先日SNSのキャンペーンで安くなっていたので特に何も考えず購入してみた。
事前情報無しの完璧な衝動買いはINTUAURA YaoJI-PEARLぶり。
やっぱ衝動買いってンギモッヂィイイイイイイイイイイイイ
ということで今回はGEEK WOLD GK20をレビューしていこうと思う。
GEEK WOLD GK20 の基本データ
GEEK WOLD について
GEEK WOLDとは、中国のどこかにあるオーディオブランドだ。
まさかの社名ロゴ無し。
2018年にイヤホン・ヘッドフォン界隈に参戦し始めた企業とのことであるが、その他の情報は現状確認できてはいない。
公式ホームページはSNS等も見つけられず、既存製品ラインナップはおろか経営理念や企業時期まで不明。
会社自体の情報も少なく、「GEEK WOLD」なのか「GEEKWOLD」なのかも定かではない。
いよいよINTUAURA YaoJI-PEARL並の暗雲が立ち込めてきた。ワクワクするな!
とはいえINTUAURAと異なり、同社製品は日本国内では既存製品として「GK100」「GK10」なるものが発売されている。
故に”知っている人は知っているというブランド”という立ち位置はあるようだ。
GEEK WOLD GK20 について
GEEK WOLD GK20は、BAとPiezoelectricとLCPダイアフラムDDとチタン・ダイアフラムDD(3BA+2DD+2PZT)で構成された、変態構成多ドライバイヤホンだ。
超高域に2PZT、高域に2BA、中域に1BA、低域に2DDを配置し、4ウェイクロスオーバーテクノロジーによって最適化された出力が行われるという。
製品のアピールフレーズとして「2DDによる深い弾力性のある低域の再現」「ボーカルを引き立てるBA」「高域を際立たせる2BA」「高い解像度、適度な分離感、更に超高周波特有の空気感を再現するための2PZT」との説明が確認できる。
決して話題作りのためだけではなく各々のドライバの特性を活かした構築がされているようであり、気合の入れようが見て取れる。
GEEK WOLD GK20 の外観
まずはいつもの通り外箱から。
なんだか違和感。
イヤホンの写真を切り抜いて合成した感が丸見え。
しかも中央配置じゃないので左右の余白が均等ではない。
全体的に右にズレている。
パッケージで格の違いを理解らせに来るなんてやるじゃねえか。
裏面はシンプル。
表面にも言えるものであるが、全体的に工業的というか事務的と言うか、なんかこう”ソビエトみ”のあるデザインと感じる。
内箱。まっくろ。
パカッと開けるとこの通り。
おぉ、青色がキラリと際立つ。
内容物は上記のとおり。
ケースと説明書とイヤーピースとケーブル。
イヤーピースは2種類あり、高さや口径が異なっている様子。
太くてコシのある白いケーブルが付属。
デフォルトが4.4mmバランスプラグの様子?
ケースはよくある中華イヤホンのケース。
だがロゴなどは一切無く、製品の付属品であると確認できるようなものはない。
本体はこの通り。
黒く肉厚なボディに鮮やかな青が印象的。
ヌメッとした光沢は生命感を感じるものであり、モルフォ蝶をイメージさせる印象がある。
ちな装着感はとても良好。
体重測定。5.1gを測定。
ずっしり感を感じるものだが実は軽い。
GEEK WOLD GK20 の良いところ
多ドラを感じさせない聴きやすさ
印象としては、低音が”のっしり”と下地を構えた上で中高音域が鳴っているような感覚がある。
しかしながら浮ついた印象も無く、全体的な違和感はない。
超高域に2PZT、高域に2BAという高域特化のタイプの異なるドライバを4基も備えていることから「高域が多少キツめ。或いは疲れる解像度持ちか?」と身構えていたものであるが、そんなことはまるで無い。
ではそれらが不足しがちなのか、といえばそうでもなく、解像度はそれなりに高いし金属音に対する鋭さもある。
つまらない言葉を用いるのであれば「ちょうど良い塩梅」といったところか…。
ただしボーカルについては少し遠いと言うか、沈みがちな印象がある。
太く強い2DDや、高域を担当するPZT/BAの主張が強いことに起因するものではなく、はっきりとボーカル域だけが抑え気味なチューニングがされているように感じる。
「ボーカルを引き立てるBA」君はもうちょっと頑張ってよかったんじゃないかな。
また見た目や構成のワリに素直な出力なので、ケーブルの影響が大きく出やすいのもポイント。
沢山ケーブルを持っている人はそういった楽しみ方ができるかも。
GEEK WOLD GK20 の残念なところ
イヤホン以外に気合が入っていない
ケーブルは良いとして、箱のテキトーなデザインやケースの無色具合は、なんというか残念。
本機に対する気合の入れようはすごいものであるが、それを彩る箱やケースが事務的過ぎてテンションが下がる。
同価格帯のSIMGOT EA500と比べるとチープさが大変に際立つものである。
たしかに良い音が出せればイヤホンとしてはいいのだけど、もう少しこのあたりも気合を入れてほしいというのが個人的な願いだ。
GEEK WOLD GK20 の総評
イロモノではない正統派イヤホン。
1万円少しで変態構成イヤホンを楽しむ事ができる。
…が、正直言って面白さは皆無。
こんな魅力的な構成でありながら、何故常識的に、何故優等生になろうとしたのか。
“全体的に癖が無く纏まっている”という点で「特筆できるもの」が無いが、ボーカルが少し遠のいた配置になっていることに起因するバランス感の評価について”絶賛できるものでは無く、かといって酷評できるものでもない”という微妙さがまた面白くない。
というか、全般的に何かが秀でているわけでもなく劣っているわけでもなく、多ドラを活かした高解像度であるとかユニークさであるとかがまるで無い。
はっきり言って、同価格帯の1DDイヤホンでもこの出力傾向は全然ある。
故に価格相応のイヤホンという評価ではある。
結局こう…普通なんだよなぁ。
本機はトンデモ多ドラ構成を感じさせない暖かく優しい音であり、同じくトンデモ多ドラ構成を採用しがちのKZ製品のようなパンチ力や鋭さは全く感じることは無い。
そのためスペックだけで期待すると少々肩透かしをくらうものではあるが、まぁ聴きやすいイヤホンということで一つ。