コロナウイルスに罹患した。
最早何年前に流行りだしたのかも忘れてしまった流行り病に、今更ながら罹患した。
執筆時点では諸症状は回復しているが、未だに味覚だとか嗅覚が戻っていない。
鼻詰まりや鼻水の症状が無いのに、すっぽりとこの感覚だけが抜け落ちている現状はとても違和感がある。
調べてみる限りでは数週間で回復したという報告もあれば、一年以上経過した今でも治っていないなどという絶望的な報告なども確認できている。
筆者は物事を「まず最悪のパターンで考え、それを前提にして省エネで生きる」という破滅的思考で考えるため、もう戻らないものと認識している。
しかして何故、今更ながら”コロナウイルスのわからせ”が発生したのか。
己の行動と周りの情報を精査する中で、一つのおぞましい真実が見えてきたのである。
今回はそんな誰得なコロナレポートとなる。
コロナくん一日目
コロナウイルスの症状が発症し始めたのは8月15日の午前だ。
ちょうど以下の記事をアップしたタイミングで体調に違和感を感じ始めたと記憶している。
昼飯を食べ終えたあたりから「なんだか脳が痛い」という変な頭痛が発生し始める。
左脳頭頂部がピリッとする感覚が不定期に発生しており、なんだか妙に不安を煽る不快感があった。
これが19時近くまで続き、徐々に「これはマズイ」と思い始めていた。
熱は36.6℃と全くの平熱であったが、上記筆者思考回路よりこの時点で家族に辞世の句を述べている。
そして21時付近に38.8℃まで熱が急上昇。
エアコンを停止し、室温29℃という中でも寒気は止まらずタオルケットを重ねて寝る始末。
汗は滝のように流れるのに寒さは拭えず、そのうえで勿論寝ることはできない。
この地獄のような時間は6時間ほど続いたと思うが、気づいたら朝を迎えていた。
その時に見た夢は正に「高熱の時に見る悪夢」そのものであり、”生きている人間を潰してその素材で小さい人間を作る”という、奇妙な仕事現場で働くものであった。
目を覚ました際、「次はもっとうまく作れるのになぁ」と思っていたあたり、筆者はここの職場適性が高かったのかもしれないというのは余談である。
コロナくん二日目
39℃突破。
しかし心は早朝の山間の湖のように凪いでいる。
この体温を計測する前から39℃を突破できる不思議な自信があった。
いや、それ以外も今の筆者なら何でもできる自信があった。
この万能感と無敵感、最高にキマってて癖になる。
実際はそんなこともなく、関節は全部痛いし頭は痛いし目眩はするし何より寝不足だしでどうしようもない状況。
生まれたての子鹿、なんて表現があるが、このときの筆者がそうだったという話ではなく、その生まれたての子鹿に足蹴にされただけで死んでしまうレベルで弱っていたと思う。
なのに意味なく溢れる無敵感。俺より強い奴(カブトムシとか)に会いに行くまである。
その溢れる勇気を持って、ようやっと病院に向かう。時刻にして14時過ぎ。
遅すぎると言われてもしょうがないモノではあるが、体が動かなかったのだからどうしようもない。
そして突きつけられる陽性判定。
筆者は医療機関からの判定を貰う前からその結果を知っていた。
何故なら無敵だから。
そしてその判定を貰った瞬間に職場関係者に暫く復帰できないであろうメッセージを送り始める。
それでも内心は微塵も申し訳ないとは思っていない。
こんなことで俺の心を挫けさせようなんてそうはいかないぜ、とまで思っていた節がある。
何故なら無敵だから。
そしてあろうことか、この無敵状態で二日目を終える。
本当に怖いものとか何もなかったし、意味不明な万能感に満たされていた。
そしてこの日に見た夢は「メスガキとは何か?」という答えのない思考実験に関与する悪夢であった。
コロナくん一日目よりも魘されていたと思う。
コロナくん三日目
咳が出始める。
とにかく咳が出る。
やっばい咳が出る。
息ができないし、涙が止まらない。
“えずいて”戻しそうになるレベル。
その上熱は38℃以上をキープしていやがるので諸々の症状は出続けている。
昨日までの万能感はどこへやら、スミマセン許してください僕は弱者男性です。
コロナ罹患三日目が一番キツイまである。
X(Twitter)でなんかする余裕もなければ、ネタになるようなことすらできていない、ただただ苦痛。
今思い返しても何も浮かんでこないので書くことかがない。
ただ苦しんでいた気がする。
しかしてそんな過酷な症状は突然霧散していく。
15時過ぎあたりに突然咳が収まり、熱もなくなり、伴って各症状も消えていった。
本当に突然消えたためかなり困惑した記憶がある。
コロナくんとの出会い
そんな激動な体験を経験させてくれたコロナくんとはどこで出会ったのか。
筆者は完全テレワークであり、常日頃からコロナになるような環境に身を置いているわけではない。
直近でそのような環境に行ったのは…と考えてみると。
8月13日。
大学時代の友人がスマートフォンを買いたいので相談に乗ってほしいとのことで会合依頼を受ける。
その現場は秋葉原であり、当然のことながら現地のオタク御用達スポットは一通り歩き回ることになった。
昼・夜の食事も秋葉原で済ませており、大体6時間程度は滞在していたと思う。
そしてこの日は夏コミの開催日でもある。
さて、この日の情報を調べてみよう。
どうやらコミケ参加組にコロナ罹患率が高いらしい。
そらぁあんだけの人がいる空間なのだ、感染率は相乗的に高くなるだろう。
そしてこの情報を見て思う。
…これ巻き添え食らったのでは?と。
筆者もキモオタの端くれである。
故に、キモオタの行動パターンは手に取るようにわかる。
午前参加組は大体、早朝コミケに参戦、待機(大人数)、入場(大人数)、徘徊(大人数)、撤収(13時付近)という行動パターンになるのだ。
その後、大井町に戻った連中は戦利品の確認や観光の目的で秋葉原に大挙して向かうのである。
事実、いつもの秋葉原に比べて人が多かった上、戦利品であろう「あまりにも表現し難い紙袋」を肩から下げた連中を多く見かけていた。
そして導き出される答えは一つ。
- 有明でコミケが開催される
- コミケにコロナキモオタが集まる
- コミケ戦利品を確認・観光するべく秋葉原にコロナキモオタが集う
- 時同じくして、またしても何も知らない筆者が秋葉原に上陸
- ジョグレス
つまり、筆者はキモオタ蠱毒で熟成焙煎されたキモオタコロナに罹患してしまったということになる。
同行した友人、というか筆者を秋葉原に誘引した元凶の友人はコロナになっていない事からも分かる通り、筆者のようなキモオタにしかかからないキモオタ特攻のキモオタコロナであることがわかる。
数多くのキモオタを介して仕上がった精鋭キモオタコロナが筆者に取り憑いたのかと思うと、なんだかもう勝ち目が無い。
かかるべくしてかかってしまった、というところなのであろう。
これが筆者に降り掛かった”おぞましい真実”なのだ。
コロナくんに染められちゃった…。
風邪やインフルエンザは、じわりじわりと症状が出始め、じわりじわりと症状が収まっていく、グラデーションのある病であると認識している。
一方でこのコロナウイルスは、ドカンと発症しスッと消えるバグみたいな病、という認識を得た。
なかなか面白い体験ができたぜ。とエンタメにすら思えている節がある。
その代償として、冒頭に述べたように味覚と嗅覚をごっそり持ってかれたのはかなりキツイものがある。
何を食べても飲んでも何も感じない、というのは本当にQOLが瀑下がり。
何もする気が起きないし、やる気も削がれるというもの。
まぁここらへんの折り合いをつけるのは得意なのでどうにかできるとは思うけど、巻き込まれる家族の影響はでかいかも。家族のご飯は自分が作っているので。
とにかくこれからが本当の「アフターコロナ」ということで色々覚悟していかなくてはならない。
予防することはほぼ不可能ではあろうけども、皆々様もお気をつけて。