またTANCHJIM製品のレビューだす。
買うつもりはなかったのだけど、気づいたら手元にあった。
宗教って怖ぇなぁ!
正直TANCHJIM製品のエントリーモデルは差別化が微妙すぎてあまり食指が動かないのだが…。
入手しちゃった以上、TANCHJIM ONEのレビューしていこうと思う。
結論、とても優秀なイヤホンでした。
TANCHJIM ONE の基本データ
TANCHJIM について
TANCHJIMは中国(おそらく深セン)を拠点とした、2015年~17年頃に設立されたオーディオブランドだ。
兎にも角にもブランドキャラの浅野てんきちゃんが可愛い。
詳細はTANCHJIM OLAの記事を参照して欲しい。
TANCHJIM ONE について
TANCHJIM ONEは、2023年9月に発売された1DDイヤホンである。
TANCHJIM ZEROが2022年9月に出ていることを考えると、2024年9月にTANCHJIM TWOが出る可能性が微レ存?
ZEROがリケーブルできないモデルであったのに対し、ONEではリケーブルできる模様。オイそれってTANCHJIM OLAじゃねーか。
構成も売り文句もほぼ変わりはないが、価格は千円ほど上昇している。
また3.5mmプラグの他、Type-C接続が可能なDSPモデルも併売されている。
なお同社エントリーモデル価格は以下の通り。
TANCHJIM ONEは松竹梅で言えば「竹」にあたる。
- TANCHJIM ZERO:3000円前後
- TANCHJIM ONE:4500円前後
- TANCHJIM OLA:5700円前後
ONEでは複合振動板ダイナミックドライバーを採用しており、いつも確認できる「TANCHJIMが独自に開発した~」というようなフレーズは無い。
本体はアルミニウム合金製のリアチャンバー、高透明の樹脂製のキャビティで構成されており、ZEROより若干安っぽさは消えた様子。
人間工学を考えた円筒形のデザインにより、装着感の向上と優れた音響特性があるそうな。
TANCHJIM ONE の外観
まずはいつもの通り外箱から。
お馴染みの硬派でシンプルなデザインで実に結構。
でもそうじゃない。てんきちゃんどこ?
ご安心ください、いつも通りポストカードで補給されます
…ってあれ?
なんだコレ。てんきちゃんの眷属?
ミニドラみたいなてんきちゃんが付いてきた。
ちなみにこれはただの”紙”であり、シールや磁石ですらない。
恐らく筆者のような信者に対するTANCHJIM神からの手向けなのでしょう。
後程お湯でふやかしてありがたく食べようと思います。
これでずっと一緒だね。
そしてこれがONEちゃんですか。
製品が出るたびにお美しくなっていらっしゃる。
内箱はちゃんとした箱。
ZEROなどで採用されている簡易梱包ではない。
でも中はOLAのような化粧箱は無く、乱雑に入っている。
取り出すとこのように。
6種類のサイズのイヤピとポーチ、それから紙。
付属品の品質はZEROと全部同じ。
本体。
ケーブルが刺さった状態で入っている。
相変わらずすっごいシンプルなデザインであり、ドライバがまるっと確認できるレベルで透け透け。
手触りの良いアルミボディの輝き方は意外と安っぽくはなく好印象。
少なくともOLAより格段にデザインと質感は良い印象がある。
一方で、最近触った謎イヤホンYaoJI-PEARLに共通するナニカを感じるものであり、なんだか心が粟立つ。
重さは2.7gを計測。
うーん、体重までOLAと一緒か…。
TANCHJIM ONE の良いところ
MOONDROP 竹-CHU IIと戦えるポテンシャル
とても纏まった聴きやすい出力が魅力的。
OLAに限りなく似た出力傾向であるが、こちらのほうがかなりマイルドに出力される傾向があり聴き疲れしないといった特徴がある。
性格としては同価格帯のMOONDROP 竹-CHU IIに酷似しており、というか絶対意識してるだろというレベルでライバル機のポジションとして展開されているように思えるが、得意な楽曲やフィーリングもかなり似た傾向があり、ファーストインプレッションでは甲乙つけがたい。
しかしながら、オール金属筺体の「竹-CHU II」と比べてしまうとかなり”締まり”の緩さが目立つものでありボヤツキがちではある。それに伴って音域の広がりも限定的なものに感じる。
これはZERO/OLAでも感じるものであるため、良かれと思ってやっているチューニング、或いはTANCHJIMの個性として確立されたものなのであろう。
ということで好みの話になってくるので減点にはならない。
まさか今年中に竹-CHU IIと戦えるイヤホンが出てくるとは思いもしなかった。
オイオイ低価格イヤホン戦争を終わらせるとか言ってなかったか?
既存製品と差別化できている
TANCHJIM ZEROと比べた場合、TANCHJIM ONEのほうがより太く全体的に迫力を感じるものである。
また、本機はリケーブルすることが可能であるため、バランスケーブルに換装すればより音量や解像度の確保を行うことができる。
この点でもTANCHJIM ZEROより幅が広く使いやすい。
そもそもTANCHJIM ZEROの解像度や音域が貧弱過ぎるというのも相まって、比較対象として分が悪すぎる気がしなくもない。
これらを踏まえた場合、TANCHJIM ZEROとの価格差は1000円でしか無いが、この価格差以上のポテンシャルを本機は有していると断言できるだろう。
いよいよもってTANCHJIM ZEROの存在意義が無くなってきたな。
そしてTANCHJIM OLAと比べた場合、TANCHJIM ONEのほうがやはり重みのある音があることが解る。
OLAは高音域のすっきり感が目立つものであるが、ONEは結構丸めで優しい印象がある。
OLAで感じた「中高音域の”スン止まり”感」はONEでは感じることはなく、とても元気なサウンドで表現してくれる。
一方で、OLAで感じたボーカルのクリアさはONEではあまり感じることはできない。
高域が不足しているとか透明感が無いのか、という訳ではなく、純粋にチューニングの違いと言えるだろう。
このようにこれら3製品においては、全てで同社の特徴である「ニュートラルなサウンドバランス」を表現するものではある一方で、しっかりと差別化できているのは面白く興味深いと感じた。
TANCHJIM ONE の残念なところ
正直不満点は無い。
TANCHJIM OLAで残念だった装着感と安っぽさは本機では改善されているように思えるし、音質だって価格以上と言える。
が、本機の登場でTANCHJIM OLA/ZEROを選択する意味が無くなってしまったように思える。
しかもONEはOLAより安いと来たもんだ。うーんONEでいい。。
TANCHJIM ONE の総評
正に価格破壊イヤホン。
MOONDROP 竹-CHU IIと戦えるポテンシャルがあり注目度は高い。
終わりかけた低価格イヤホン戦争。
しかしてやはり、この界隈は中東並に治安が悪いようで、終戦したと思えばどこかでまたバチバチにやり合うからタチが悪い。
TANCHJIM教の名の下に、世に平穏があらんことを…。