
筆者環境においては、ここ数年で手持ちのイヤホンもヘッドフォンもケーブルやイヤーピースでさえ、大分にグレードアップがされてきた。
にも関わらず、据え置きアンプ側は一向に更新がされていない。
本ブログを見返してみると、なんと2022年からTOPPING D10s+TOPPING A50sの環境を使い続けているというじゃないか。
いやコレはコレで全然過不足がなくて問題がないのだけども。
でもそれで停滞してしまったら…面白くねえよなぁ!?
ということで FIIO K9 AKM に新調したのでレビューしていく。
…えっ!!選ばれたのはFIIO K9 AKMなのですか?!今更!?
しかもドヤ顔でレビューを!?出来らぁっ!
Fiio K9 AKM の基本データ
Fiio について

FiiO(フィーオ)は、中国の広州に本社を置くポータブルオーディオ機器メーカーだ。
調べてびっくり、スマホで有名なあのOPPOの技術者達によって2007年設立されたという経歴がある様子。
世界中のオーディオファンの心を鷲掴む、独自の優れた設計思想と製造品質が特徴的。
特にポータブルヘッドホンアンプの分野では早い段階で有名ブランドとしての地位を確立し、市場の拡大とともに急速に成長している。
2011年には急速な市場の需要に対応するため、より大きな製造キャパシティを持つ新しい場所へ移転し、研究開発、製品テスト、品質管理のための最新設備を導入しているという気合の入りようがスゴイ。
日本においては、2009年から株式会社オヤイデ電気が輸入代理店となっており、近年では株式会社エミライも正規販売代理店になっているとのこと。
Fiio K9 AKM について

FiiO K9 AKMは、2024年1月に発売した据え置き型のDAC内蔵ヘッドホンアンプだ。
そう、2024年1月。およそ1年半前の製品だ。
レビュー記事を出すにはあまりにも旬が過ぎているし、なんなら腐りかけている。
だってAliExpressのセールで5万ぐらいで買えたんだもん。
俺悪くないもん。ほんとにトトロいたんだもん。
FiiO K9 AKMは、2023年2月に発売終了となったFiiO K9のアップグレードモデルだ。
名前の通り、AKM(旭化成エレクトロニクス)のフラッグシップDACチップ「AK4191EQ + AK4499EX」を搭載している点が大きな特徴。
また、THXと共同開発した「THX-AAA 788+」ヘッドホンアンプ回路を2基搭載。
これにより、低歪みでパワフルな出力、そして高いダイナミックレンジを実現しているという。
無印K9よりも繊細で自然、滑らかで音楽性豊かなサウンドが期待できるとのこと。
中高域の表現に優れ、ボーカルやアコースティックな音楽をより心地よく聴けるようになっているらしい。
勿論、筆者は無印K9を所有していないので比較することはできないのであしからず。
また、本機は豊富な入出力端子を持っていることが魅力。
挙げると以下の通り。
- デジタル入力: USB Type-C、USB Type-B、同軸デジタル、光デジタル、Bluetooth(SBC/AAC/aptX/aptX HD/aptX LL/aptX Adaptive/LDAC対応)
- アナログ入力: 4.4mmバランスライン、RCAライン
- ヘッドホン出力: 4ピンXLRバランス、4.4mmバランス、6.35mmシングルエンド
- アナログ出力: XLRバランスライン、RCAライン
とまぁ、3.5mmプラグ以外のほとんどに対応している様子。
XLRバランス入出力に対応しているので、これからの拡張性に期待ができそう。
なお、中央のクソデカボリュームノブは地味に発光する様子。
入力ソースやBluetoothコーデックなどを視覚的に表示するRGBインジケーターライトが搭載されているとのこと。
Fiio K9 AKM の外観

まずは外箱。
でかぁい。キラキラしてる。

開けるといきなりWARNING。びっくりするじゃん。
どうやら利用国ごとに適切な電圧が異なるから注意しろという内容の様子。

そんな注意書きを放り投げると説明書。

それもぶん投げるとようやく本体登場。


その横の黒箱にはケーブル類が入っている。
これだけデカくて、この3つしか入っていない。
この素っ気なさはHiFiMANみを感じる。

電源プラグはコーカサスオオカブトプラグ。
今回はAliExpressで購入したのでUS3ピンプラグだったり?
日本で買えば二本だったりするのかな。日本だけに。しらんけど。

縦置きの台座も付属。

USBケーブルはAtoB。
ゴム足に交換用ヒューズまで付属している。

本体。
デカァァァァァいッ説明不要!!

前面にヘッドホン出力端子、ボリュームノブ、インジゲータLED。
出力切り替えやゲイン切り替えも配置されている。

側面にはType-C入力。
ここにスマホやプレーヤーを接続すれば簡単に出力が可能。

背面。
見ての通り豊富な入出力端子が配置。
BTアンテナもあるのでスマホなどからストリーミング出力も可能。


背面には電圧スイッチ。
ちゃんと説明書を読んで適切な電圧で使用しよう。


ついでにHifiケーブルも別途用意。
今回は相性が良いらしいYYTCG Hifi USB ケーブルを選択。
まぁ気分の問題ですわ。
Fiio K9 AKM の良いところ
肉厚重厚な音

なるほど評判どおりの音質。
まず最初に驚くのが粒立ちの良さ。
何かが不足しているとか誇張しているとかがなく、それでいて1音それぞれがメリハリよく聴こえてくるパワフルさが面白い。
ホワイトノイズが一切なく、その中でこの粒立ちの良さが響き渡るため、大変に見通しが良い音という印象が強い。
“音楽を楽しんで欲しい”という意匠を垣間見ることができる大満足のクオリティだ。
全ての音域がしっかりと力強く鳴らされるために、総合で出力される音は大変に肉厚。
オーケストラなどの楽器数が多い楽曲と大変に相性が良く、まるでコンサートホールで効いているような臨場感と高揚感を感じることができる。
あぁ~よだれとまんね~(恍惚
入出力端子が豊富
上述したものでもあるけども、本機の入出力は豊富に用意されている。
基本はPC接続で据え置きという使用用途になるとは思うが、例えばPCを立ち上げずともBTで飛ばしたり、側面にType-Cで流すことができたりと、PCDAC以外としての使い方がいくつもある。
いつでも何にでも本機を楽しむ事ができる、というこの汎用性の高さはとても魅力的。
Fiio K9 AKM の残念なところ

本機は楽器数の多いオーケストラやクラシック、生楽器の瑞々しさを活かす事ができる楽曲と大変に相性が良い。
一方で、EDMやDTM楽曲とはあまり相性が良くない印象がある。
これら楽曲に対しては「ガチャガチャしすぎ」というのが素直な印象だ。
最近のポップスはDTMが主流であることも要因なのか、いくつかのボーカル曲では少々騒がしく聴き疲れしやすい印象がある。
本機本来の粒立ちの良さがあるので、ボーカルが潰れるとか聴き辛いといったものは無いのだが、平面的な音が突然ワッと重なってくる波のようなものがあり、少々圧倒される事がある。
また独特な残響感もあるため、奥行きと臨場感を感じられる一方で違和感も覚えやすいものとなっている。
この点ではTOPPING A50sのほうがフラットで聴きやすく、心地良い出力傾向があると感じている。
あちらはオーケストラやクラシックもそれなりに解像度高く鳴らしてくれることから、TOPPING A50sのほうが汎用性が高いと判断している。
Fiio K9 AKM の総評

肉厚パワフルマシン。好みは分かれそう。
筆者は正直TOPPING A50sのほうが好みッス。
本機の驚異的なパワフルさと解像度は大変に魅力的ではあるが、なかなかどうして気難しい。
うーむ、やはりイヤホンもそうだがアンプも値段が正義では無いのだな…。
って、オイオイどうするんだよ。
これに乗り換えてTOPPINGシリーズ売り飛ばすつもりだったのに!
これじゃあ両方据え置いたままになっちまうじゃねーか!
どうすんだコレ!!沼だコレ!!