一時期巷で話題になってたツヨツヨイヤホン。
実は筆者も8月に入手してたんだよね。
今11月。遅筆過ぎてウケる。
ということで今回はDUNU x Gizaudio DaVinciのレビューをしていきます。
DUNU x Gizaudio DaVinci の基本データ
DUNU について
DUNUとは、中国のどこかにあるオーディオブランドだ。
2006年に創業された企業ではあるが、それに至るまでの数年間はオーディオメーカーのODM/OEM生産を請け負っていたとのことでもっと歴史は長い様子。
それらノウハウを生かした製品作りを行っている模様。
他詳細はDUNU Kimaの記事を確認されたし。
DUNU x Gizaudio DaVinci について
DUNU x Gizaudio DaVinciは2024年6月頃発売されたイヤホンだ。
8mmと10 mmの2つのDDと、中域x2・高域・超高域を担当するBAがそれぞれ搭載されており、計4BA+2DDの構成となるハイブリットイヤホンとなる。
搭載されているDDは独自の独立したチャンバー設計が採用されており、歪みの少ない強力で豊かな音色を生み出すことができるとのこと。
中高音域を担当する5種類のBAを配置することにより繊細且つダイナミックな出力を可能。
計6基のドライバーユニットは5本の音導管で出力される5Wayのクロスオーバー機構により、より優れた音響構造が実現されているという。
そして本機の注目すべき箇所は何と言ってもフェイスプレート(以下FP)。
木目がそのままにあしらわれたFPは、見た目そのままに本物の木製だ。
故に唯一無二。
“同じ柄のイヤホンは存在しない”というプレミアム感を演出している。
とは言っても、2024年中期になってからこの手のデザインが増えた気がするので、本機の持ち味と言うものではなく”昨今のトレンド”と捉えたほうが正しいのだろう。
しかしても、「この柄は俺しか持っていない」感はやっぱりちょっと嬉しい。
ちなみに「Gizaudio」とはどこかのオーディオメディアっぽい。
本機はそことのコラボみたい。詳しくは知らない。
DUNU x Gizaudio DaVinci の外観
まずは外箱。
なんかこう、ダヴィンチって感じ。
名前の由来となっているであろうレオナルド・ダ・ヴィンチは歯車大好きおじさんで有名。
たくさんの歯車を使用した謎設計図をしたためていたのはよく聞く話だ。
もっとも現代科学では「こんなん無理だろ(笑)」と言われるのが大半らしいが。
もしかしたらこの絵も本人のソレなのかもしれない。
そんな外箱を履いだ姿がこれ。
途端に色気がなくなるが、DUNUのお家芸なのか?
蓋を開けると木が出てきた。
この木なんの木 気になる木。
名前は知っている。
内容物を引っ張り出すとこの通り。
多分プラグの交換方法の記載。
ってことはプラグ換装式なんでしょう。
ソレすらも知らないで買ったぜ。
ケース。
付属ケースにありがちな円柱だとか幅狭な形状ではなく、横に広く高さが抑えられた実用的な形状。
コレだけで好印象ですわ。
ケースの中身。
ケーブルはこのように。
やっぱり換装式。標準で4.4mmが付いてた。
ケーブルそのものも大変に品質がよろしく、付属品のクセに質感も音質も問題がまるでない。
多分4芯の銅メッキ線。
なんと6.3mm変換プラグまで付属している様子。
他イヤーピースが3種類とクリーニングブラシが付属。
クロスは無かったが、ほぼDUNU Kimaと同じ装備。
相変わらず至れり尽くせりでビビる。
では本体を見てみよう。
うーんデカい。というか太い。
ついでにノズルまで太い。
そしてFPがやはり面白く魅力的。
左右非対称となっているのも木目ならではといったところか。
重さは5.9gを計測。以外にも軽い。
DUNU x Gizaudio DaVinci の良いところ
こってり濃厚な優れた音色
本機の特徴はなんといっても低音。
深く沈むような独特な奥行きがあり、それでいてアコースティック楽器のような柔らかい振動が気持ちよく響く。
本機にはBass用8mmとSub-Bass用10mmの2基のダイナミックドライバーが搭載されていることから、スペック上から低音に対するアプローチにこだわりがあるように見受けられた。
それは音作りにもしっかりと反映されているようで、本機は低音の再現性が大変に優れているという印象だ。
では低音ブリブリイヤホンなのか?というとそうではなく、中高音域はしっかりと独立してハッキリと聴こえてくる。
そのため安っぽいブリブリイヤホンのような不快感や不安定感は一切感じない。
特徴的な低音を持つ本機ではあるが、ボーカルや他の楽器に被さる事が無い絶妙なバランスで配置されており籠もっているような印象は無い。
中高音の臨場感や奥行きは申し分が無くサスティンも心地よい。
空間域も広く設けられているようで、回り込む音の再現等は中々にダイナミックだ。
ローテンポで低音が響く、且つ男性・女性のツインボーカル曲などと大変に相性が良い。
このように、本機はこってり濃厚で温かみのある音色が特徴的。
引き締まったベースと深く響くバスは大変に心地よく満足度が高い逸品だ。
DUNU x Gizaudio DaVinci の残念なところ
いろいろとキツキツ
本機のノズルはとても太い。
ノズルの太さ自体は、同じく太めのKZ ZAXと同じレベルではあるが、本機ではノズルの返しが突出しているために更に一回り太くなっている。
この特徴的な造形に起因してイヤーピースの脱着がかなり困難。
結構な力技で強引に装着するような形になるため、イヤピを破壊しそうで少々不安になる。
しかも装着したイヤピはキッツキツに装着されてるため、長時間つけっぱなしにするとゴムが伸び切って他のイヤホンに使用できなくなる。
もっとも脱着自体が困難なので、もう本機専用のイヤピを用意して装着したままの運用のほうが良いかも…。
そしてキツキツなのはノズルだけはない。
2pinの装着コネクタ部分もキツキツなのだ。
上記画像より見て分かる通り、本機は2pinは2pinでも”CIEM 2pin”仕様であり凸凹が設けられている。
この本体側の凹がかなり狭めに作られているため、結構な力で押し込むことになる。
そうなると勿論取りづらい。
パワーで引っ張って取ることになるが、ケーブルを破壊しそうで少々不安になる。
Twitter上でもこのキツキツ設計は色々物議を醸している様子。
中にはケーブルを外す際にイヤホンの中身が引き釣り出てきたという衝撃の報告も確認している。
イヤピもケーブルも本機と一蓮托生というセットで揃えたほうがいいかも…。
DUNU x Gizaudio DaVinci の総評
こってり濃厚で優れた低音再現性が大変に魅力的。
一方で設計の問題か、色々とキツキツで不安。
イヤホン自体のデザインも音色もオプション品もとんでもない優秀さを誇る一方で、少しケチが付いてしまったのがとても惜しいなぁと思わざるを得ない。
利用面では少し問題はあるかもだが、巷の評判通り優れたイヤホンではあるのでオススメできる。
購入の際には本機専用のケーブルやイヤピの用意もお忘れなく。