またKZのイヤホンです。
またセボンスターみたいなデザインだったので、
ということで、本ブログ常連のKZイヤホン新規メンバーを入手したので紹介していく。
今回も特に調べず気の迷いで購入している。
もう何個目だかわからんけど、自分のブログを見返してみると9個目らしい。
正直申し上げてKZ ZAS以降のKZは碌な製品を出していないな、と感じている現状、ここらあたりで「当たり」を出していただきたいなと思う所存。
名前の通り、KZ AS16の進化版という位置づけらしい本製品の実力はいかに。
KZ AS16 Pro の基本データ
KZ AS16 Pro について
中国は深センに拠点を構えるKZ社(正式名称:Knowledge Zenith)から発売されている、
片側にBA(バランスドアーマチュアドライバー)を8基(合計16基)搭載したイヤホンだ。
前機種のKZ AS16は、高域BAを4基・中域BAを2基・低域BAを2基搭載したモデルであり、そこにPCB周波数区分ボードをかませることによってバランスの取れた出力を可能とするものであった。
では、リニューアルしたKZ AS16 Proはどうか。
比較図は以下の通りである、
KZ AS16 Pro | KZ AS16 | |
---|---|---|
高域BA | 31736 x 4 | 31736 x 4 |
中域BA | 29689 x 2 | 29689 x 2 |
低域BA | 22955 x 4 | 22955 x 4 |
インピーダンス | 18Ω | 15Ω |
感度 | 114dB±3db | 105dB |
その他 | PCB周波数区分ボード | PCB周波数区分ボード |
うーん、構成も配置も変わらん。
フェースプレートが金属から金属+樹脂に変更されたぐらいで、インピーダンスと感度に若干の差が確認できている状況。
純粋にチューニングを替えたぐらいとしか思えない様相となっている。
新規構築されたBAの搭載であるとか、配置に変更を施したなどの分かりやすい箇所が一切なく、何をどう替えてどのように差別化し、どういう層に向けた製品なのかがまるでわからない。
こんな商品展開で良いのか、と老婆心が湧くまである。
KZ ZEX Proよろしく、「Pro」と銘打つのであれば”何かがより優れているのだろう”という情弱丸出しで本機を選んでみた次第。
無論比較対象に選ばれるべきであろうKZ AS16も持っていないので、なんとも感覚的なレビューになるとは思うが、それは今に始まった話ではないので触れないでほしい。
KZ AS16 Pro の外観
ハイグレードタイプのいつもの箱といつもの入り方。
コストカットという面もあるのだろうが、流石に面白みがなさすぎる。
十六単元純动鉄耳机!じゅうろくたんげんじゅんどうてつみみつくえじゃないか!
クソ!生意気に環境依存文字使いやがって!
付属品はいつものゴミ…と思えば、イヤピはなんとKZ ZAXと同じもの。
最近は薄くてペラペラな白いシリコンイヤピが標準なのでちょっと驚き。
本体はこのように。
最近KZイヤホンではお馴染みになってきた覚醒UCガンダムの配色。
ぶっちゃけ安っぽいしプラスチック感が露骨になるしセボンスターだしで、個人的には本気でやめてほしいと思っている。
KZ ZASみたいな無難なデザイン、あるいはKZ ZESな筐体に落ち着いてほしいところだが…。
フェイスプレートのデザインはとてもユニークで面白いと思える。
が、こちらもよく見るとすごいチープさを感じるので凝視はNGだ。
ステム部分などはKZ ZAX以前のものと同様な様子。
太くて金色、返しもしっかりしたデザイン。
なんだか懐かしさすら覚える。
体重測定。7.7gを計測。
ZAXが6.3g、ZSXが6.8g、DQ6とZEX Proが7.0g、全面亜鉛合金製筐体のKZ ZESでさえ6.9gと考えると、中々重いほうであるといえるだろう。
KZ AS16 Pro の良いところ
回り込む臨場感、ZASよりも優れた解像感
KZらしいドンシャリ感のある力強い音傾向は継続しながらも、圧倒的な臨場感と解像感が特徴的。
音作りは名機KZ ZASに似た印象を受けるが、DDがない分低音は若干抑えがち。
ただしKZ ZASを超えるドライバ故の音数で鳴らしてくれる為、過不足を感じることはない。
高音域はより一層はっきりと輪郭が捉えられており、中低音域もしっかりと出力ができている。
本機はDDを搭載していない為、DDのようなドスドス感は感じないかな、と思っていたが、実際に聴いてみると杞憂に過ぎず、しっかりと健在している。
ボフッというような空気感はなくなり、より電子的なバス出力になっているが、それも個性として受け入れられる出来となっており、これはこれで面白い。
ただでさえKZ機は低音が強めなので、本機のように抑え気味でも十分な存在感があるのだろう。
つまり、低音強めであったKZ ZASから低音を抑えて中高域を盛ったような印象を受ける。
伴って全体の音域のバランスとしてはKZ ZASより良いと感じる。
なるほど、面白いじゃないか。
KZ AS16 Pro の残念なところ
KZ EDA譲りの圧倒的食玩感
プラスチックでこの配色と装飾はやめろって。
見た目はもちろんのこと、手触りも最高におもちゃ。
せめてフェイスプレート部分のクリア部だけでも別素材にして欲しい。
上記画像で察していただけると思うが、クリア部の加工が甘い為にテカリ具合がかなり安ぽい。
耳に当たる(隠れる)部分のクリア部はコストカットでプラでいいんだけどね…。
このKZ EDA譲りの圧倒的食玩感は一体何なのか。かっこいいと思っているのか。
最近の傾向を見ていると、なんだか開発陣はこの配色をクールだと思っている節があるので、これからもこのようなデザインが続出してくる気配を感じる。
個人的には正直、これだけでもう買う気はなくなるかなって。
装着感がとても悪い
まずでかい。そして重い。
のくせにZASやZEX Proのような耳介にひっかけるような筐体デザインも施されておらず、フラットなボディが採用されている。
その為ステム部分のみで耳に固定することとなり、伴ってイヤーピースのみで本体を支えることになる。
結果、大変に装着感が悪い。
AVIOT TE-D01gv並の不快感を感じる。
動けばズレるし、頻繁にはめ直しを行う手間がかかる。
ウレタン系のイヤピではめ込んでしまうのも手だとは思うが、そもイヤピ依存するイヤホンという前提が間違っていると思うので、どう転んでも残念である。
ケーブルとイヤーピースは買い替え必須
もうKZ製品お馴染みの話であり毎回言ってることではあるが、付属アイテムがゴミ。
ケーブルとイヤーピースを取り替える前提なのは明白。
イヤピもケーブルも付けなくていいからその分価格下げてくれ。
なお筆者は既存環境である以下製品を利用している。
装着感も音質もレベルの高い合格点をオールウェイズ出してくれるのでおすすめ。
…なのであるが、これをもってしても本機では満足な装着感は得られていない。
KZ AS16 Pro の総評
音質はKZ製品の中でも上位クラス。他は残念。
見た目やデザインは個人の趣味嗜好故に百歩譲ったとして、装着感の悪さは如何ともし難い。
音がいくら良くても、装着に難ありはさすがに問題でしょう。
音の良さとしては個人的にKZの中でも大変良いと感じており、解像度・バランスはもちろんのこと、ジャンルを問わない癖の無さと扱いやすさが魅力的と感じている。
この見た目に嫌悪感を抱かない、イヤピ資材が潤沢にある人は、選択肢にあげても良いかもしれない。
今回はまぁ「当たり」の部類かなぁと思っている。
うーん、やっぱりKZ。一筋縄ではいかないぜ。