【UGREEN Nexode Wavy PB603 レビュー】安全性極振りのモバイルバッテリー。完成度は極めて高い。

4.5
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まず最初に、本記事はメーカー様(UGREEN社)より商品を提供頂いた上での記事となる。
提供品だろうがなんだろうが正直に書き記すスタイルは変えるつもりは無いので、偏見無しに一読いただきたい。

防水とか防塵とか、そういうベクトルじゃない安全性を確保したモバイルバッテリーの登場だ。
モバイルバッテリーの事故が多発する昨今、こういった観点を重視した製品が出るのも頷ける話。

ということで今回は UGREEN Nexode Wavy PB603 をレビューしていく。

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UGREEN Nexode Wavy PB603 の基本データ

UGREEN について

UGREEN(ユーグリーン)は、2012年に中国深圳で設立された充電器周りを中心に扱うブランドだ。

常に最先端の充電器やUSBケーブルを投入することに専念しているブランドであり、技術力とデザイン力を両立している様子。
運営元は深圳市緑聯科技股份有限公司(Ugreen Group Limited)で、USBケーブルやACアダプターといった3C アクセサリーからスタートし、現在は充電器、モバイルバッテリー、ドッキングステーション、NASまで幅広く展開している。
日本では2025年、NAS製品「NASync DXPシリーズ」のクラウドファンディングで国内史上最高額となる約10億2,262万円を達成し、筆者の中で当時話題になった。世間でも話題になってたかも。

UGREEN Nexode Wavy PB603 について

UGREEN Nexode Wavyモバイルバッテリー(型番:PB603)は、2025年7月に発売された10000mAhクラスのモバイルバッテリーだ。
同シリーズには20000mAhの上位モデル(PB602)も存在する。

本機最大の特徴は、バッテリーの状態を「見える化」するTFTディスプレイを搭載している点にある。残量パーセンテージや充電完了までの残り時間に加えて、リアルタイムの出力ワット数、電圧、セル温度、さらにはバッテリーの健康度までを本体上で確認できる。
モバイルバッテリーはブラックボックス化しやすい製品だが、本機は内部状態を利用者に開示するアプローチを取っている。

もうひとつの特徴が、本体に直付けされたストラップ型のUSB-Cケーブルだ。
ケーブルを持ち歩く必要がなく、そのまま本体を吊り下げて使うことができる。
加えてUSB-Cポート×1とUSB-A ポート×1を備えており、内蔵ケーブルと合わせて最大3台の同時充電に対応。
ただし2ポート以上を同時に使用した場合、合計出力は5V/3A(15W)に制限されるので注意。

そして本機は安全性への訴求がメチャクチャに強い。
メーカーによれば釘刺し、圧壊、熱暴走、過充電、リチウム析出の5項目の安全試験をクリアしているという。
釘刺しとか圧壊って言葉、ガジェットで聞かねえぞ普通。バトル漫画かよ。
ちな、PB603のセルにはATL製、PB602ではBYD製が採用されており、約800サイクル使用後も健康度80%を維持するらしい。

本体重量は約211g、厚さは約1.8cm。10000mAhクラスとしては軽量な部類ではないが、ケーブル一体型であることを踏まえれば妥当なサイズ感といえる。
メーカー参考価格は7,980円だが、実売価格は6,380円〜7,090円程度で推移している様子。

UGREEN Nexode Wavy PB603 の外観

まずは外箱。
グローバルデザインでローカライズ等はなし。

開けるとこう。

内容物は上記の通り。
ケーブル一体型なので付属ケーブルなどもなく。

説明書には日本語表記があり…

出力条件等が細かく記載されている。
上述した「2ポート以上を同時に使用した場合、合計出力は5V/3A(15W)に制限」という仕様もココから確認できる。

画面の遷移パターンが画像付きで載っている。丁寧。

低電流デバイスモードも実装されている様子。
有ると意外と便利だったりするので良き。

本体はこんなかんじ。

薄く、軽く、スタイリッシュなデザインでとても好印象。
右側面にファンクションキーが配置されており、ここを押下する事で画面を切り替えたりモードを変えたりできる。

ケーブルはType-C。
かなり頑丈なロープ素材で耐久性は高そう。

体重測定。210gを計測で公表値とほぼ一致。
まぁBI-B61っていう201gの超軽量モバイルバッテリーを知っているので、べらぼうに軽い!とまでは驚けないが、この機能性でこの重量なら、まぁ頑張れば驚ける。

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UGREEN Nexode Wavy PB603 の良いところ

小さくて軽いのに高機能・高性能

本機は上述したようにかなり軽量コンパクトなモバイルバッテリーとなる。
が、性能に妥協はなく、最新のトレンドを抑えた優秀な機能を備えているようだ。
UGREENが早くより採用していたケーブル一体型デザインも磨きがかかっているようで、違和感のないストラップ型のデザインに落とし込めている全体像はとても印象が良い。
しかも上記画像のように、この一体型ケーブルで(充電機材を選べば)公表値通りの最大45W出力が確認できているのだから大したものだ。

リアルタイムの出力ワット数、電圧、セル温度、バッテリーの健康度を確認できることも当然便利。
…ではあるのだが、ソレは筆者がレビュアーだから、という理由が有るのは正直否めない。
しかしこのディスプレイの真価は、日常的に眺めることではないのだ。
ブラックボックスなモバイルバッテリー内部情報を赤裸々に表示してしまう潔さ、そしてソレを表示しても構わないという、本製品が如何に安全であるかを証明する印とも受け取れなくはない。
UGREENの本製品に対する自信の現れとも言えるこの機能は、「別に普段見ることないし~」という程度で収めてしまうには勿体ない”覚悟”が有ると感じている。

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UGREEN Nexode Wavy PB603 の微妙なところ

温度上昇に弱すぎる

ここに記載する事は、ともすると「良いところ」に該当することかもしれないので予めご認識を。
本機は上記の通り、充電機材によってはMAX45Wで充電することが可能。
その速度で充電を継続してくれるのであれば御の字、というところではあったのだが、本機で充電後にしばらくして確認してみると、いつの間にか18W程度まで出力が減衰している事が頻発した。
最初は高出力だったのに、いつの間にか二分の一以下までに萎んでしまっているのだ。

気になったので検証開始。
測定条件は以下の通り。

測定日2026年9月
室温27℃(エアコン稼働・送風は本体に直撃しない位置)
測定機器YOJOCK USB DIGITAL TESTER(多機能USBテスター)
測定点給電先デバイスの入力側
使用ケーブル本体直付けUSB-Cケーブル(他ポートは未使用)
経過時間の計測スマートフォンのストップウォッチ機能
測定機材ASUS Chromebook CM30 Detachable(CM3001)

家に転がってたCM3001は一応45W(15V/3A)に対応しているのでコイツを実験に使う。
20V要求機は手元に無かったのでご理解頂きたく。

測定開始時。
CM3001は19%スタート。最初は38.1Wで給電が出来ている。
この時のPB603のセル温度は26℃を表示。

充電開始から6分程度後、28Wに減衰。
この時のCM3001は22%、PB603のセル温度は39℃を表示。

充電開始から10分程度後、18Wに減衰。
この時のCM3001は26%、PB603のセル温度は42℃を表示。

以降、ずっと18Wをキープ。
つまり、高出力状態は10分も保たなかったということだ。
本検証を表にすると以下の通り。

ちなみに冷却後に3回やって同じ事象が発生したので再現性あり。
20℃台に冷やして計測すると本機の最大値を出してくれる一方で、40℃を超えると、出力も給電も18Wを超えることがないことが判明した。
こうなると、本体温度の上昇に伴って出力が抑えられている、という仮説が成り立つ。

他バッテリーもこんな感じだっけ?と思い、同社の「UGREEN Nexode モバイルバッテリー 12000mAh 100W」を使用して同じ計測をしてみる。

【UGREEN Nexode モバイルバッテリー 12000mAh 100W レビュー】軽量コンパクトで高性能。とても頼もしい。
まず最初に、本記事はメーカー様(UGREEN社)より商品を提供頂いた上での記事となる。提供品だろうがなんだろうが正直に書き記すスタイルは変えるつもりは無いので、偏見無しに一読いただきたい。最近日本国内で知名度をぐんぐんと上げているUGREE…

が、こちらは10分経過しても出力に乱れが全く無かった。
表にすると以下の通りとなる。

初速はPB603が強かったものの、結局はNexode 12000mAhのほうが早く充電できる、という結果になってしまった。
ちなみにどちらも45Wの出力はしてくれなかったが、まぁCM3001はAC充電でも45W出ないのでそこは気にしない。

そして、Xiaomi Pad 7でも計測したが全く同じ結果となった。
最初はMAX33Wで充電が開始されたにも関わらず、42℃付近になると途端に11Wまで減衰することが確認出来ている。
そして同様に、Nexode 12000mAhは変わらず25W程度で給電が行われていると…。

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と、いうことで本機はどうやらとても発熱に弱い模様。
40℃を超えると途端に性能が二分の一以下まで抑えられてしまう様子。

しかしながら!本機のコンセプトをもう一度思い返して欲しい。
本製品は「釘刺し、圧壊、熱暴走、過充電、リチウム析出」を行うぐらいには、安全性を重視している。
であるならば、セル温度が42℃に達した時点で出力を18Wまで絞る挙動は、安全性を最優先した設計の必然的な帰結であると言えなくはないだろうか。
薄型ストラップ一体型という形状を選んだ以上、熱容量の不足は避けられない。
つまり、「燃えにくい薄型、安全情報見える化」というコンセプトで、且つこのデザインを採用するのであれば、要件を全て満たした非常に完成度の高い製品と評価できるのではないか。

コレを「良いところ」か「微妙なところ」と評価するのは、使用者次第と言えるだろう。

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UGREEN Nexode Wavy PB603 の総評

安全性極振りのモバイルバッテリー。完成度は極めて高い。

提供品記事だからって良い感じに収めようとしちゃって~と思った諸君は、本ブログの他提供品記事を見てみて欲しい。
提供品でもクソなものは普通にクソって言ってるから。

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短時間の緊急充電では十分な速度が出る一方で、長時間の継続充電や大容量機器への給電では、公称45Wはおろか20Wを下回る領域で推移してしまう。
用途を選べば良い製品であり、選ばなければ期待を裏切る製品である。
しかしながら、安全と信頼性を重視というコンセプトはしっかりと守った完成度の高い製品である。

ということで、筆者は素直な気持ちで本製品をとても評価している。
一人旅が趣味の筆者としては、意外にも本機がメインの相棒になりそうまである。
モバイルバッテリーの事故が相次ぐ昨今、安全性重視という選択は決して地味な訴求ではない。
速度を削ってでも安全側に倒すという判断ができる製品は、実はそう多くない。

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