
まず最初に、本記事はSJCAM社様より商品を提供頂いた上での記事となる。
提供品だろうがなんだろうが、正直に書き記すスタイルは変えるつもりは無いので、偏見無しに一読いただきたい。(テンプレ)
なんだか尖ったガジェットの匂いがするなぁ。
筆者好みな個性的なデバイスの予感がする。
ということで今回は SJCAM C400 というアクションカメラをレビューしていく。
SJCAM C400 の基本データ
SJCAM について

SJCAM(エスジェイカム)は、中国の深センに拠点を置くアクションカメラメーカーだ。
GoProなどの高級ブランドに対抗する「コストパフォーマンスに優れた実力派ブランド」として展開が行われており、個人的には”格安アクションカム”の代名詞にあたる存在だと思っている。
設立は2011年であるが、2014年を皮切りに存在感を強めることになる。
この年、SJCAMは「SJ4000」なる格安アクションカムをリリースし、その性能と安さから世界中で大ヒットを記録した為である。
Gopro一強時代に訪れた救世主として、数多くのアクションカメラファンが購入していた気がする。
以降、このSJ4000を基準として中国製アクションカムが展開されていくことになる。
何を隠そう、筆者もそんなSJ4000を購入した一人。
バイクに乗り始めたと同時に購入した思い出深い製品となる。
フォトアルバムを見返すと、嬉しさのあまりか当時の写真が撮影されていた。
日付は2016年9月12日を記録している。懐かしすぎてハゲそう。

SJCAM C400 について

SJCAM C400は、2025年8月に発表された変なカメラだ。
「カメラ部分を分離できるモジュール式」という非常にユニークな特徴を持つアクションカメラであり、なんかコレとかコレとかを悪魔合体させたような代物となる。
基本スペックは以下の通り。
| 項目 | 内容・仕様 |
| 映像エンジン/センサー | 1/2.8インチ CMOSセンサー |
| レンズ | 視野角(FOV) 154° / 絞り f/2.0 |
| 動画解像度 | 4K: 3840×2160 (30fps) 2K: 2560×1440 (60/30fps) 1080P: 1920×1080 (120/60/30fps) 720P: 1280×720 (120/60/30fps) |
| 静止画解像度 | 24MP, 16MP, 12MP, 8MP, 5MP, 2MP |
| 手ブレ補正 | 6軸ジャイロ補正(Steady Motion V1.0) 水平維持機能(Horizon Stability Enhancement)搭載 |
| ディスプレイ | 本体: 1.3インチ タッチスクリーン ハンドル: 2.29インチ 回転式タッチスクリーン |
| バッテリー容量 | 本体: 1250mAh ハンドル: 3000mAh |
| 連続撮影時間 | フルセット(C400): 約437分(約7.2時間) 本体のみ(Pocket): 約172分(約2.8時間) ※いずれも4K/30fps撮影時 |
| 防水性能 | 本体のみ:非防水(日常防滴程度) 専用ケース装着時:水深30mまで対応 |
| 記録形式 | 動画:MP4 (H.264) / 静止画:JPG |
| ストレージ | microSDカード(最大512GB対応 / Class 10以上推奨) |
| 通信機能 | Wi-Fi (2.4GHz / 5GHz)、アプリ「SJCAM Zone」連携 |
| 端子 | USB Type-C |
| サイズ | フルセット: 143.5 × 38.5 × 38.5 mm 本体のみ: 68 × 32 × 25.5 mm |
| 重量 | フルセット: 189g 本体のみ: 54g |
とまぁ、こんな感じにスペック上は大変に優秀。
4Kも撮影できるしバッテリー持ちも優秀だし、何よりも本体をハンドルからセパレートして使用することが可能、というおもしろ機構に注目したい。
ハンドルに設置されたディスプレイを横向きにすることで起動するギミックや、デフォルトで三脚やケースやらのオプション品が豊富な点も優秀。
あまりにも隙がなく魅力に溢れた製品と言わざるを得ない。
そう、ある致命的な一点を除けば…。
SJCAM C400 の外観


まずは外箱から。
「3 in 1」アクションカメラとしての自信がある様子。

開けるとこう。
左のボックスがパンパンでそ!パンパン!
開けてみたいでしょォ~?(ウン見た~い!)
行きますよォ~!せーのッ!

水素の音はしない。
が、大量にオプション品が詰め込まれている。

一つ一つ紹介は出来ないが、なんか色々いっぱいあるのでコレだけでもお得。


右のケースには本体が収納されている。
上部ファスナーを開けるとクロスが収納されている。



保護フィルムに基本操作が記載されている。
シンプルなので読まなくても操作できるレベル。


動作させるとこんな感じ。
操作パネルを横にすると起動する。

モード切替はスライド。
左から「ドライブモード/ビデオからキャプチャ/スローモーション/タイムラプス/ビデオ/写真/インターバル撮影/連写/ライブストリーミング」。
アプリと連携することでライブストリーミング等の撮影にも使用することができる。


こんな感じに本体をセパレート可能。
Insta360 GO 3みたいな使い方ができるってわけだな。


体重計測。
本体は53.6g、ハンドル込みだと187gを計測。
アクションカメラとしては平均的な重さだとおもう。
バイク装備
SJCAM社様は弊ブログをちゃんと確認されていらっしゃる様子。
「バイクで使うんなら色々オプション渡しまっせ~」とのことで、それら関係アイテムも提供してくれた。
ありがとナス。

といっても、球形ホルダータイプのクランプな訳だが。
ああ、コレで所有しているクランプが4本になっちゃった。

このタイプのアクションカメラをバイクに付けて撮影するって正直どうかなぁと思うけど、公式からバイク利用アイテムを提供されたんなら使用せざるを得ない。
ということで、一般的なモトブログの位置に装備して撮影してみよう。
以下で紹介する動画はこの形態で撮影を行っている。
それではデュエルスタンバイ!
SJCAM C400 の良いところ
ワクワクする機構

回転スクリーンによる本体の起動、カメラ本体を取り外しての撮影、というワクワク感は唯一無二。
この”特殊なガジェット感”は触っているだけで大変に面白い。

上述したようにオプション品もたくさん含まれているため、本機の機構も相まって本製品だけで様々な撮影体験を行う事が可能。
潜水に対応できる防水ケースの他、簡易三脚まで含まれている。スゲエ。

筆者のお気に入りはマグネットペンダント。
強力な磁力で服などを挟み、ウェラブルカメラとしても楽しむことができる。
ハンドル撮影の安定感は申し分なく、またセパレートできる機構の汎用性は非常に高いため、アイデア次第で様々な撮影が可能だ。
SJCAM C400 の残念なところ
画質がヤバい
本機は大変に魅力的な機構を持つ優れたガジェットだ。
が、致命的な欠点がある。それは画質だ。
まぁ、まずは以下の動画を見てもろて…。
一応「4K30FPS」という本機での最高画質での撮影であることを補足しておく。
ちょっとコレは…援護できないかな…。
色の再現率は低く淡く、4Kとは思えない粗さなうえ、レンズフレアまで確認できる。
輪郭はボヤけているし、空の描写に至っては逆光で白飛びして雲が識別できない。
センサーサイズが小さいのでしょうがないことではあるのだが…。
また、風切音も尋常じゃなく、環境音がまるで聞こえない、というのもよろしくない。
スマホ以下は当然として、バイク用のドラレコ以下な品質という印象だ。
ちなみに、ハンドル撮影だろうがセパレート撮影だろうが出来上がる動画は全く同じ。
モードをいくら切り替えようが、結局VHSみたいな品質の動画が出来上がってしまう。
本当にあった呪いのビデオとかの再現ができそう。
Osmo Action 4が2万円台で購入できる現状、3万円以上を支払ってこの画質を選びにいくとは思えもせず、中々に厳しいのではないかと。
魅力的な機構ではあれど、この使用感だとねえ…。
なお、なぜか夕暮れから夜間の撮影では意外と綺麗な絵ができるという事は付け加えておこう。
マイクの位置が変

本機は上記のように本体側背面にマイクホールが設けられているのだが、このせいで前方からの音声入力が籠りがち。
ただでさえ風切音がバカでかいので絶望的に集音が出来ない。

ハンドル側には該当箇所に穴が空いているのみ。
ここで本体側のマイクを通そうという魂胆なのだろうが、モニターが存在しているので穴が半分潰れている。
横型でこれなのだから縦型で撮影しようものなら…解るよね?
パッケージに偽りあり

本製品には「64GBカード」という記載があるが、別に64GBのSDカードが付属しているわけでもなく、また64GBの内部ストレージが有るわけでもない。
Amazonのレビューにも同様の報告があり、筆者だけではない様子。
マジで意味不明だし、普通に問題だと思う。
消費者庁コラボ待ったナシ。
SJCAM C400 の総評

唯一無二のガジェット感がとても楽しい。一方で性能不足は否めない。
機構は尖っていて面白いし着眼点も良く魅力的なのに…惜しいなぁ…。
筆者としてはこういう個性的なデバイスは大好きだし、応援したいところ。
しかしながら本機はそのオモシロ機構だけに特化してしまい、肝心のカメラ性能を厳かにしているきらいがある。
いくら注目度の高い機構を有していたとしてもカメラ自体が使えるものでないのであれば本機を選ぶ理由もなく、本末転倒と言わざるを得ない。
少しでも開発リソースをカメラ性能に割り振って欲しかった…。




