まず最初に、本記事はメーカー(ASUS社)様より商品を提供頂いた上での記事となる。
提供品だろうがなんだろうが正直に書き記すスタイルは変えるつもりは無いので、偏見無しに一読いただきたい。(テンプレ)
筆者大好きASUS社のレビューその3。
「TUF GAMING AX3000 V2のレビューをお願いします!」って言われてたのに、RT-AX3000 V2が送られてきた。
これもうわかんねえな。
前回、前々回とゲーミングなデバイスのレビュー依頼が来ていたので、恐らくTUF GAMING AX3000 V2の方が正だったんだろうなぁと思わなくもないけど、まぁ細けえこたぁいいんだよ。
来ちゃったからには容赦なく好き放題レビューさせてもらうぞ。
ASUS RT-AX3000 V2 の基本データ
ASUS について
ASUSTeK Computer Inc.は、1989年に創業された台湾の会社だ。
PCおよびPCパーツを中心とし、スマートフォンやその他PC周辺機器を扱うメーカーである。
正式呼称は「エイスース」。
それ以外の読み方をする連中は魔女なので積極的に魔女裁判にかけてほしい。
ASUSの製品はとても安定性が高く、またコストパフォーマンスに優れているのも特徴。
最近ではゲーミングに注力しており、ゲーミングブランドである「ROG(Republic of Gamers)」名称を掲げた製品を排出している。
RT-AX3000 V2 について
RT-AX3000の製品情報としては以下の通り。
スペック値について書き出してみると以下の通り。
RT-AX3000 | |
---|---|
サイズ | 224 × 154 × 160mm |
ワイヤレス規格 | IEEE 802.11ax/ac/n//g/b/a |
周波数 | 2.4GHz+5.0GHz |
最大通信速度(理論値) | 2.4GHz:574Mbps 5.0GHz:2402Mbps |
接続端末数 | 最大64台 |
ワイヤレスセキュリティ | WPA WPA2 WPA3 |
CPU | 1.7 GHz 4-core processor |
インターフェース | RJ45 for Gigabits BaseT for WAN x 1 RJ45 for Gigabits BaseT for LAN x 4 USB 3.2 Gen 1 x 1 |
プロトコル | IPv4 IPv6 |
TUF-AX5400ほどではないものの、頑丈なアンテナを計4本装備し、本体方向以外に柔軟な稼働が可能。
IEEE 802.11ax(Wi-Fi6)、IPv6、OFDMA、TWTと最近の高性能ルーターで搭載されている規格には勿論対応。
TUF-AX5400に比べて本体は小さく軽くなっている。
機能面でもTUF-AX5400のようなガチガチのゲーミングルーター向けではなく、かなり一般向けなものに絞られており扱いやすさがある。
リンクアグリゲーションやゲームブーストなどの機能が省かれており、本体も無駄に発光しない。
そういったゲーミング要素を排除しつつも、基本機能やUIは踏襲されており相変わらず高機能。
後述していくが性能面でも申し分は無く、やはり安定性が極めて高く安心感がある造りだ。
なお、無印とV2の違いであるが、CPUのクロック数と搭載数に違いがある模様。
無印が「3コア 1.5GHz」でV2が「4コア 1.7GHz」という違いがある様子。
RT-AX3000 V2 の外観
まずは外箱から。
ルーターらしい情報過多なデザイン。
ゲーミングは全体的に黄色、一般向けは青を基調としているのだろうか。
箱を開けたとこ。
なんだか余白箇所が多いが、しっかりと梱包されている。
内容物は上記の通り。
本機とACアダプター、そしてLANケーブル。
全て黒で統一されている。
簡易説明書とインストールガイドも入っていた。
見た目から堅気じゃないTUF-AX5400くんに比べたら随分と可愛らしい。
常識的な大きさと、威圧感の無いアンテナ本数とデザインがなんとも安心する。
などと言いつつも、実はインタフェース郡はTUF-AX5400と一緒。
上述の通りWANリンク/LANリンクアグリゲーションには未対応。
本体側面にはUSB端子があり、外付けHDDとかをつければNASとして使用することができる。
前回に続き、個人的に有用性がわからないので今回も未使用。
通電するとこんな感じ。とっても常識的。
持ち運んでて気づいたのだけれど、本機はすごい軽いし熱くならない。
なんでだろうなと裏返したらとんでもにスケスケ。基盤見えてる。
なるほど、これは良い肉抜きだ。
RT-AX3000 V2 の良いところ
グラフィカルで高機能
TUF-AX5400と同様にとてもグラフィカルな設定画面が魅力的。
直感的に操作しやすく、どの設定がどこにあるのかが分かりやすいのがとても良い。
TUF-AX5400のゲーミングなUIに比べると大分大人しいが、それでもちょっと過多な感じ。
まぁASUSのBIOSもこんな感じなので、統一された世界観があるのは個人的に高評価。
細かく設定できるファイアウォールやペアレンタルコントロール、QoSは健在。
家族のアクセスを予め制御でき、帯域コントロールまでも可能。
自分は未使用ではあるが、ホームNASの設定も豊富。
出先から接続ストレージにアクセスも可能となっている。
IPv6の接続タイプも無駄に豊富。
こんなプルダウンにするほど必要か?と思わなくもないが、多機能なのは良いことだ。
安定性が非常に高い
スマホの移動時におけるWi-Fi範囲外から範囲内に入った際の入門や、中継機からのハンドオーバー、時間帯毎における通信速度比等、どれもがとても安定している。
なにか特定の動作時に引っかかるであるとか、この時間帯には速度が出にくい等の不満が無い。
これはTUF-AX5400でもそうではあったけど、この安定性と信頼感は中々に代えがたい。
RT-AX3000 V2 の残念なところ
やはり初心者には難しいかも
上述の通り、TUF-AX5400と同等の多機能ぷり。
ネットワーク知識に乏しい人、ルーター初心者には少し難しいかもしれない。
各設定が何を示し、どのような機能であるかが少々わかりにくい。
簡単なFAQは要所にあるため、ある程度の補足情報は確認できるものではあるが、それも部分的。
やはり本機を扱う上では、最低限の知識が求められているように感じるUIデザインと思わざるをえない。
基本的な設定を行えば、正直他は放置でも問題は無いレベルではある。
だがしかし、そうであればあえてこんな多機能な本機を選ぶ必要性は無いのではあるまいか。
速度が思ったほど出ない
メリットなのかデメリットなのか、本機はTUF-AX5400と同等に安定した速度が出る。
既存環境であるArcher AX73の速度を計測した結果が以下になる。
環境はArcher AX73の記事の通り、Wi-Fi6、IPv6対応環境での測定。
3日間を測定期間とし、その平均値を記す。
9時 | 12時 | 15時 | 18時 | 21時 | 0時 | 3時 | |
RT-AX3000 V2 | D:250Mbps U:98Mbps | D:200Mbps U:102Mbps | D:220Mbps U:99Mbps | D:210Mbps U:89Mbps | D:210Mbps U:88Mbps | D:200Mbps U:88Mbps | D:210Mbps U:97Mbps |
Archer AX73 | D:420Mbps U:76Mbps | D:400Mbps U:75Mbps | D:510Mbps U:82Mbps | D:220Mbps U:78Mbps | D:380Mbps U:69Mbps | D:400Mbps U:89Mbps | D:440Mbps U:78Mbps |
やっぱり下り200Mbps付近を平均的に出力している。
乱高下が無いと言う点では評価ができるかもしれないが、それでもやはり速度は出ていない。
ただし、TUF-AX5400と違い稀に500Mbps以上を計測できているので、この評価もぶっちゃけ怪しい。
上りは平均して90Mbps付近を計測できているのが面白い。
この結果はArcher AX73やTUF-AX5400よりも優秀。
無論、この速度でも4Kストリーミングやハイレゾ再生にはなんら問題は無し。
必要性低減の速度は保持できているので日常使いは問題ないだろう。
RT-AX3000 V2 の総評
纏めると、以下の通り。
ということで、やっぱり初心者向けでは無いかもな、という印象。
まぁそこまでガッツリ弄らないのであれば問題はないかもしれないが、こんなに機能が豊富なのに何もしないというのは、文字通り「宝の持ち腐れ」というものだろう。
それなりに分かりやすいUIを備えている為、本機を足がかりにしてステップアップをしてみるのも良いかもしれない。
なにより、本機の魅力はなんといっても安定性。これに尽きる。
その点ではやはり信頼と実績のASUS。他社と比べて抜群に良いと感じた。
その分他社より値段は高めではあるが、買って損は無い製品だと思う。