まず最初に、本記事は株式会社アーキサイト社様より商品を提供頂いた上での記事となる。
提供品だろうがなんだろうが正直に書き記すスタイルは変えるつもりは無いので、偏見無しに一読いただきたい。(テンプレ)
オンラインゲーム時の筆者環境ではfifine AmpliGame AM8Tがメインに使用されている。
音質や扱いやすさにおいて、非常に優れているマイクだ。
で、この度本環境に対する挑戦者が現れた模様。
なんでもヨーロッパからの刺客だそうな。とても楽しみ。
ということで今回はStreamplify MIC PROをレビューしていく。
Streamplify MIC PRO の基本データ
Streamplify について
Streamplify は「Pro Gamers Group」というドイツに拠点におく、2021年に創業されたゲーミングサプライ商品を展開する企業の一つのブランドとなる。
「Pro Gamers Group」はいくつかのブランド展開が行われているが、Streamplify はその中でも”コスパを重視したストリーマー向け”のブランドという位置付けの様子。
日本においては、Webカメラ/マイク/マイクアーム/キャプチャボードが株式会社アーキサイト社より展開されている。
日本以外ではその他USBハブや照明なども提供されている模様。
Streamplify MIC PRO について
Streamplify MIC PRO は、高性能高品質なUSBコンデンサーマイクだ。
192kHz/24bitサンプリングレートによるハイレゾ入力が可能。
また、4パターンの指向性切替(ステレオ、無指向性、単一指向性、双指向性)に対応しており、録音環境に応じて柔軟に設定を変更することが可能となっている。
タップで簡単にミュートに切り替えるクイックミュートや、直感的なオーディオレベル調整ダイヤル、ショックマウントスタンドなど、様々なシーンで活用できる機能を装備しているとのこと。
なお、オーディオレベル調整ダイヤルを押下することで指向性切替が可能となっている。
おまけ的な機能ながらもRGBライトを装備しており、配色変更スイッチも装備。
また3.5mmプラグを備えているため、Streamplify MIC PROをPCに接続しイヤホンを繋いでしまえば、これだけで簡易なストリーミングスタイルを構築することが可能となっている。
ちなみにダイナミックマイクとコンデンサマイクの違いは以下の通り。
ダイナミックマイク
- 感度が弱い(基本有効範囲5~15cm程度)ので雑音を拾いにくい。
- 頑丈、湿度に強い為、屋外で使用される事が多い。
- アンプなどを有さないモデルが多く電源が必要ない。
コンデンサマイク
- 感度が高い(基本有効範囲5~25cm程度)ので雑音を拾いやすい。
- 複雑な機構を有する為、繊細で湿度に弱く耐久性も良くはない。
- 週話数特性の幅が広いため、低域から高域まで集音可能。
Streamplify MIC PRO の外観
まずは箱。
スタンド付きなのでそれなりにデカい。
箱背面にはスペック表が確認できる。
開けるとこう。
全部取り出すとこう。
説明書はmulti-languageとなっており様々な言語で纏まっている。
ちなみに日本語は上記画像のみ。うーんシンプル。
発光パターンは10パターンある。
指向性切替パターンとして「ステレオ、無指向性、単一指向性(カーディオイド)、双指向性」の記載が確認できる。
後述で触れるが、この記載はちょっとヨロシクない。
付属ケーブルはCtoC、CtoAのUSBケーブル。
共に2m程度と「帯に短し襷に長し」という具合。
本体はこのように。
丈夫にミュートボタン、またマイクの指向性の表示アイコンを装備。
下部に3.5mmオーディオジャック、USB Type-C入出力口を装備。
マイク前面にオーディオレベル調整ダイヤルとRGBライト配色変更スイッチを装備。
前面のくぼんでることろがRDBスイッチとなる。
付属のスタンドを組み立てるとこのように。
ショックマウントスタンドとなっているため。ゴムバンドで宙に浮いている状態で固定されている。
これなら台パンしても影響なさそうだね!しないけど。
スタンド下部からケーブルが生える構成となる。
スタンド自体にはケーブルを隠す要素は無いが、ケーブルを這わせるような背面穴はあるので収まりは良い。
Streamplify MOUNT LIFT に装備
今回Streamplify MOUNT LIFTもご提供頂けたので、併せて装備してみる。
Streamplify MOUNT LIFTはマイクはもちろんのこと、カメラやライトなど様々なデバイスを設置可能なリフトアームだ。
1/4インチ、3/8インチ、5/8インチねじに対応したアダプターが同梱されておりマルチに設置が可能。
耐荷重は最大2.5Kg、360°回転可能なスイベル機構でありヘッド部は180°の角度調整が可能となっている。
開けるとこのように。
汎用性の高い1/4インチネジが標準装備。
カメラや照明の固定も可能。
設置するとこのように。
付属スタンドと異なり、ケーブルを這わすような機構が無い為にケーブルをむき出しで運用せざるを得なく、であればとアームに巻けば折りたたむときにケーブルを噛む(干渉する)為に折りたためないという激アツな仕様となっている。
一応固定バンドは4本付属しており、折りたたみ時に干渉しないように配置は可能。
ただやっぱりケーブルは浮くのでとても目立つ。
最大2.5Kgまで負荷がかけられるそうなので、ミラーレスカメラ程度なら固定はできそうだけどちょっと不安。
アクションカメラ程度なら余裕。
Streamplify MIC PRO の良いところ
見た目が良い
ザ・ストリーマーと言わんばかりのデザインでテンションが上がる。
Streamplify MOUNT LIFTと組み合わせて吊るす形にするとなおさら良い感じ。
また、控えめではあるがゲーミングデバイスよろしくの発光機能もあるので、デスクの”映え”への貢献も期待できる。
惜しむらくは発光が淡く、配色が何故か「黄緑/緑/水色/青/紫」と寒色に偏っていること。
説明書の配色と実際の色味が全然違う。
グラデーションモードではイエローやオレンジなどの発光が確認できるのに、何故かこれらの単色発光ができない。
まぁ、発光はおまけ機能と割り切って…。
ノイキャン性能が高い
筆者宅は病院が近所にあるため救急車の往来が大変に多い。
サイレンが鳴り響くなか、窓全開で本機を使用してみたところ、なんとこれらを全く拾わず声だけを的確に拾うことができた。
単一指向性モードだから?と思って無指向性にして試しても一緒。
ただ単に感度が低いだけかと思い、マイクから離れて使用してみても音声だけは拾えていた。
であれば、本機のノイズキャンセル性能は大変に優れている、と判断しても良いだろう。
Streamplify MIC PRO の残念なところ
音質は並
本機はUSBコンデンサーマイクでありType-C接続のみが可能。
故に本機内蔵のミキサーを使用して入出力が行われるわけだが、これが少々パワー不足。
本機での音声入力サンプルは以下。
音声に少々のザラつきが確認できるうえ、ところどころでゲインも揺れている印象がある。
特に喋り始めにゲインがググッとあがっている箇所があり、随所にノイズキャンセリングの干渉を受けている印象が強い。
友人との会話においても、声の最初が聞こえ辛いとの指摘を受けている。
このあたりの傾向の違いはfifine AmpliGame AM8Tの音声入力サンプルと比較してもらえば分かりやすいと思う。
AM8Tは低音が太く瑞々しさがある一方で、Streamplify MIC PRO は低域がかなり抜けていることもわかるだろう。
本機はかなりデジタルな入力となっている感は否めなく、音質は悪くはないが良くもないな、という感想だ。
指向性切替説明が良くない
本機は説明書に”4パターンの指向性切替(ステレオ、無指向性、単一指向性、双指向性)が可能”と記載されており、公式HPにも”ステレオ、無指向性、単一指向性、双指向性の4つを切替可能”と記載がされている。
で、実際の切り替えパターンは以下の通り。
左から”単一指向性、無指向性、ステレオ、双指向性”。
右から見たら”双指向性、ステレオ、無指向性、単一指向性”。
どちらから読んでも”ステレオ→双指向性”の順番になっていない。
しかも説明書には各アイコンの説明がされていない。
説明書にも公式HPにも”ステレオ、無指向性、単一指向性、双指向性”と記載されてたら、その順に切り替えられてると思うじゃんね。
それなりの知識がある人はアイコンだけでモードが分かるとは思うが、初心者の人にとってはとても紛らわしいうえに不親切だ。
なんでこんな説明/配置になっているのか理解に苦しむ。
感度調整ダイヤルの質が安っぽい
感度調整ダイヤルの質感が安っぽい。
大分プラスチッキーでペコペコしてる。
また、無段階ではなく固定式なのであるが、上記写真のようにピッタリまっすぐ縦横に固定ができない。
なんかちょっと左右にズレてる。
固定式ならさ…位置合わせしようや…。
Streamplify MIC PRO の総評
見た目が良くノイキャン性能が高いストリーマー向けマイク。
一方で少々不親切で雑な箇所が散見される。
なんかこう、もうちょっと丁寧さが欲しい、と思ってしまう惜しさがある。
説明書をより正しくするだけで不満点は減ると思うので是非とも改善して欲しいところ。
機能面は申し分が無いうえ、指向性切替ができるUSBコンデンサーマイクとしては入手しやすい部類ではあると思う。
スターターセットとしての導入として検討してみてもいいかも知れない。