まず最初に、本記事はメーカー様(TP-Link社)より商品を提供頂いた上での記事となる。
提供品だろうがなんだろうが正直に書き記すスタイルは変えるつもりは無いので、偏見無しに一読いただきたい。
本記事ではタイトルの通りな超コスパを持つMERCUSYS MR70Xについてレビューしていく。
7000円台で購入できるWi-Fi6対応、しかもIPv6にも対応という驚きのルーターだ。
さてその性能や如何に。
MERCUSYS MR70X の基本データ
MERCUSYS について
MERCUSYSは中国で誕生した大手ネットワーク機器ブランドだ。
日本ではティーピーリンクジャパンが商標を取得しており、サブブランド的な立ち位置となっている。
日本展開が行われて間もないため、製品ラインナップとしては現状本機MR70Xのみとなっている。
海外サイトで確認する限りは結構な製品が展開されているようで、メッシュWi-Fi対応基は勿論、スイッチなどのネットワーク機器等も揃っている様子。
これから日本市場でどのような展開が行われていくのか楽しみなブランドだ。
MERCUSYS MR70X について
製品情報としては以下の通り。
スペック値について書き出してみると以下の通り。
MERCUSYS MR70X | |
---|---|
サイズ | 208.8 × 171.6 × 41.7 mm |
ワイヤレス規格 | IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n |
周波数 | 2.4GHz+5.0GHz |
最大通信速度(理論値) | 2.4GHz:574Mbps 5.0GHz:1201Mbps |
接続端末数 | 36台 |
ワイヤレスセキュリティ | WPA-PSK WPA2-PSK WPA3 |
CPU | 不明 |
インターフェース | ギガビットWANポート×1 ギガビットLANポート×3 |
プロトコル | IPv4 IPv6 |
アンテナ | 5dBi全方向性固定アンテナ×4 |
見てわかる通り、本機はWi-Fi 6(ax)に対応。
最大1.8Gbpsと控えめな理論数値ではあるが、価格を考えれば妥当なところ。
4本のアンテナを装備しビームフォーミングにも対応、また最新のWPA3のセキュリティ規格にも対応と、無難な装備は一通り揃えている様子。
MERCUSYS MR70X の外観
まずは外箱から。
最近のトレンドな情報多めなデザイン。
内容物はこの通り。
LANケーブルが1つと電源が1つ。
簡単設定ガイドなどの説明書も入っていた。
本体。
少々安っぽいがナイスなデザインだ。筆者は好き。
前面のLEDは一つのみとシンプル。
背面はわかりやすい配置。
裏面はあまり肉抜きされていないように感じる。
上面もある程度の肉抜きがされているのでこれで十分冷やせるのだろう。
アンテナは4本ともに本体方面以外に全て可動できる。
このアンテナを利用すれば本体のデザインとも相まって…
逆さにすれば自立できる。ザトウムシかな?
或いは宇宙戦争(トム・クルーズ出演)のトライポッド味がある。
設置したところ。
前面のLEDのみが光る。
やっぱりトライポッドだこれ。
MERCUSYS MR70X の良いところ
確かな速度
しっかりとWi-Fi6・IPv6な速度は出ている。
4K映像やハイレゾ音源のストリーミングなどの通常利用には全く問題が無い。
アンテナ強度も申し分なく、以外にも広い範囲をカバーしてくれる。
理論値通りといえばそうなのだが、やはり最大5Gbps超えを謳うArcher AX73などに比べれば控えめな数値を計測してはいるものの、意外に中々な速度を計測できている。
ということで、いつもどおりメイン機Archer AX73と比較していく。
3日間を平均値(小数点切り捨て)とし、その平均値を記す。
9時 | 12時 | 15時 | 18時 | 21時 | 0時 | 3時 | |
MERCUSYS MR70X | D:253Mbps U:92Mbps | D:321Mbps U:95Mbps | D:192Mbps U:87Mbps | D:186Mbps U:89Mbps | D:353Mbps U:89Mbps | D:365Mbps U:80Mbps | D:361Mbps U:95Mbps |
Archer AX73 | D:427Mbps U:96Mbps | D:489Mbps U:99Mbps | D:410Mbps U:82Mbps | D:225Mbps U:78Mbps | D:480Mbps U:99Mbps | D:400Mbps U:89Mbps | D:448Mbps U:88Mbps |
見てわかる通り、必要十分な数値が出ていることが確認できるだろう。
この価格でこの速度が出ていれば十分だ。
MERCUSYS MR70X の残念なところ
速度があまり安定しない
実は上記表も含めて、それ以外の計測でもかなり安定しない速度を計測している。
上記表はあくまで平均値であり、平均したら十分な速度ということに他ならない。
その速度差は、同時刻の測定で100Mbpsだったり600Mbpsだったりとかなりのものだ。
Archer AX73ではこのようなことはなく、というか他ルーターではこのような事象は起こっていないので環境依存とは考えにくいのだが、事実本機ではこのような測定結果となっている。
ただ、これはあくまで測定値の話であり体感に差があるかと言えばそうではない。
上述した通り普段の使用においては何ら問題は出ていない。
ただ測定数値がかなり揺らいでいるのが気になった、という話。
アプリが謎構成
本機はTP-Link製品に類似したインターフェースを持つアプリから管理が可能となっている。
勿論初期設定もアプリ上で実施することでき、接続端末の管理も可能。
…なのだが、このアプリでできるのはその程度。
他詳細設定はというと、上記画像の通りWEBページに飛ばされてしまうのだ。
初期設定や詳細設定はパソコンから管理ページを開くことで設定できるものであるため、なんだったら最初からパソコン上でやったほうが速いまである。
詰まるとこ、本アプリはあくまで簡素な管理程度に留まっており導入する必要性があまりない。
どうせ別ページ飛ばすぐらいならアプリに組み込んだほうがいいのに…と思うのは筆者だけではないはずだ。
MERCUSYS MR70X の総評
纏めると、以下の通り。
確かな性能を感じる一方、謎が残る検証結果となった。
アプリの謎構成はまだしも、ものすごい測定ブレが発生したのが気になるところ。
兎にも角にも、この価格でこの性能であれば非常にコスパに優れた製品であるといえるだろう。
測定結果やアプリの構成から察するに、本機はヘビーユーザー向けではなくかなりの初心者向け端末であると感じる。
全てがお手頃な本機は当に入門機。
手軽に簡単に、メンテナンスも適当に済ませたいというユーザーにお勧めできる製品だろう。