自分はTWSを片耳だけに突っ込んで使用することが多い。
というのも、家族との生活や買い物に行くときなどに会話をする必要があるからだ。
そんな時ぐらいイヤホンしてんじゃねえよという話ではあるのだけど、TWSは咄嗟の着信やGoogleアシスタントへのアクセス等に大変役立つので、常に身につけておきたいという気持ちが先立つ。
ジャズやクラシックを流しっぱなしにしていれば、生活にBGMを加えることもできるのでQOLを上げることだってできる。TWSは素晴らしいウェラブルデバイスなんだ。
だがしかし、当たり前の話ではあるがTWSの片耳使用ではステレオ音源を聞く事ができない。
左右にパンされてしまうと、最悪無音状態になってしまう。
これだけはイカンともし難い状況ではあった。
そんな中で出会ったのが、AfterShokz OpenMoveである。
本機が、この問題を完璧に解決してくれた。
ということで今回は、骨伝導イヤホンであるAfterShokz OpenMoveをレビューしていこうと思う。
AfterShokz OpenMove の基本データ
AfterShokzについて
2011年にアメリカはニューヨークで創業された会社である。
骨伝導技術を利用したヘッドホンなどを開発、製造しているユニークな会社であり、これら技術を使用したコンシューマ向け製品では業界一とも言われている。
オープンイヤーデザインと呼ばれる耳を塞がなスタイルを確立し、従来のようなオーバーヘッド型ヘッドホンやカナル型イヤホンのように耳を塞ぐことなく安全な状態での音楽体験を可能とした製品ラインナップが特徴。
骨伝導といえば、ガジェオタであれば京セラを思い浮かべるんじゃないだろうか。
日本産のスマホが世界中で大爆死している中、京セラだけが地味に世界中でシェアを広げていた事がある。
それは、京セラのスマホにはスマートソニックレシーバーという骨伝導技術が備わっており、世界中の工事現場や採掘現場等の雑音だらけの現場で「明確に相手の声が聞こえる」という実用面で重宝された事に由来する。
骨伝導は医療や軍事に使われているイメージが強いが、企業努力次第ではとんでもない起爆剤になりえる技術だったりする。
AfterShokz社も例外ではなく、軍事のノウハウを生かしているとのこと。
ただし、使用するのは中国深センに拠点を置くVoxtech社が保有する軍事技術だったりする。
うーん、したたかだなぁ。
AfterShokz OpenMove について
AfterShokz OpenMoveのスペックは以下の通り。
AfterShokz OpenMove | |
---|---|
Bluetooth規格 | 5.0 |
SoC | QCC3024 |
周波数特性 | 20Hz - 20kHz |
最大通信距離 | 10m |
防塵防水 | IP55 |
重量 | 29g |
バッテリー | 135 mAh |
連続再生時間 | 6時間以上 |
充電端子 | Type-C |
その他 | 3種類のEQモード搭載 |
この「3種類のEQモード」とはなんぞって話なのだけど、本機は骨伝導でありながら音の伝わり方を微妙に変更することで音の特性を変えることが可能だったりする。
音楽再生等に相応しい「スタンダードモード」に始まり、オーディオブックやポッドキャスト、電話会議に最適な「ボーカルモード」、航空機内などで耳栓をした際に最適な「イヤプラグモード」に変更することが可能だ。
大体のイヤホンやらプレーヤーについているイコライザーって名前負けというか、モード名にふさわしくないチューニングが施されているのが大半なのだけど、本機の場合はまさに名前通りのモード変更となっているのが驚きだ。
ボーカルモードはまさに人の声に特化したものであるし、イヤプラグモードはイヤプラグ装着時に真価を発揮する。
骨伝導でここまで特化できるのがすごい不思議だし面白い。
ちなみに本機の上位機機種として、装着性や防水処理を向上させたAeropexという商品があるが、自分はあえて選択しなかった。
なぜならAeropexは専用の充電器が必要になるから。
わざわざ専用の充電器を持ち歩くのは面倒くさいし、破損時の対応が厄介なので。
AfterShokz OpenMove の外観
外箱はこのような感じ。
結構安っぽい。
何故か絶縁テープみたいなのが貼ってあった。
傷が付きやすいという部位でもないのに、なぜ。
テープ剥がした正面のお姿。
見た感じ普通のネックバンド形式に見える。
装着して右側に音量ボタン兼電源ボタン。
そして防水パッキンが施されたType-Cホールが有る。
右側の振動部上部にファンクションボタンがある。
ここを押下することで再生・停止・曲送り戻しができる。
骨伝導なので音声の出力ホールは見当たらない。
右下部にはマイク穴が確認できる。
内容物は上記の通り。
IKEAのような超多言語の説明書と、充電ケーブル。
そしてイヤプラグと巾着袋がついている。
イヤプラグはまぁ普通の耳栓。
大きさは自分が愛用している外国製の耳栓であるMOLDEXとほぼ同じ。
巾着袋は上記のような、まぁ無いよりはあったほうが、という感じの薄いやつ。
微妙に撥水加工というか、水着のような触感がする。
AfterShokz OpenMove の良いところ
骨伝導のクセに音が良い
クセに、って言い方は良くないかもしれないけど、完全に期待以上だった。
ぶっちゃけ舐めてたっていうのもあるけど、以外にも音が良い。
そりゃあ解像度だとか音場の再現は劣るけど、それでもしっかりと鳴らしてくれる。
以下の楽曲のような、左右から細かいアルペジオが響く曲でもしっかりと聞かせてくれる。
3種類のEQモードも効果は絶大。
狙ったシチュエーションでしっかりと役立ち、相応しい音で聞かせてくれる。
耳を塞がない事の気持ちよさ
耳を塞がないので外の音が聞こえる。
音楽を聞いていても、人と会話できる。
それでいてしっかりとステレオで聞く事ができるので、パンされても違和感がない。
ついでに耳穴が蒸れない。
着信時にも本機で問題なく通話ができるし、通話品質も良好。
耳穴を介さず、また受話器を介さず、通話相手の声が直接響くものだから、気分はさながら電脳通信。
攻殻機動隊の世界はすぐそこだ。
装着時の痛みが全然無い
しっかりと頭部を締めてくるものだから、長時間の装着には痛みが伴うのだろうなと覚悟はしていたのだけども、そんなことは微塵もなく。
本機の連続再生時間は6時間以上とあるが、音楽再生をしなければバッテリーは8時間ぐらいは持つ。
そんな8時間をずっと装着して過ごしてみたのだけれども、全く痛くならなかった。
多少装着部分に汗をかいて不快感があるものの、そんぐらい。
締め付けることによる痛みもなく、それでいながら骨伝導で、しかも音質も良い、と。
技術力の高さが光る素晴らしい商品と言わざるを得ない。
AfterShokz OpenMove の微妙なところ
正直不満点は無いけど、あえていうなら、というレベルで紹介。
音漏れが結構する
骨伝導なのに?そう、骨伝導だから、音漏れするんです。
結局のところ、音は振動。揺らす対象が気体か物体かに過ぎない。
本機の音量を上げると、振動部の振動がより大きくなる。
そうすると周りの気体にまで振動が発生するため、音漏れが発生する。
本機を装着していれば音漏れを気にせず音楽を聞ける、ということは無い。
むしろ音量に気を使って使用する必要があるくらいなので、使用環境に注意だ。
かさばる
本機は折りたたみなどができない。
なのでそのままの状態で持ち歩くことになる。
収納時に本機の上に荷重でもかかればポキっといきそう。
付属の巾着袋は上記のとおり薄いものなのでしっかりと保護できるようなものでもない。
持ち運び時には少し注意が必要かもな。
AfterShokz OpenMoveの総評
纏めると、以下の通り。
本機を常に身につけておけば生活改善間違いなし。
音楽を聞き続けるも、ニュースを流し続けるも、自己啓発に利用するもよし。
本機は現代社会における、最強のウェラブルデバイスだと、筆者は感じた。
2021年の買い物で最も満足度の高いものと評価しているし、SONYの渾身作LinkBudsよりも優れていると判断している。
参考記事は以下。