窒化ガリウム(GaN)充電器が世に現れてから、早くも3年程度が経過した。
発売当初はデカくて重く、高価な代物だった。
だがしかし、今や小型化し値段も下がってきた様子。
そろそろPD対応の充電器に手を出しても良いかもしれない。
ということで3月のAmazonタイムセールで購入してみたのが、本記事でレビューするAiseaの充電器だ。
この商品は正式名称が無いため、なんと表記すれば良いのか大変困るところ。
更には公式ホームページも無いので詳細すらわからない。
何を隠そう、何も考えず調べず脳死でAmazon売れ筋ランキング上位のモノを購入してみる試み、その2である。
こんな怪しさMAXの製品について、以下に記していこうと思う。
ちなみにその1は以下参照。
Aisea の基本データ
Aisea とは
何もわからん。
会社概要もホームページも見つからなければ、会社ロゴも見つからない。
勿論SNSもやって無ければ広報のサービスすら見当たらない。
充電器以外の製品としてはTWSが数点確認ができた程度。商品数も大変少ない。
本記事で紹介する充電器自体もAmazon内で類似した製品を多く見受けられるため、何かのOEM製品を使用している可能性が高く、製品そのものを計画・製造しているようには思えない。
調べる中でとある中国の実業家が保有する家電ブランドである、という情報を確認してはいるが、ソースがある情報でも無いため真偽は不明。
兎にも角にも怪しさMAXの中華ブランドという認識で問題ない。
うーん盛り上がってきたぞ。
Aisea PD 充電器 について
PD対応の3ポート充電器だ。
Type-Cポートを2つ、USB-Aポートを1つ搭載しており、MAX65Wの出力を可能としている。
昨今のPD対応充電器の基本を備えた製品であり、他に特筆することはない。
いや、一つだけあるか。
それは圧倒的な価格。なんとこれ、2600円から購入が可能なのだ。
PD対応機ではない24W出力の充電器でさえ2000円程度するものがある中で、この破格っぷりは中々の注目ポイント。
現に筆者はこの価格に踊らされて本製品を購入している。
さらに言えば、冒頭で「Amazon売れ筋ランキング上位のモノ」と表記したが、厳密には誤りであり、本機はAmazon売れ筋ランキングを表示した際にAmazonがスポンサー枠で上位表示してくるワケのわからない怪しい製品である。
つまり、素性もわからなければ売れ筋でも無い、ただ安い充電器なのである。
なぜこんな「あたおか」な製品を筆者は購入したのだろうか。
本当に「あたおか」なのは自分だけだったのではないか。
今となっては最早どうでもいい。
とか言いつつ、実は本機はちゃんと使える”当たり”製品だったりする。
理由は後述。
Aisea PD 充電器 の外観
まずは外箱。
AISEAのロゴらしき”S”の刻印が確認できる。
内容物は本体と説明書のみ。
本機の識別方式は上記の通りであり、上段Type-Cポートのみを使用した場合のみ65W出力になる。
まぁ大抵のPD充電器はそうなので別に特筆するものでも無いが。
本体は上記の通り。
つや消しプラスチックの素材であり、手触りは良好。
筐体の作りも決して安っぽくは無い。
プラグは格納式でありがたい。
重さは107gをマーク。
3ポートPD対応充電器にしては軽いほうだと思う。
今まで使用してきた充電器との比較
筆者は今まで、4年ぐらい前に1000円程度で購入したRavPowerの充電器を使用していた。
色々とアレなRavPowerである。
そんな中華製品な事情で懲りたはずなのに、なんでまた怪しい充電器を購入したのか。
比較としては上記の通り、大きさ、重さがほぼ変わらない。
RavPower充電器は24W出力、本機ではほぼ3倍近い出力となっているにも関わらず、だ。
いやぁすごい時代になったもんだ。
Aisea PD 充電器 の良いところ
ちゃんと早い
PD対応機で充電した場合、しっかりと「高速充電」の表記が行われ、2倍以上の速度で充電された。
電圧チェッカーなどは所持していないため、各ポートからどの程度のW数が出力されているかといった確認はできていないが、概ね説明書どおりの充電速度が出せていると認識している。
なお、Amazonの本機のレビュー欄にて、本機に対し電圧チェッカーで調査している物好きがいるため、気になる人は見てみても良いかもしれない。
全然熱くならない・ノイズも発生しない
RavPower充電器は30分程度フル充電で使用すると、かなりあっちっちになっていた。
しかし本機はほんのり温かくなる程度で全然熱くならない。
また、安い充電器あるあるなコイル鳴きなどの異音も全く発生しない。
熱も異音も出さず粛々と仕事をしてくれる。やるじゃん君。
ちな、ケーブルはDIGIFORCEのPD対応ケーブルを使用している。
100Wの出力にも対応し、3重編込の高耐久ナイロン素材で超丈夫ととってもオススメ。
Aisea PD 充電器 の残念なところ
識別切り替えに若干時間がかかる
たかが数秒の話ではあるけども。
本機は上記外観説明の通り、各ポートの仕様状況によって出力W数を切り替えていく仕組みが採用されている。
そのため、各ポートを使用している最中にどれかに接続、或いはどれかを抜栓した際に、出力方式の切り替えが内部で行われるために充電が一旦停止してしまう。
2秒程度すれば利用状況に応じたW数で出力が再開されるので、なんら問題は無い。
が、気になる人は気になるかもね、という話。
Aisea PD 充電器 の総評
予想に反して完成度は高い。
必要最低限の使用感を確保しており品質も良い。
何より安い。これとっても重要。
PD対応充電器デビューには申し分ない製品と判断している。
ただし、こういう製品は個体差があるので自己責任で、というのを補足しておく。
当たり個体を入手できれば、とても役に立つ相棒になり得るだろう。