まず最初に、本記事はInsta360社様より商品を提供頂いた上での記事となる。
提供品だろうがなんだろうが、正直に書き記すスタイルは変えるつもりは無いので、偏見無しに一読いただきたい。(テンプレ)
ついに本格アクションカムが手元にやってきた。
筆者は2021年よりInsta360 ONE X2を愛用しており、もうそれだけで何でもできるので本格的なアクションカムには食指が伸びなかったものであるが、この度レビュー頂ける機会を頂けたのでありがたく使わせてもらおう。
モチロン、筆者はバイクでの利用を前提とした使い方でレビューしていくので予めご了承頂きたい。
ということで今回はInsta360 Ace Proをレビューしていくぞ。
Insta360 Ace Pro の基本データ
Insta360 について
Insta360は2014年9月に深センにて創業された企業だ。
名前にも含まれている通り、創業理念に360°カメラの存在を挙げている。
創業者が学生時代から研究を行っていた分野でもあるらしく力の入れようが段違いだ。
ほか詳細についてはInsta360 ONE X2の記事を確認して欲しい。
本ブログにおけるInsta360製品記事は以下参照。
Insta360 Ace Pro について
Insta360 Ace Proは、2023年10月に発売されたアクションカメラだ。
今までInsta360 ONE RSやInsta360 GO 3のような、言ってしまえば飛び道具的なアクションカムをリリースしてきたInsta360より、満を持しての正統派の登場となる。
Insta360 Ace Proは1/1.3の大型のイメージセンサーを搭載しているため、他社アクションカメラよりダイナミックレンジを広く取れるうえ暗所撮影にも強いという特徴がある。
(尤も、DJI Osmo Action 4も同サイズセンサを搭載してしまったわけだが)
そして唯一無二の特徴として、あの老舗カメラメーカーであるライカ社が開発協力に加わっているということ。
アクションカメラでありながらライカクオリティの映像を楽しむことができるのは、本機の最大の強みと言える。
他にも色々と特筆できる箇所があるが、あまりにも膨大なためピックアップさせていただく。
・4K120FPSの撮影が可能
・PureVideo機能による優れた暗所撮影
・内蔵アダプティブHDR
・FLOWSTATE手ブレ補正内蔵
・360°水平維持
・10M防水
・急速充電対応(22分で80%充電)
・2.4インチフリップスクリーン搭載
・AIワープ:AIハイライト:AIアシスタント搭載
うーん「枚挙にいとまがない」というのはこういうことか。
ところどころに入る「AI」という文字がいかにも今っぽい。
各機能の詳細については以下公式サイトより確認されたし。
Insta360 Ace Pro の外観
まずは外箱から撮影。
同社製品で統一でもされているのか、同様に縦長な箱だ。
オプション品は上記が入っている様子。
同業他社製品に比べると少々控えめな印象だが、どうか。
パカっと開封。おお…!
なんだか高級そうな佇まいだ。(実際高価)
やっぱりInsta360 Ace Proはデザインがぶっちぎりで良い。
アクションカメラは無骨で無難なものになりやすいが、本機は色々と遊びがあり飽きの来ないデザインを有していると思う。
これ結構重要だとは個人的に思っているのだけど、あまりフォーカスされている印象がない。
内包物をすべて取り出すと上記の通り。
パッケージ裏にかかれていたものと同様+ステッカーが入っている。
マグネットで着脱可能なマウント。
ボルトでくっつけるより全然楽~…かと思いきや罠がある。
理由は後述。
フレキシブル粘着マウントも付属。
着脱がなんども利用できるスグレモノ。
ただし激しい動きには耐えきれないのでヘルメットマウントなどには向かない。
本体。わかりやすくアクションカムな形。
本体左に電源スイッチとUSBぐち・SDスロット蓋。
着脱はX3同様の機構でとても簡単。
右にバッテリー蓋。
一見SDスロット蓋同様の機構に見えるが、着脱不可。
無理やり取ろうとすると壊れるので注意。
下はマグネットとマウント取付穴のみ。
ボルト穴も無ければスクリュー穴も無い。
上部は録画ボタンのみ。
本機はアクションカムなのに画面がフリップ可能。
同業他社のアクションカムには無い本機オリジナルの機構となる。
これがある/無いで、操作性に大分違いが出てくる。
勿論、あったほうが柔軟に使用することができるので損はない。
故に、という表現が正しいのかはさておいて、本機は結構重い。
同業他社が150g程度であるところ、本機は183gもある。
コレを煩わしいと捉えるか否かはユーザー次第。
GPS撮影キット
今回はGPS撮影キットもご提供頂けたので紹介。
GPS撮影キットは上記ラインナップになる。
本機含め、SDカード128GBとスクリーンプロテクター、そしてGPS プレビューリモコン!
GPS プレビューリモコンの内容物は上記の通り。
腕時計マウントとハンドルマウントできるラバーストラップが内包されている。
肉厚で安心感のあるストラップ。
高さもあるので画面も守れそう。
上部左のスイッチが電源兼ファンクションキー。
右スイッチが録画開始キーになる。
勿論本体と連携してくれるので、本機だけでほぼ全ての操作が可能となる。
ペアリングしておけば、本機を起動すれば本機も立ち上がるし電源だって連動して落とせる。
プレビューだってリアルタイムで確認することが可能。
細かな調整ができないバイク利用時にとんでもなく重宝する機能だ。
そんなGPS プレビューリモコンは43g。
軽くてよいが、腕時計ストラップとして使用した際にはストラップ自体がでかくてそれどころじゃないという話でもある。
ハンドルマウントやカバンに括り付けるといった装着を推奨したいところだ。
Insta360 Ace Pro の良いところ
HDR録画の使いやすさ&大きいセンサーがすんごい
上記は動画のキャプチャとなる。そう、動画のキャプチャなのだ。
にも関わらず、路面のアスファルトの凹凸を拾えてしまっているのが解るだろう。
このとおり本機はアクションカムでありながら必要十分以上の繊細な描写が可能な能力を有している。
これは偏に、本機に1/1.3の大型のイメージセンサー本機のHDR録画の優秀さである、と言える一方で本機の優れたHDR画質の恩恵によるものとも考えられなくもない。
本機が有するアクティブHDR録画機能は優れたバランスで明暗の詳細を捉えてくれるため、僅かな暗所でも明確な表現で出力を実施してくれるのでこのようなメリハリのある画になるのだ。
そしてこのセンササイズと機能は、ただ繊細さを演出するだけのものでは無い。
まずは以下動画を確認いただければと思う。
トンネルに入った瞬間の暗転、そこからの暗所撮影、トンネル出口の明転、その全てに不足がなく違和感がない。
これすごい。本当にすごい。めっちゃ感動した。
暗転した際には2秒ほど暗黒が続いたり、明転の際には0.5秒ほど白飛びしてしまうのが定石なのだが、本機はそのような傾向は一切無し。
勿論トンネル内の暗所撮影もまるで問題がなく、明るく描画ができている。
本機のHDR録画の性能の高さ、及び本機のセンサーの大きさが故の映像美なのだろう。
テキトーにやるだけでコレなのだから、大変に優秀であると評価せざるを得ない。
ちなみに”PureVideo”なる超低照度特化モードがある。
このモードでの撮影を行うと、成約は生まれるが更に暗所が明るく撮れるようになる。
夜間のイルミネーションをアクションカメラとは思えない色味で捉えることができるので、夜間撮影を行いたいという人にとてもおすすめできる機能だ。
録画後にNDフィルターをかけることができる
このように路面のアスファルトの凹凸を一つ一つ拾えてしまっている場合、ある問題が生じる。
それは動画サイトにアップする際、再エンコード対象となった場合にガッツリとノイズが乗ってしまうという事象になる。
これは1フレームあたりの情報量が多いとYoutube君達がブチギレるという事象であり、対象フレームそのものの画質が低下処理されてしまうというものとなる。
上記のようにコンクリの凹凸が全て拾えてしまうような超高解像度画質の場合、比較的映像ノイズが入りやすいという仕様があると認識してもらえば問題ない。
これらを問題を回避するために玄人映像制作者諸君はカメラ自体にNDフィルターを装着し、要は人工的なモーションブラーを掛けることで凹凸自体を流すことで、これらノイズを回避したりする。
で、本製品は撮影後にこのようなND処理を加えることができるという機能を有しているわけ。
その機能が上記編集画面「モーションND」になる。
上記がその機能をONLINEにした映像。
停止時に確認できると思うが、アスファルトの凹凸や白線のディテールが潰れている事が解ると思う。
このような処理を後追いで付与できるため、ブロックノイズの発生を抑え、映したいものにフォーカスして出力することができ、且つファイルサイズの削減にも繋がるというかなり便利な機能となる。
※ちなみにInsta360 ONE Xシリーズなどでもこの機能は使用できるが、あちらの機種はそんなに解像度が高すぎるわけでもないので恩恵があまりない。
尤も、コレ自体を「画質の劣化」と捉えることもできるため、ここは好き好きな話。
自分の理想とする映像を追い求めるうえで選択肢が多いのは良いことじゃないか。
GPS撮影キット馬鹿楽しい
上記紹介した GPS プレビューリモコンはただのサブディスプレーではない。
名前の通りGPSを補足し、撮影時の映像データに同期させることができるできるアイテムとなる。
で、それの編集画面が上記。
撮影時の速度・標高・方向・累積距離・勾配・経路を反映することができる。
自分がこの時「どのような経路をどのような道で進んでいたのか」、「どの場所で何を見たのか」を、感覚ではなくデータで画面上に反映して追体験することができるので、旅の記憶としてより情報量を付与することができる。
これら画面装飾は大きさも配置もスキンも替えられるので自分の見やすい画面に編集可能だ。
これが馬鹿楽しい。
自分のように、アドベンチャーバイクに乗って見ず知らずの土地をフラフラするような人にとても刺さる逸品だ。
Insta360 Ace Pro の残念なところ
重い
自撮り棒や何かに括り付ける運用であればそんなに気になるものではない本機の重さ。
だがしかし、ヘルメットマウントは別。特に顎マウント。
やはり同業他社に比べて30g重いのはなかなかどうして、ダイレクトに首に来るものがある。
高性能高機能がギュッと詰まってるので仕様がないのものであるが、それなりに覚悟が必要だ。
レンズプロテクターが無い
本機は公式からもリリースされていないだけでなく、サードパーティ製もレンズプロテクターが展開されていない。
いや普通はアクションカメラってレンズプロテクターのオプションあるでしょう!?
Insta360 ONE Xシリーズのような特殊なカメラですらレンズプロテクターが展開されているのに、なぜ本機には無いのか。
激しく使うであろうバイクキットやサイクリングキットにも用意がされておらず、GPS撮影キットに付属していたスクリーンプロテクターも、下記画像のように何故か背面の液晶のみを保護するものであった。
一応NDフィルターセットの展開はされているようなので、最悪レンズを守りたかったらコレを装着すれば良いのであろうが、上述した通り本機は後付で(簡易な)ND加工ができるので優先度は低い。
同業他社製品はレンズプロテクターの用意があるぶん、このなぜだろう感は拭い切ることはできない。
一応サードパーティでレンズ保護フィルムが展開されているのでそれを装着すれば良いものであろうが、小石が飛んできたり小枝が刺さったりするようなシーンを想定したアクションカメラで、フィルム一枚で保護できるかと言えば…うーむ。。。
Insta360 Ace Pro の総評
バイク用アクションカメラの最適解かもしれない。
カメラ性能は勿論のこと、編集機能面でもかなりバイク利用での運用に役に立つものが多いという印象。
個人的にGPS プレビューリモコンは必須。超面白いので。
一方で、レンズプロテクターが無いのは割と致命的。
アクションカムなのに大胆な使い方ができないのはものすごーく歯がゆい。
NDフィルターの用意があるということは、製品として純粋なレンズプロテクターとしても転用ができるはずなので是非とも公式から展開してほしいところ。
なにはともあれ、本機の性能の高さは確かなもの。
解像度の高さは勿論、暗所での撮影も抜群の映像で残してくれるので使用シーンを選ばない。
様々なシーンでの使用を推奨できる、優れたアクションカメラと評価できるだろう。