まず最初に、本記事はメーカー様(ASUS社)より商品を提供頂いた上での記事となる。
提供品だろうがなんだろうが正直に書き記すスタイルは変えるつもりは無いので、偏見無しに一読いただきたい。(テンプレ)
筆者大好きASUS社のレビューその2。
前回の記事で割と好き放題書いたのに何も言われなくて驚いただけでなく、まさかまたレビュー依頼を頂けるとも思ってもいなかった。
まぁ今回も好き放題書くつもりだけど。
今回レビューするのは、ゲーミング向けを謳うTWS「ROG CETRA TRUE WIRELESS」だ。
TWSはスマホとの無線通信が発生するため、有線よりレスポンスが悪くゲームには向かないという風潮がある。
そんな俗説に立ち向かう本機の実力は如何に。
ROG CETRA TRUE WIRELESS の基本データ
ASUS について
ASUSTeK Computer Inc.は、1989年に創業された台湾の会社だ。
PCおよびPCパーツを中心とし、スマートフォンやその他PC周辺機器を扱うメーカーである。
正式呼称は「エイスース」。
それ以外の読み方をする連中は邪教徒なので積極的に異端審問にかけてほしい。
ASUSの製品はとても安定性が高く、またコストパフォーマンスに優れているのも特徴。
最近ではゲーミングに注力しており、ゲーミングブランドである「ROG(Republic of Gamers)」名称を掲げた製品を排出している。
ROG CETRA TRUE WIRELESS について
ROG CETRA TRUE WIRELESSの製品情報としては以下の通り。
スペック値について書き出してみると以下の通り。
ROG CETRA TRUE WIRELESS | |
---|---|
Bluetooth規格 | 5.0 |
ドライバー | 1DD(10mm) |
SoC | 不明 |
対応コーデック | SBC,AAC |
操作方法 | タッチ |
防塵防水等級 | IPX4 |
連続再生時間 | ノーマルモード:最大5.5時間 ANCモード:最大5時間 |
充電端子 | Type-C |
その他 | ・ゲーミング(超低遅延)モード搭載 ・ワイヤレス充電対応 |
このように書き出してみると、正直平々凡々なTWSのように思える。
ANCを搭載しているのだが軽減dB値の記載が無く、どの程度の能力を備えているのかが不明。
また、キモであるゲーミングモードについても「オーディオとビデオの同期が向上する」という説明しか確認することができず、具体的にどのような仕組みでどの程度のレスポンス改善が見込めるかといった情報は一切確認することができない。
まぁ文章で長々書いたところで「百聞は一見に如かず」でしか無いものではあるが、もう少し本機のアピールポイントがわかりやすく有ればよいなと思わなくもない。
実際問題、本機の使用感はこれらスペック表の心配とは裏腹に中々良好。
スペック値なんて所詮建前よ。
ROG CETRA TRUE WIRELESS の外観
外箱。
漂うゲーミングデバイス臭。
時計みたいな内装と梱包具合。
思えばZenWatchも全く同じ梱包方法だったな。
内容物を取り出したところ。
説明書、本体、イヤピ、ケーブル。
蓋を開けると光だす。ケースもイヤホンも光る。
Q.なんで光るの?光る意味は?
A.ゲーミングだから。
色合いはゆっくりと変調するようになっている。
面白くて写真いっぱい取っちゃう。
裏側はType-Cプラグのみ。リセットボタンなどはない。
形状はおなじみ耳うどん(AirPods)タイプ。
ANC搭載耳うどんTWSではおなじみのもっこりヘッド。
ANC用マイクホールは外内合わせて計4箇所?
そのうち1つはセンサーホールの可能性がある。
通話用マイクホールはうどんの先に装備。
イヤホン本体は4.5gを計測。
ANC搭載機器にしてはかなり軽いほうかと。
ケースはイヤホン込で50.8gを記録。
スマホ用アプリ「Armoury Crate」
「Armoury Crate」は本機の設定を変更することができるアプリだ。
本機をスマホに接続するとほぼ強制的にアプリDLページに飛ばされる。
スマホにインストールすることで、イコライザーやバスブーストといった音質調整が可能。
また本機のバッテリー残量や操作説明も確認することができる。
ROG CETRA TRUE WIRELESS の良いところ
ゲーミングモードを使わないまでも優秀な低遅延
まず驚くのはその低遅延ぷり。
動画視聴時のリップシンクは全く気にならないレベルでありとてもストレスが無い。
爆発音や多少動きの早いコンテンツであってもほぼ遅延無く視聴することができる。
メディア再生においては通常時から優秀なので、ゲーミングモードをONにした場合の恩恵はほぼ感じない。
ではゲーミングモードは無駄なのか、といえばそんなことはなく、しっかりとゲームプレイ時に役に立つ。
特にFPSゲームなどの射撃音などの攻撃モーションへの反応がとても高くなり、より良い臨場感と没入感を増す要因と成りうる。
では音ゲー等の超々反応速度が求められるものはどうなのか、というと、やはりそこはまだ難しい様子。
十分プレイすることは可能な範囲であるが、有線に比べるとまだ差がある印象。
とはいえ、TWSでこのレスポンスの良さは中々に驚きではある。
音ゲーにも余裕で使えるゲーミングTWSの登場も時間の問題なのだろうなぁ。
見た目がかっこいい
いかにもゲーミングな発光具合と筐体デザインが魅力的。
見た目は一見地味なのに、ケースを開ければビカビカしだすのは非常にテンションが高まる。
Edifier GX07のように、なんかもう色々振り切ったゲーミングTWSなんかも良いっちゃいいけど、これぐらい落ち着いてたほうが日常使いもしやすいというもの。
ケースを開ける、取り出す/仕舞うという際にのみゲーミング要素を感じることができるワンポイントな面白さは、個人的に評価が高い。
もっとビカビカしてほしい!というレビューも中には見受けられるので、まぁここは好き好きかな。
ANCが意外と優秀
扇風機、室外機、電車の音等など、機械的な断続音にはめっぽう強く、必要以上に消してくれる。
人の声については価格相応な印象だが、本機の装着感・密着感が高いのでそのあたりでカバーしてくれているように感じる。
出先でのゲーム・映像鑑賞において大いに役に立つだろう。
ROG CETRA TRUE WIRELESS の残念なところ
音楽鑑賞は正直不向き
初期のANC搭載TWSに多く見られた「ANC OFF時のバランス崩壊」が認められる。
ANCをONにすることを前提とした音作りが行われており、OFFにした際には音場が乱れてしまい非常にまとまらない出力が行われてしまう。
中域を中心に高く、高音域及び低音域の出力や伸びが非常に弱い。
ではANCをONにすればどうなのかという話だが、これもやはり決して褒められたものではない。
高音域に対し低中域がやや強めに出る傾向があり、30分以上リスニングを行うと「妙な鬱屈感」を覚えることとなる。
もわぁっとしたガス溜まりの中で音楽を聴いているような感覚に近い。
こんな中で「バスブースト」をONにするととんでもないことになるのは言うまでもない。
ちなみに「バスブースト」は低音域をブーストするというよりノイズ域をブーストしているような妙な違和感があり、ONにすることで音割れする楽曲やノイズが強調される楽曲が確認できている。
そのため音楽鑑賞において「バスブースト」は使用しないほうがよいだろう。
こと映像作品の鑑賞においては音質面での不快感はなく、リップシンク遅延などもないので極めて優秀。
また中音域が強めなので人の声は聞きやすいということもあり、やはりゲーミングなのだなという印象。
翻って上記理由に伴い、本機は音楽鑑賞には向いていないと感じる。
Armoury Crateの設定項目の少なさ
ぶっちゃけていえばイコライザーぐらいしか使い道がないのが残念。
ROGデバイスなのであれば、発光パターンの編集であるとか発光色の編集などの要素があっても良いのでは、と感じた。
ルーターでさえそれができたんだし。
またイヤホンタップ操作については全く編集ができないのも残念。
上記の通り操作が右に集中しすぎており、左の手持ち無沙汰感がハンパじゃない。
均等に機能を割り当てればもっと操作しやすいだろうし、音量調整だって可能になる余地があったはずだ。
なぜ固定にしたのか、そしてこのアプリの存在意義とは。
ROG CETRA TRUE WIRELESS の総評
ということで総評は以下の通り。
本機はゲーミングデバイスと割り切るべし。
ゲーム・映像鑑賞のみに特化した専用デバイスとして導入することを心がけよう。
オールマイティに使いたい人であれば、他のイヤホンを選ぶことを推奨したい。
まぁそもそも本機のコンセプトがゲーミングTWSなので何も間違ってはいない。
スマホでゲーム(音ゲーを除く)をゴリゴリやる人、映像作品を多く鑑賞しリップシンク遅延にうんざりしている人にはオススメできるイヤホンといえるだろう。