
前々から狙っていた本機。
ようやっと手に入れた…のはなんと一ヶ月以上前。
入手からちょいちょい聴いてはいたが、他のレビュー依頼品の兼ね合いもありちゃんと向き合えておらず…。
で、この度ようやっと余裕ができたのでちゃんと楽しんでみた。
今回はそんな MOONDROP PARA 2 についてレビューしていこうと思う。
MOONDROP PARA 2 の基本データ
水月雨(MOONDROP) について

2015年に中国の成都で設立された成都水月雨科技有限公司が展開するオーディオ機器ブランドだ。
1万円程度のものから数十万円近いものまで、多種多様なイヤホンを展開している。
年々着実に技術力を増しており、それに比例して知名度と信頼を増している堅実なメーカー。
その甲斐もあって今では有力な高級イヤホン・ヘッドフォンメーカーの一員となっている。
以降はMOONDROP Ariaの記事と同じになるので省略。

MOONDROP PARA 2 について

MOONDROP PARA 2は、2023年発売の初代PARAの後継となる平面磁界駆動型ヘッドホンだ。
国内発売は2025年9月頃、価格は大体54,000円ぐらい。
名称は“MOONDROP 楽園2 – PARA2”と併記されることが多い様子。
最大の特徴は初代から継承した100mm超大型振動板とFDT全面駆動技術。
振動板全面を均一な磁場内に配置して駆動回路を敷き詰めることで、静電型に匹敵する低歪みを狙う設計だ。
PARA2では振動板が1.2μmの超薄型に刷新され、磁石もN52からN55へグレードアップ。
36個のマグネット配置はFEA解析で最適化されている。
デュアル3.5mmのリケーブル対応で、6N単結晶銅の4.4mmバランスケーブルが標準付属するのも太っ腹だ。
筐体はステンレスのヘアライン仕上げ、イヤーパッドはマグネット着脱式のシープスキン製と、5万円台とは思えない仕様でまとめてきており、中々の力の入れよう。
ちなみに初代PARAは持っていないので比較とかは出来ない。
Ananda Nanoの記事でも述べているように、ウチはエンタメブログなのでガチな感じじゃあないんだ。
初代PARAと比較したスペック表を置いておくからコレで落ち着いてくれないか。
| 項目 | 楽園 – PARA(初代) | 楽園2 – PARA2 |
|---|---|---|
| 発売日 | 2023年11月30日 | 2025年9月30日 |
| 発売時価格 | 49,500円(税込) | 54,000円(税込) |
| ドライバー | 100mm FDT振動板 | 100mm FDT振動板(1.2μm超薄型に刷新) |
| 磁石 | N52ネオジム×36個 | N55ネオジム×36個 |
| インピーダンス | 8Ω ±15%(@1kHz) | 9Ω ±15%(@1kHz) |
| 感度 | 101dB/Vrms(@1kHz) | 106dB/Vrms(@1kHz) |
| 周波数特性 | 15Hz〜53kHz | 20Hz〜42kHz(有効:20Hz〜20kHz) |
| 付属ケーブル | 3.5mm | 4.4mmバランス(6N単結晶銅)+3.5mm変換 |
| イヤーパッド | 2種類付属 | 1種類(COSMO同等品) |
| 筐体 | エンプラフレーム | ステンレス ヘアライン仕上げ |
MOONDROP PARA 2 の外観


まずは外箱から。でっけえ箱だなオイ。
Ananda Nanoよりデカイぞコレ。


これが「PARA 2」ちゃんですか。
月桂冠みたいな髪飾りを身に着けた友希の姉貴。
腕の装飾やペブロスみのあるオフショルドレス、これは古代ギリシャスタイルですね間違いない…。
背景の幾何学模様もステンドグラスのそれなので、なんかヨーロッパな雰囲気なんでしょう。
……ヨーロッパが楽園ですって?(思想強め
初代PARAの南国感あるほうがよっぽど楽園でしょうに。

そんな外装をとっぱらうと真っ黒箱。

パカッと楽園Ⅱ。

さらにパカッとで紙類とケースが出てくる。
紙類は後述。


ケースは見ての通りソフトな感じ。
Moondropのタグがシンプルながらかっこよくて良き。

開けるとこんな感じ。
外側はソフトではあるが、内装はシッカリとしたウレタンで模られており、強度は十分。

内容物は上記の通り。
ケーブルポーチと各種ケーブル。4.4を3.5に換装するケーブルも付属。

紙類はこんな感じ。
説明書とブロマイドといつもの合格証。



全容はこんな感じ。
硬質的で重々しい輝きを放つステンレス筐体、及びそれに伴う手触りが大変に格好良い。
全体としてインダストリアルな印象がありとっても無骨。


とにかく穴が空いている。
チーズグレーターかって勢いで空いている。まぁカッコいいから良し。


イヤーパッドはマグネットで簡単に着脱可能。
振動板が丸見えであまりにもエッチすぎる。
広告剥がされたらどうしよう。

体重計測、512.6gを計測。
Ananda Nanoより100gも重い。
実際すごい重い。どうりでこんな肉抜きデザインなんやなって。
MOONDROP PARA 2 の良いところ
デザインが無骨でカッコいい

いきなり筆者の主観的な話ですまない。
でも本機のデザインってすっごいカッコいいよね。
本機の無骨なインダストリアルデザインについては上述した通りであり、全体を通してかなりスタイリッシュでとってもイケメン。
聴かないタイミングでの「飾っている状態」でも中々に”映え”てくれる。
特に上記画像のような、接合部?可変部?の塩梅がとっても良い。
こういう沈頭鋲みたいなのを、あえてむき出しちゃっている工業的な感じがすっげえ癖ってて好き。
そこにステンレスをあわせて、謎にグネグネと曲げたデザインを採用しているのも素晴らしい。
まぁ、ステンレスを採用しているためにアルミに比べて重く、しかもこんな感じでデザイン優先なのでとってもずっしりしてしまってはいるが。
後述するように装着感にもかなり影響が出ているけども、まぁカッコいいからOKです。
音も素晴らしい
本機は勿論、デザインだけでなく音にも妥協はない。
まず印象強いのは、大変にクリアな中高域。
非常に伸びが良く、クッキリハッキリとした明るい出力はとても心地が良い。
特にボーカル域の再現性が凄まじく、男女問わずバランスよく、何故かどんな楽曲でも良い位置で出してくれるという再現性が有り、トンデモなく面白い。
低域もハッキリはしており魅力的ではあるが、量感は控えめ。
応答が非常に速く、輪郭のハッキリしたタイトな低音ではあるが、中々に深くまで伸びるので薄っぺらくはならないという印象。
音像は近く迫力があり、奥行きもあり申し分がない。
空間の透明感は大変に良く、密閉感や人工的な違和感はまるで感じない。
こんな感じに総じて低域から高域まで文句がなく、且つ臨場感もたっぷりで完璧なワケではあるが、しっかりとした据え置きアンプは必須。
高出力なアンプがあれば申し分なく鳴らしてくれるが、ドングルDACなどの(安価で)弱いアンプでは、間違いなく鳴らし切れない。
少々扱いづらさはあるが、まぁこの実力が有るのであれば良い出力元は必要でしょうて。
MOONDROP PARA 2 の残念なところ
装着感には少々疑問

本機の致命的な弱点。
それは装着感だ。
本機の側圧はかなり貧弱で、ちょっとでも頭を振ると装着位置がズレるほど。
ホールド箇所を最下層にしても、本機の自重でかなり下目に装着することになってしまう。
まぁ縦横にフレキシブルに稼働するので、密着感は担保できるものではあるが、何分上記のように側圧が貧弱すぎる故に扱いが少々むずかしいという印象。
上記画像のように、自重だけでこんなにも開いてしまうガバガバ具合。
なんならこの持ち上げ方で接地している。
当然本機自体も重いので、装着時に真下に首を向ければズルリと落下する。
室内でコレなのだから、当然屋外での利用なんてもってのほかだ。
室内で、ゆっくり音楽を楽しむ。
コレを守れない奴らはお呼びでない。
そんな潔さを感じる。
ところで、手首の傷が多くて済まない。
決してメンヘラとかではなく、全部猫様がつけたヤツなので多めに見て欲しい。
MOONDROP PARA 2 の総評

音もデザインも超優秀。装着感に気をつければ生涯愛せる実力機。
重くて側圧が貧弱という、装着感にダイレクトに影響を与える欠点を抱えているが、音も良いし見た目も良いから全部許せるという特異な製品。
まぁ開放型ヘッドフォンを外で利用するユーザーなんておらんだろうから(一部界隈に目を背けて)、このコンセプトは間違いではないとは思う。
総評としては、とっても満足度の高い優秀なヘッドフォンと評価したい。


