まず最初に、本記事はメーカー様(TP-Link社)より商品を提供頂いた上での記事となる。
提供品だろうがなんだろうが正直に書き記すスタイルは変えるつもりは無いので、偏見無しに一読いただきたい。
さて、我が家では以前に同社様よりご提供頂いたArcher AX73がメインを張っている環境であり、このルーターに変えてからというもの、ストリーミングがすこぶる好調。
YoutubeはおろかAmazonプライムですら4Kをデフォルトで流せる状況となり、QOLが爆上がりしている。
そんな最中、Archer AX73にそっくりなArcher AX55が登場した。
このArcher AX55、色々調べてみると、見た目どころか上位機種であるArcher AX73に匹敵する性能を持っている様子。
今回はそんなArcher AX55をレビューしていこうと思う。
Archer AX55 の基本データ
TP-Link について
TP-Linkは1996年に設立された会社。
コストパフォーマンスに優れたネットワーク製品を多数提供している。
詳細はArcher AX73の記事を参照。
Archer AX55 について
製品情報としては以下の通り。
スペック値について書き出してみると以下の通り。
TP-Link Archer AX55 | |
---|---|
サイズ(アンテナ含まず) | 261.1 × 134.5 × 41.0mm |
ワイヤレス規格 | 2.4GHz:IEEE 802.11ax/n/b/g 5.0GHz:IEEE 802.11ax/ac/n/a |
周波数 | 2.4GHz+5.0GHz |
最大通信速度(理論値) | 2.4GHz:574Mbps 5.0GHz:2,402Mbps |
接続端末数 | 最大48台 |
ワイヤレスセキュリティ | WPA WPA2 WPA3 WPA/WPA2-Enterprise(802.1x) |
CPU | デュアルコアCPU |
インターフェース | 1Gbps WANポート x 1 1Gbps LANポート x 4 |
プロトコル | IPv4 IPv6 |
その他 | TP-Link OneMesh対応 |
アンテナは計4本あり、本体方向以外に柔軟な稼働が可能。
IEEE 802.11ax(Wi-Fi6)、IPv6といった最新規格に対応。
アンテナの数、5GHz帯の理論値が2,402Mbpsとおよそ半減、CPUの数、4×4 MU-MIMOに非対応といった違いはあれど、ほぼ上位機種であるArcher AX73と同じ。
Archer AX73のスペック値は冗長になるので割愛。Archer AX73の記事を確認してほしい。
それでいて価格はおよそ4000円の差となっている。
Amazon参考価格でArcher AX55は9,800円、Archer AX73は13,600円だ。
なるほど、絶妙な価格設定だ。
ちなみにこれら比較は公式HPで簡単に確認可能。
Archer AX55 の外観
まずは外箱。
Archer AX73よりちょっとシンプルな印象。
外箱の後ろ。
ここも変わらず本機の情報が余すことなく書いてある。
8Kストリーミングに関する説明がしっかりスペック基準になってるな。
開けるとこんな感じ。
本機と電源ケーブル、LANケーブルと設定ガイドのみ。
本体はこんな感じ。
Archer AX73に比べると一回り小さい。
感覚が麻痺してしまったけど、ルーターとしてはまぁ大きいほうか。
LEDは左から「電源」「2.4GHz帯」「5.0GHz帯」「ネット通信」「LANポート」「USB 」を表している。
ヒートシンクが”ヒートシンク”って感じになった。
この点はArcher AX73のほうがかっこいい。
天板もArcher AX73に酷似。
この、本体にアンテナが映り込むアングルかっこいいよね。
背面はArcher AX73と若干異なる。
側面に配置されていたUSB端子が背面に纏まっている。
ケーブル類を全て背面に纏められるのは管理がしやすくて良い。
ちなみにこのUSB端子は、外付けHDD等を接続することでNASとして使用すること可能。
例によって興味がないので検証はしていない。
稼働中のArcher AX73と重ねたところ。
重なり合ったアンテナが気持ち悪いことになっているがご容赦。
下がArcher AX73で上がArcher AX55となっているが、見て分かる通り一回りArcher AX55のほうが小さい。
Archer AX55 の良いところ
Archer AX73 の面目が立たない使用感
Archer AX55とArcher AX73の速度差を計測した結果が以下になる。
環境はArcher AX73の記事の通り、Wi-Fi6、IPv6対応環境での測定。
3日間を測定期間とし、その平均値を記す。
9時 | 12時 | 15時 | 18時 | 21時 | 0時 | 3時 | |
AX55 | D:420Mbps U:76Mbps | D:380Mbps U:74Mbps | D:190Mbps U:74Mbps | D:200Mbps U:69Mbps | D:380Mbps U:69Mbps | D:450Mbps U:71Mbps | D:380Mbps U:69Mbps |
AX73 | D:420Mbps U:76Mbps | D:400Mbps U:75Mbps | D:190Mbps U:74Mbps | D:220Mbps U:78Mbps | D:390Mbps U:69Mbps | D:400Mbps U:89Mbps | D:390Mbps U:71Mbps |
上位機種であるArcher AX73の面目が立たないこの結果。
肉薄・同等、何だったら下り速度がArcher AX73を超えている箇所もある。
まぁここまで来たら誤差の範囲かもしれないが、そうであっても驚異の測定結果と思わないか。
ゼンハイザーのイヤホンもその傾向があるけど、自社のフラグシップを下位モデルが潰すの流行りなの?
我が家の環境では最高30台近い端末がWi-Fiに接続することになるのだが、その環境での使用も全くArcher AX73と変わらなかった。
何かが特別遅くなるだとか、途切れるだとかということも無く運用が出来た。
4Kのストリーミングだって、24bit/192kHzのハイレゾの連続再生だって問題なし。
恐らく、同居する家族はルーターが変わったことにも気づいていないと思う。
それぐらいArcher AX55の使用感は上位モデルと謙遜がない。
HomeShieldの優秀さも変わらず。
何だったら、こんな時間毎に速度測定なんてしてるのは救いようがないガジェオタだけなので、そのことを鑑みると普通の人はArcher AX55で十分ということになる。
Archer AX73君…。君は一体…。
Archer AX55 の残念なところ
Archer AX73のレビュー記事ではDeco M5の速度低下が懸念される旨記載していたが、今回の記事を起こすに当たりDeco M5を撤去してしまったため前回のような検証は出来なかった。
ただし、内部的には同一と思われるため有線LANインターフェースの性能や仕様はそのままと考えられる。
なので未検証ではあるが、Archer AX73の記事の注意事項が該当する可能性があること補足したい。
他、Archer AX55の残念なところは見受けられないが、あえて言うなら…。
Archer AX73より電波飛距離は短い
いやもう本当に、重箱の隅をつつくような話で申し訳ないのだけれど、Archer AX73より電波飛距離が短い。
とはいえ気にならないレベルの話ではあるのだが。
Archer AX73のクソ強6本アンテナから発せられる電波の飛距離は中々に凄まじく、家から出て暫くしても繋がっている。
家から遠く離れた状態でヨワヨワな電波になっても未だ接続し続けている。
それはそれで不便だから早々に切断してほしいところなのだが、中々にしぶとい。
対してArcher AX55はそんなに長くはない。
外出して数メートルで切断される。常識的な範囲。何だったらAX73よりも扱いやすい。
ん?これは残念なところなのか?
まぁ使用環境によっては飛距離が足りないかもね、という話。
Archer AX55 の総評
纏めると、以下の通り。
という感じ。
概ね不満の無い、完成度が極めて高いルーターだと感じた。
性能も価格も、初めの一台に相応しいルーターだと評価できる。
そしてなぜ自分に、というかArcher AX73ユーザにレビュー依頼が来たのかもなんとなく察しが付いた。
これ絶対Archer AX73と比較してほしいやつだろ。
思惑通り比較レビューをしてしまったし、思惑通りの結論を書いてしまったように感じる。
結果として、Archer AX55は上位機種に匹敵する、コスパに優れた良い製品だと判断した。