
日本人って「限定版」って言葉に弱いと思わないか。
なぁそうだよな?よーしそうだよな。安心したわ。
ということで今回は、そんな NICEHCK NX8Ti 限定版 をレビューしていく。
NICEHCK NX8Ti 限定版 の基本データ
NICEHCK について

NICEHCKAudioは、2015年に深センにて設立されたプロフェッショナルオーディオブランドである。
最早中華イヤホン好きには説明不要な高品質なイヤホンとケーブルを提供しているブランドだ。
中華ブランドにありがちな「やってみた」という商品展開は行わず、堅実的でしっかりとした商品を発表しているイメージを個人的に抱いている。
価格帯はピンからキリまであるが、そのどれもが大変に高品質。
筆者としても本ブログでは掲載していない同社ケーブルを多く使用しており、困ったらNICEHCKのケーブルを買っておけば問題ない、というレベルの信頼感がある。
そんでもって相変わらず発音がわからない。
NICEHCKってなんて読めばいいの。
本ブログでも何個か扱っているが、未だに答えは見つけられていない。

NICEHCK NX8Ti 限定版 について

NICEHCK NX8Ti Limited Edition(限定版)は、2026年6月頃に発売されたイヤホンだ。
同ブランドNICEHCKが展開するNXシリーズの最上位モデルにあたる。
ベースとなったのは2024年12月に国内発売されたNX8で、1DD+6BA+1PZTの8ドライバー構成はそのまま踏襲しつつ、各ユニットの選定から内部素材、ケーブル、付属品までを全面的に刷新した限定モデルとなっている。
限定版ということで生産数は3,888台らしいが、未だになんか普通に買えるのでよく解らない。
低域を担うダイナミックドライバーが10mmチタン合金振動板のデュアルマグネット仕様に一新された。
これに中域用4基と中高域用2基のBA、超高域を担う圧電セラミック(PZT)ドライバーを組み合わせ、4ウェイのクロスオーバーで帯域を分割する。
内部配線には6N単結晶銀を用い、フィルムコンデンサーにはルビコン製を採用している。
外観も大きく変更された模様。
NX8は星雲風の樹脂フェイスプレートだったが、NX8Tiではレーザー刻印を施したチタン合金プレートとなり、質感は明確に上がっている。
交換式ノズルはNX8と同じく2種類付属するが、中身はチタン合金製と真鍮金メッキ製に変更された。
前者は中低域の密度と応答の速さ、後者はボーカルを前に出す方向のチューニングとされる。
付属ケーブルは7N単結晶銅の太径仕様にで、コネクタは0.78mm 2Pin。
プラグは3.5mmと4.4mmから選べる。
本当はNX8が欲しかったのだけど、虎視眈々と見守り続けてしかのこのこのこしていたら本機が出てきてしまったのでコッチを購入。
故に無印は所持しておらず、比較などはできない。
NICEHCK NX8Ti 限定版 の外観


まずは外箱。
なんか見たことない形状してる。テンション上がる。


パカッと観音開き。

保護シートを除けると本体登場。
本体は後回しにして、まずは付属品を確認していこう。

でっかいアクセサリーケース。

その下には…なんとイヤーピースだらけ。

多分、NICEHCK 07/NICEHCK 08/NICEHCK C04/汎用イヤピだと思う。
C04は個人的にも愛用しており、これらが最初から付属しているのはとても頼もしい。


ケースはこんな感じ。
フェイクレザー(?)のような質感。
ケース自体の剛性は高い。

アクセサリー品はこんな感じ。
説明書やブラシ、フィルターや交換ノズル等など。

ケーブルの品質は流石と言ったところか。
細部の装飾が美しく加工品質は高い。ケーブル自体もかなり太く強固に作られている。
巻き癖なんて絶対付かせないゾという鋼の意思を感じる。
一方で、何故かケーブル長が一般的な物より若干短く、卓上アンプに繋いだ時に違和感がある。
また、固く重いので少々扱いづらい、という印象がある。




本体はこんな感じ。見た目からして高級感がスゴイ。
チタンを彷彿とさせる、というかマジでチタンな訳だが、この鈍色感が機械的でまずカッコイイ。
派手な装飾もなくシンプルなデザインで纏っているのも好印象。
大人の余裕を感じるイケオジ感がある。

体重測定は6.9gを計測。
まぁ8ドライバー構成で有ることを踏まえると軽い方か。
NICEHCK NX8Ti 限定版 の良いところ
丁寧で高品質な音色が魅力

本機の音色はかなり丁寧な印象。
誇張が少なく普遍的で聴きやすい領域をしっかりと狙った、かなり計算された音作りだと感じる。
締まりの良い低音を下地に、伸びが良く残響感を活かした中高音域が良いバランスで乗っている。
各音の伸びが非常によろしく、解像感は非常に高い。
DTMよりかは生音との相性が良く、ロックやジャズ、クラシック等との組み合わせが良い印象。
ジャズとの組み合わせは相性が良いようで、特に黒人ジャズのグルーヴ感を感じるダイナミックな演奏においては、非常に伸びの有る音色が印象深く演出されており中々に圧巻。

特に金ノズルの場合ではボーカルがより明るくなり、本機の魅力が増すと感じている。
差は微々たるものでは有るが、後述の通りすこし高域が凹んでいる印象があるので、コレで補正するとかなりバランスが良くなる。
アクセサリーの潤沢さ

クソデカ箱に加えて、イヤピが…何だ?48個か?
頑丈で手触りのよいケースや、品質が極めて高いケーブルの付属など、本機のパッケージとしての完成度が極めて高い。
まぁ類似した価格帯であるMOONDROP Meteorも似たような構成なので、この値段ではスタンダードなレベルなのかもしれないが、それでもやっぱり嬉しいしオモシロい。

NICEHCK NX8Ti 限定版 の微妙なところ
臨場感の再現に違和感
コレ非常に伝え方に困るんだけど、本機は端的に言えば臨場感が薄い。
気になるのは高域の再現性で、目詰まり感というか極端なピークがあるように思える。
イヤホンから出力される音で、周波数的な意味合いではなく、物理的な意味合いの”上部”での出力がゴソッと欠けているような違和感があり、結論として「臨場感が無い」という評価になる。
コレ本当に不思議な感覚で、他イヤホンだと感じれる”上方向からの出力”がかなり薄味と成っており、中央ないし下方向からの出力だけに留まっている感じというか、オープンヘッドフォンの上部三分の一を塞いだ感じというか、本当に表現に困る謎のぽっかり感を随所で感じる。
他のイヤホンが3レイヤー、4レイヤーという多段構成で出力されているとするならば、上部レイヤーの1つがまるっと欠けていると言えばよいのかなんなのか…。
NICEHCK NX8Ti 限定版 の総評

丁寧で高品質な音色は魅力的。不思議な目詰まり感を感じるが、それも個性か。
上記の通り、本機はかなり繊細に上品に解像感高く鳴らしてくれる優秀なイヤホンではある。
一方で、同価格帯イヤホンでなら出ているだろというレイヤーでの出力が本機では感じることが出来ず、なんだか上澄みを損なったような違和感だけが印象付けられてしまった。
この出力傾向は、正直言って筆者の愛するMOONDROP系のソレではない。
結論はそういう話であり、筆者の好みではなかったという話。
間違いなく本イヤホンは価格相応の優れた機材ではある。
まぁ一つ、案件とかではない1ユーザの意見ということで。
筆者と似た傾向を持つユーザーは、購入前に試聴をしようね。

