
金属みや特殊加工は見受けられず、軽いことも相まって少し安っぽさがある。
そんな体重測定は3.9gを計測。
とても軽くて不安になるが、肝心の音質は果たして。
SeeAudio Bravery AE の良いところ
ぶっちぎりに優れた出力バランス
低域から高域にかけて不足しているものが一切なく、何かが詰まっているような印象もない。
ドがつくほどのニュートラルな出力ではあるが、決してツマラナイ音構成ではなくメリハリがしっかりとあるので聴き飽きるということはない。
見通しのよいスッキリとした空間表現力もあり、何処で何の楽器が配置され演奏しているかを明確に把握することができる。
解像度もちょうどよく、情報過多で聴き疲れるということも無いレベル感だ。
女性ボーカルの表現力が極めて高く、コーラスの分離感は眼を見張るほど。
中高音域の攻め方が本当に絶妙で、サ行が刺さるか刺さらないかというキワキワなラインで調整されており、あともう一息あったら五月蝿いな、耳につくな、という手前でしっかりと抑えられている。
これホント面白い体験で、思わず「すげえな」と口走ってしまうほど。
低域の厚みもとてもしっかりしており、迫力がある。
DDを搭載しているのではと思うレベルの力強さがあるものの、クドさはなく全体の印象を崩さないレベルで鳴らしてくれている。
バランスがとても調整されたスピーカーに囲まれた空間、いうなれば映画館に一人でいるような印象。
トンデモなく優秀なバランス感覚を備えており、楽曲を選ぶことなく高音質を浴びせてくる。
正に超優等生なイヤホンと言えるだろう。
SeeAudio Bravery AE の残念なところ
音が良い、しか言うことがない
いやイヤホンなんて音が良ければいいだろう、という話ではあるのだけど。
本機は筆者の稚拙なボキャブラリでは書き記せないレベルでの高音質を有している。
装備品もかなりレベルが高く、これだけ買っておけば長い間楽しむことができるだろう。
そう、本機は正に完璧。不足も無ければ不満点も無いのだ。
が、なんかこう、本機にはユニークさが無い。
誰が聞いても良い音、なのではあるのだけど、それ以上言うことがない。
本機だから見える景色、というのは無く、ただただ”音が良い”という音色が響いているだけだ。
例えるのならば勉強しかしてこなかった人、というような感じ。
優秀なのだけどそれ以外の経験がないので話す内容が面白くなく魅力を感じない、みたいな。
深みというか、コクというか、喉越しというか。
何かささくれ立たせる要素がほしかったな、と、あくまで個人的に思った次第。
個人的にはSeeAudio Braveryな音質に「トロみとコクと旨味」を加えたようなTANGZU × HBB Wu Heydayの方が好きかなぁ。
まぁ、あくまで個人の好みの話ではあるが。
SeeAudio Bravery AE の総評
とんでもないバランス感覚を備えた超優等生イヤホン。
Z Reviews Rinkoの時も感じたものではあるけども、SeeAudioは本当にバランスの取り方が上手。
他社イヤホンでは感じることができない技術力の高さを感じることができる。
付属品のレベルも高く、本機を購入するだけでイヤホン沼から脱出できるかもしれないポテンシャルを秘めている。
万人におすすめできる素晴らしいイヤホンだと感じた。