別に狙っていたわけではないけど、何故か偶然手に入れてしまったこのイヤホン。
まぁせっかくだからレビューしたろかの精神で本記事を起こしている次第。
ということで今回はSeeAudio x Z Reviews Rinkoをレビューしていこうと思う。
…りんこって誰?
SeeAudio x Z Reviews Rinko の基本データ
SeeAudio について
SeeAudioは2019年に生まれた深圳発のオーディオブランドだ。
イヤホンファンなら必ず誰もが見たことがあるモノでありながら、Wikiであるとか公式HPがなく素性がつかめないという不思議ブランドという印象がある。
一応SNS的には以下が公式HPっぽい?
SeeAudioはいくつかの製品を展開しているが、そのどれもが結構お高めな値段設定になっている。
イヤホン界隈はコストに伴う経験が一致していないため、この価格でハイエンドと言えるのかどうかというところではあるが、SeeAudioとしては「ハイエンドのイヤモニメーカーである」と自称しているので、まぁそういうことなんだろう。
最早昨今の流行りになりつつある美少女パッケージの”例のアレ”が採用されており、見た目のインパクトは中々にダイナミック。
今回レビューする「Rinko」も例外ではない。
SeeAudio x Z Reviews Rinko について
SeeAudio x Z Reviews Rinkoは、2023年3月に発売されたイヤホンである。
平面磁気駆動ドライバ(PD)とダイナミックドライバ(DD)の異なるドライバ2基を同軸配置した、1PD+1DDハイブリッドドライバが採用されている。
新開発の6mm マイクロフラットパネルユニット(平面駆動ドライバ)を採用することにより、より俊敏で正確な音出力を可能としており、そこを補強するように備えられたダイナミックドライバがインパクトを与えるような構成になているとのこと。
チューニングはアメリカ在住の有名レビュアーである「Z Reviews」氏が担当しており、既存の商品展開より力の入った所謂”コラボ商品”として提供が行われている。
そう、図らずして有名レビュアーが作った作品を筆者のようなうんちがレビューするという地獄企画その3となってしまったのだ。
許して、叩かないで…。
他の地獄レビューは以下参照。
SeeAudio x Z Reviews Rinko の外観
まずはいつもの通り外箱から。
これがRinkoちゃんですか。
…どっちがRinkoちゃんですか?
裏面にもRinkoちゃんと思われるスケベ女が確認できる。
改めて、およそイヤホンのそれじゃねえよなって。
結局この黒い方がRinkoちゃんってことでいいんですかね。
じゃあ白い方は誰なんだっていう。
内箱はこんな感じ。
ぱかっと開くタイプ。
うわぁ。(絶句
中身を取り出してみる。
ポストカード(自立可能)、説明書、謎カード(保証カード?)が確認できる。
ケースと本体はこのように配置。
ケースを広くとケーブルとイヤピが出てくる。
Z Reviewsのロゴも確認することができる。
ケースの品質は極めてよく、開閉の感触もさることながら質感も優れている。
4℃の指輪が入っていそう。
(類義語として「AKB48にいそう」が挙げられる。)
ケーブルは少し安っぽさを感じる触感であるが、本体とのデザインの面では均衡は取れているように思える。
が、長く使用すると緑化しそうな品質にも思え不安感がある。
MOONDROP VARIATIONSのようなスケ感を感じる。
エッチみを若干感じるものではあるが、VARIATIONSのようなグラマラス感は無いのが残念。
フェイスプレートはつや消しマットな触感ではあるが、段差が設けられており立体感がある。
皮脂が残りやすい素材であり、また前述した通りの構造であるためにそれが目立ちやすくなっている。
ステムは平均的なソレであり特筆するようなものはない。
体重測定は4.2gを計測。
本体の小ささも相まって扱いやすさがある。
SeeAudio x Z Reviews Rinko の良いところ
低音ぶりぶりなのに何故か破綻していない出力が面白い
本機はかなり低音域の出力が強めである。
兎にも角にもまずはコレを伝えざるを得ないというレベルで低音が強い。
ぶりぶりのドスドスと表現しても違わないくらいの強いドン感がある。
しかして響きすぎるということもなく、しっかりとしたアタック感が感じるものであり、バスドラムの空気感や振動を感じる事ができる繊細さがある。
その繊細さやアタック感は高域でも何故か健在であり、低音がかなり強めな本機でありながらソレ以外の音域も問題なく感じる事が可能であり、全体の印象として全く破綻していない。
以前に紹介した TANCHJIM NEW HANA や KBEAR Aurora のような、本ブログで言う”陽キャサウンド”に近いものであるが、そこまでの”しつこさ”は無く、本機でしか味わえないようなユニークさから奏でられる音色という印象がある。
解像度も実はかなり高く、細かい音の再現率は大変に良い。
各音の粒立ちは丸めながら極めて良く、何が何処で鳴っているかを感じることができる。
ハイハットの金属音は遠め、ボーカルは中距離という位置感に感じるが、それも本機の味付けと感じる納得感がそこにはあり決して不快に感じるようなものではないのが興味深い。
ハイレゾはハイレゾ感を感じつつ、ハイレゾではない音源でさえも本機の味付けで楽しむことができる、大変にユニークなイヤホンであると感じた。
とはいえ、やはり低音強めであることから本機の得意なジャンルはポップスやロック寄りであり、クラシックやジャズには向いていないといえる。
筆者的にはR&B気味の曲調との相性が良いかもと感じている。
うーん、この美少女パッケージでは想像もつかねえわなぁ。
SeeAudio x Z Reviews Rinko の残念なところ
合わない人は絶対的に合わない音
上述した通り、本機は「本機の音」で音楽を鳴らす。
それは TANCHJIM NEW HANA や KBEAR Aurora のような”しつこさ”は無いものの、限りなく音を誇張して表現してくるものだ。
この出力傾向は、限りなく人を選ぶ。
筆者のように、モニターライクな純粋な音出力を面白くないと感じる人にとっては魅力的に感じるであろうが、そうでない人にはバッチバチに合わないと感じる。
本機は音楽を楽しむことに特化したイヤホンであり、音楽を解析するイヤホンではない。
本機はそういうものであると理解したうえで購入するようにしよう。
SeeAudio x Z Reviews Rinko の総評
SeeAudioの魅力が伝わる面白いイヤホン。
低音がやたら強いのに破綻しないという不思議な感覚を味わうことができる。
SeeAudioはノーマークではあったが、今後集めてみたくなる確かな技術力を感じるものであった。
上述したように人を選ぶイヤホンではあるが、刺さる人には刺さる魅力たっぷりなイヤホンであるのは間違いない。
最近の音楽ライフに閉塞感を感じている人には新しい風となってくれるかもしれない、そんな魅力的なイヤホンだと感じた。