
前々から手を出そうとは思ってはいたものの、なんだか決め手に欠けていた本製品。
なんだか縁あって入手できたのでレビューしていきたいと思う。
ということで今回はCVJ YUKIMIについてレビューしていく。
CVJ YUKIMI の基本データ
CVJ について

CVJとは、恐らく中国のどこかにあるオーディオブランドだ。
2020年に設立された新進気鋭のブランドであり、イヤホンやその他オプションを複数展開している現状。
品質と顧客満足へのこだわりが強みとのことで、SNSやPR品などの広報活動が積極的に行われている様子。
そして何より、どのイヤホンにも美少女が鎮座しているクセの強さが魅力的だ。
弊ブログにもってこいの逸材である。
一方で、筆者の認識としては注目度が高いのか低いのか、知名度があるのか無いのかよくわからないブランドという印象。
“痛イヤホン”で一部界隈を定期的にザワツかせたり、CVJ Demon/Ariaで割と大きな炎上をしたりもするも、どちらも大体3日程度で収まっており、なんかこう規模感が不透明なところがある。
後者に至っては“イラストのパクリ”という割とセンシティブな炎上であったにも関わらず、挫けずに「なんかどこかで見たことのある美少女」を精力的に採用して展開し続けている。
そんな現時点でのファミリーは以下参照。
お前さぁ!真ん中のヤツさぁ!!ちょっとはサァ!!!
手加減ってのを知らねえのかお前はさぁ!!!!
CVJ YUKIMI について

CVJ YUKIMI は2024年9月頃に発売されたイヤホンである。
ドライバ構成はシンプルに1DD仕様。
雪見の名前に相応しい真っ白な筐体が特徴的な本機は、付属ケーブルまで真っ白というこだわりっぷり。汚れや傷が目立ちそう。
本機に採用されたダイヤモンド炭化層振動板は、その特徴的な硬度と剛性により、性格且つ純粋なオーディオ伝送を実現しているとのこと。
また、CCAW音圏の軽量化設計により応答を向上させることが可能となっており、よりクリアでリアルな音質向上が期待できるという。
また、標準ケーブルは3.5mm と 4.4mm の着脱式 5ピンプラグを採用し、ある程度の接続先に柔軟に対応できるようになっている。
本機は人間工学を意識した形状となっており複雑な凹凸が確認できるデザインとなっている。
しかもノズルまでの筐体に継ぎ目が一切確認出来ないため、中空アルミ一枚を加工して整形している可能性がある。
その上でドライバやら基盤やら配線やらを行っている様子なので、量産に際し中々に面倒な形状をしているように思える。
CVJ YUKIMI の外観


まずは外箱。中々デカめ。
MOONDROP StarLight と同じぐらい。

これが「YUKIMI」ちゃんですか。
他のCVJ製品に比べて控えめな美少女絵になっている。
音楽を聴きながら笑顔でエターナルフォースブリザード(相手は死ぬ)を繰り出しているので、中々に好戦的な性格とお見受けする。
雪女…にしては現代的すぎるし、なんなんやろね。

内箱はこんな感じ。
なんと観音開き。

扉を開けると内蓋が登場。

その内蓋を放り投げるとようやくイヤホン達が登場。

え、ケースかっこよ。

イヤホンは…まぁ真っ白。
一見では硬さすら把握できない無光沢さがあり、少々不気味。


ケースは円柱の蓋式。
中にケーブルとプラグが入っている。


ケーブルも勿論真っ白。
プラグ部もシルバーで統一されており、イヤホンのイメージに沿っている。
でも汚れが目立ちそう。

イヤピも何故か豊富に用意されている。
こちらも勿論真っ白。写真に撮りにくいったらありゃしねえ。




では肝心のイヤホンに注目。
ただの真っ白というわけではなく、各LRにワンポイントに青赤の配色がされている。
筐体クオリティはとても高く、質感も手触りも大変に良い。
装着感も良く、装飾も丁寧でムラがない。
しかしながらフェイスプレートの「のっぺり感」はやはり不気味さがあり、遠くから見ると発泡スチロールなのかマシュマロなのか、はたまた卵なのかという、得体のしれない光の反射の仕方をする。
実際はアルミ感マシマシのそれなのだけれども、中々に不思議。

体重測定。7.6gを計測。
まぁまぁ… スタンダード。
CVJ YUKIMI の良いところ
統一されたコンセプトの品々

本製品は全てのアイテムが青、白、銀を基調に作成されている。
イヤホンもケーブルもイヤピも真っ白、随所に装飾された銀がその眩しさを際立てている。
外箱やケースにあしらわれている雪の結晶も、世界観に彩りを与えつつ視界に対する不足感を補うアクセントとなっており、全体的にグッドなデザインだと感じた。
表現したいコンセプトが如実に再現できている中々な力作である、と感じる一方で、まぁとにかく汚れたらヤバそうという懸念も常に付きまとう難しさが本機にはある。
そんな”二律背反”感もまた、本機の魅力なのかもしれない。
過不足ない音質

音質を「本機の良いことの2番目」に持ってくる事から察していただける通りではある。
本機の音質はまぁ価格相応の過不足の無い無難な音質。
雪見な名前に相応しい寒色系の音色であり、女性ボーカルの響きの再現が得意な印象。
全体的に硬めでシャキシャキした再現力があり、スピード感や透明感を感じることができる。
解像度は高いとは言えないが、奥行きや臨場感は価格相応なレベル感があり不足は感じない。
全体的にバランスが良く、音源を問わず使用しやすい印象がある。
しかしながら、使用DACによっては生来のシャキ感が強まり耳に煩い音色になってしまったり、はたまたそんな性質をガン無視したブリブリ感が増したマッシブな音色になってしまいやすい傾向がある。
FIIOとかiBassoとかまぁキツイ。
要は出力DACの影響を受けやすいということだな。
曰く、雪女は取り殺す相手の好みに合わせた美女の姿で現れるという。
なるほどこのイヤホンも使用DACに合わせて傾向をコロコロ変える軽薄さ柔軟さがあるということだな。
そこまで意識していたとなると、CVJ中々に恐れ多いじゃないか。
まぁ絶対そんなこと無いと思うが。
CVJ YUKIMI の残念なところ
上記「良いところ」の記載の通り
いやもう書いた通り。
汚れたらめっちゃ目立ちそう。
あとDACの影響を必要以上に受ける。
価格相応のポテンシャルを持っているのは確かなのだけど、こうも再生環境によって音色を変えられるとツマランというかなんというか。
筆者、対象を問わず自己が薄いヤツ嫌いなんだよね…。
CVJ YUKIMI の総評

他人に染まりやすいところがあるが、コンセプトがしっかりしたイヤホン。
まぁ価格相応なイヤホンということでひとつ。
筆者的にちょっと面白くないなぁと感じたのでこんな結論となってしまっているが、ハマる人にはハマりそうな柔軟性の高いイヤホンであると認識している。
オプション品含め品質は大変によろしいので、試せる機会があるなら是非狙って欲しいイヤホンだ。