楽しく使用しております、SONY LinkBuds。
開放型イヤホンとしての日常使いに大変に役立っている、
だがしかし、最近はAfterShokz OpenMoveの使用率がまた高くなってきた。
本使用環境において、AfterShokz OpenMoveに変わるガジェットとして導入されたにも関わらず、その役割が既存のものに奪われてしまっている現状だ。
それは、SONY LinkBudsが”帯に短し襷に長し”を体現している事に他ならない。
本記事では、SONY LinkBudsと骨伝導イヤホンとを比較し、なぜそのような事態になっているのかを記していこうと思う。
なお、それぞれの製品におけるレビュー記事は以下を参照いただきたい。
それぞれの製品についておさらい
まず本記事で比較する対象についておさらい。
なお、本記事で扱う骨伝導デバイスは「AfterShokz OpenMove」となるが、基本的な動作仕様においては他骨伝導デバイスと変わりがないと認識しているので参考になりえると判断している。
AfterShokz OpenMove について
2011年にアメリカはニューヨークで創業された会社の製品。
オープンイヤーデザインと呼ばれる耳を塞がなスタイルを確立し、従来のようなオーバーヘッド型ヘッドホンやカナル型イヤホンのように耳を塞ぐことなく安全な状態での音楽体験を可能とした製品ラインナップが特徴。
AfterShokz OpenMoveはエントリークラスのモデルでありながら、上位機種とほぼ変わりのないスペックを有していることで注目度が高い。
耳を塞がない装着は勿論のこと、IP55の防水防塵性能を備えType-Cでの充電も可能であり、実測8時間程度持つバッテリー駆動が可能となっている。
長時間の装着にも全く不快感を伴わない、抜群の製品クオリティには驚きを隠せない。
現在はAfterShokz改め、Shokzと改名している。
公式HPは以下参照。
SONY LinkBuds について
日本人には最早説明不要な日本の総合電機メーカー。
数多くのヘッドフォン・TWSを発表しており、どれも高音質で高品質。
また、優秀なANCを搭載していることが特徴。
どれもこれも評判が良く、総じてロングセラーとなっている。
高磁力ネオジウムマグネット12mmリング型ドライバーユニットを採用、ドーナツのように穴の空いたドライバーユニットがとっても特徴的。
この特殊な形状により、カナル型イヤホンのように耳を塞ぐこと無く、周囲の音を自然に聴きながら音楽や音声コンテンツを重ねて楽しむ新しいリスニングスタイルを提供する。
SONYらしく音質も機能面でも妥協の無い、渾身のイヤホンとなっている。
スペック比較
比較できる値を書き出したスペック表は以下の通り。
AfterShokz OpenMove | LinkBuds | |
---|---|---|
Bluetooth規格 | 5.0 | 5.2 |
SoC | QCC3024 | 不明 |
対応コーデック | SBC、AAC | SBC、AAC |
ドライバー | トランスデューサー頬骨電動ドライバ | 1DD(高磁力ネオジウムマグネット12mmリング型ドライバーユニット) |
最大通信距離 | 10m | 不明 |
防塵防水 | IP55 | IPX4 |
重量 | 29g | イヤホン:4g ケース:41g |
連続再生時間 | 6時間以上 | 最大5.5時間(本体のみ) 最大17.5時間(ケース込み) |
充電端子 | Type-C | Type-C |
その他 | 3種類のEQモード搭載 | 高音質化技術「DSEE」 ボイスピックアップテクノロジー Quick Access アダプティブボリュームコントロール スピーク・トゥ・チャット マルチペアリング 360 Reality Audio対応 |
まぁ、骨伝導デバイスとTWSを比較したところで何の参考にもならないが、念の為。
シチュエーション比較
ここからが本筋となる。
各シチュエーションの使用下においての優位性と弱点について触れていく。
屋内での使用
SONY LinkBudsの魅力が生きる
SONY LinkBudsはリング型ドライバーユニットという奇天烈な形状のドライバが採用されているが、その品質は見かけによらず大変に高い。
音質はTWSのなかでも上位に入るレベルであり、音域のバランスも解像度も申し分がない。
(低域不足はイコライザーで補正しよう)
ただし、外の音が丸聞こえとなる本機は大変に環境音に弱い。
環境音が多い場所で利用した場合、ほとんど本機の音は聞こえない。
聞こえないからと言って本機の音量を上げれば、外の音が聞こえない。
そのため周りが静かな環境で適度な音量で使用する必要が出てくる。
その最低限の条件が整うのが、屋内での使用というわけだ。
勿論、骨伝導イヤホンでも最高のポテンシャルを引き出すことができるのは静寂性の高い屋内使用であることはいうまでもないが、音質面では骨伝導イヤホンとSONY LinkBudsでは比較にならないレベルなので、どうせなら魅力的な音質を有するSONY LinkBudsの使用したいところだ。
屋外での使用
骨伝導イヤホンの圧勝
上記「屋内での使用」で記載したとおり、SONY LinkBudsは大変に環境音に弱い。
車がそばを通過しようものなら、人混みの多い商店街に出ようものなら、途端に外音にかき消され本機の音が聞こえなくなる。
そして音量を上げれば出力音は聞こえるが、外音は潰される形で聞こえなくなる。
SONY LinkBudsのコンセプトをまるきり無視した状態となり、これならば普通のカナル型のTWSでよくね?となる。
つまり、SONY LinkBudsは外音と本機出力音のバランスが大変に取り辛い。
一方で、骨伝導イヤホンは屋内使用とほぼ変わらない使用感で操作ができる。
骨に直で音の振動を響かせるという仕様上、環境音の影響を受けない。
医療現場や工事現場で多く採用されている理由がわかる納得の技術だ。
また骨伝導イヤホンは、イヤホンと銘打ちながらも耳の中に装着するタイプではない。
耳周りの骨部分にドライバを当てることになるため、外音を全く遮断しない。
故に、とても良いバランスで外音も聞きつつ音楽も聞くことが可能となる。
人と会話しながらの使用
ここでも骨伝導イヤホンが優位か
人と話すときぐらいはイヤホンはずせよ、という話ではあるが。
ここでも個人的には骨伝導イヤホンのほうが優位と感じている。
理由としては、上記に記載した内容に似た話ではあるが、結局はSONY LinkBudsは外音と本機出力音のバランスが大変に取り辛いということに尽きる。
骨伝導イヤホンは耳をふさがないため、相手の声が明瞭に認識可能。
また骨に直接音を当てているため、出力音による会話の阻害もほぼ発生しない。
対してSONY LinkBudsの使用時には、会話時にかなり音量を下げる必要がある。
耳に直接はめ込んでいることもあり、ダイレクトに出力音が聞こえてしまい会話が潰れがちになるためだ。
出力音が聞こえるか聞こえないか、という微妙な音量まで下げきってから会話をする必要がある。
何だったら出力音を停止したほうが良いまである。
いくらドライバに穴が空いていようが、結局はTWSということ。
所詮は出力音を低くするか止めるかしかない。ただ取り外す必要が無いってだけ。
この穴は高品質なアンビエントモードに成り下がっていると認識している。
電車内での使用
聞こえる聞こえないのレベル以前に…?
結論から言えば骨伝導イヤホンの勝ち。
理由は上記の通り、SONY LinkBudsは大変に環境音に弱く、周りの会話や電車の駆動音によって全く使い物にならないからだ。
そしてそれ以前にSONY LinkBudsには圧倒的な弱点がある。
それは無線が貧弱であるということ。
人混みに紛れた場合や都心に出た場合、ブチブチと途切れることが頻発する。
また飛距離も弱く、10mほど離れてしまえば途端に影響を受ける。
一方で、同仕様条件下での骨伝導イヤホンは全く影響を受けなかった。
SONY LinkBudsは”帯に短し襷に長し”
結論としては、最初の記載の通り。
SONY LinkBudsはバランスが大変に取りづらく、使いづらい。
故に、自分はまたAfterShokz OpenMoveの利用率が高くなっている。
音質は大変によいのだが、それを活かすためには音量を上げる必要がある。
しかし音量を上げると、環境音が聞こえなくなる。
であれば、もとから環境音をシャットアウトした通常のTWSを利用したほうが良い、となる。
どっちつかずの中途半端な出来と評価せざるを得ない。
屋内で引きこもって利用すること想定しているのならばアリ。
来客に備えるだとか、電話を待つとかの利用時には大変に重宝する。
それ以外の利用であれば、圧倒的に骨伝導デバイスのほうが便利。
音質を多少犠牲にしてでも、シチュエーションを問わない使い方ができるというのは強い。
SONY LinkBudsの購入を検討している人は、本記事を参考に自分の利用シチュエーションを考えてみてほしい。
その上でどちらのデバイスを選んだほうが良いかを判断されてはいかがだろうか。