【TANCHJIM LUNA レビュー】とにかく扱いづらいが、音・デザイン共に満足度が高い。好き。

4.5
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発表当時から絶対手に入れたると心に決めていた本機。
発売その日にHiFiGOで購入したのに、届くのに一ヶ月も掛かった。
怒ったかんな許さないかんな尾刃カンナ。

そこから一ヶ月、じっくり吟味してみたうえでのこの記事となる。
ということで、満を持してTANCHJIM LUNAをレビューしようと思う。

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TANCHJIM LUNA の基本データ

TANCHJIM について

TANCHJIMは中国(おそらく深セン)を拠点とした、2015年~17年頃に設立されたオーディオブランドだ。
兎にも角にもブランドキャラの浅野てんきちゃんが可愛い。
詳細はTANCHJIM OLAの記事を参照して欲しい。

TANCHJIM LUNA について

TANCHJIM LUNAは、2024年9月に発売されたポータブル USBDACである。

USB Type-C接続の3.5mmステレオ、4.4mmバランス出力に対応したUSBDACであり、USB給電(バスパワー)に対応したポータブルモデルとなっている。
2つの「CS43198」チップを搭載しており、0.000139%の超低歪み、約132dBの高いSNRおよびDNR性能を持ち、32bit/768kHz PCMおよびDSD256をサポートしているとのこと。
同社のUSB DACと同様、筐体には航空機グレードのアルミニウム製CNCハウジングが採用されており、シンプル且つスタイリッシュなデザインも相まって高級感の演出に成功している。

特に今回扱う”限定版(Silver Sword)”は前面背面に美麗な装飾が施されておりとても見目麗しくなっている。
背面装飾に至ってはガッツリと浅野てんき尊師が描かれており、神心が潤うというもの。
ああ、私は神と共にいるのですね。

ちなみに巷の噂によると通常版と限定版で音もちょっと違うらしい。
比べてみたくはあるが、優先順位は低い事項ではある。

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TANCHJIM SPACE の外観

まずはいつもの通り外箱から。
表紙を彩るのは勿論てんき様。

なんと勇ましくもお美しいお姿でしょうか。
我ら臣民一同、お慕い申し上げております。
それはそうと見抜きイイっすか?…あザス。

てんき様を取り払うと内箱。
内箱もなんか後光が凄いな。

内箱をとると、またSっ気の強いてんき様が出てくる。
ビックリしてちょっと出ちゃった。

なんと勇ましくもお美しいお姿でしょうか。
我ら臣民一同、お慕い申し上げております。
それはそうと首絞めてもらってイイっすか?…あザス。

Sてんき様を取り払うとようやく本体登場。
す…すごいプレッシャーだッ…!
箱の印刷は勿論の事、本体に対するレーザー彫刻がまた凄まじい。
デザイン形式はロココ調で統一されており華やかさにひと味といったところ。

内容物は上記の通り。
OTGケーブルと変換プラグというTANCHJIM SPACEと同じ構成。
品質も多分同様のものが採用されている。
他は説明書とステッカーかな?

本体はこんな感じ。
バリが無くすらりと手触りの良い筐体はとても心地が良く、無駄にすべすべとしたくなる魅力がある。
必要部品は縦長に組み込まれているようで、側面のプラグ部分は必要最低限の幅に抑えられているような印象を受ける。
とてもスリムでコンパクトな印象だ。
本体側面にはボリュームキーを装備。
3.5mmステレオ出力と4.4mmバランス出力端子は同一方向に装備。

そしてやはり目を引くのは、前面背面に彩られたレーザー彫刻だ。
ゴシックというよりはやはりロココな系譜をモチーフとしたフレームデザインに彩られた製品ロゴと尊師の装飾は大変に美しい。
なんだよこれ~芸術じゃん。

ステッカーはこの通り。
オイオイ聖遺物がすぎるだろ。信者には刺激が強すぎる。
御本尊を受け入れて一緒に聖教活動しよ?

体重測定結果はケーブル無しで17.2gを計測。
TANCHJIM SPACEとあまり変わらない印象。

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TANCHJIM LUNA の良いところ

音質・デザイン共に満足度が高い

まずはやはりのこのデザイン性の高さ。
限定版は当然の事として、ノーマル版ですら十分な機能美を感じるナイスなデザインを有している。
筐体を構成する航空機グレードアルミニウム素材は質感も見栄えも良く、何故か同素材が採用されているTANCHJIM SPACEよりも艶めかしく輝くものであり、とても”素材感”を感じる優れた筐体美を感じる事ができる。

そしてその筐体美に負けずとも劣らずの音質の良さを有しているのもまた頼もしい。
基本的にはTANCHJIMの音(TANCHJIM SPACEの音)の系譜を感じるものであり、ニュートラルでありながらな随所に力強さを感じる聞きやすい音色を奏でてくれる。
楽曲やイヤホンによって不快感を感じてしまう、高級機iBasso Audio DC-Eliteのような扱いづらさもなく、別にあえて採用するまでもなくね?という中途半端なパワー感を感じるようなMOONDROP Dawn Proのような虚無感を感じることは無い。
“どんなイヤホンもどんな曲も明るく高解像度のTANCHJIMライクな音色で鳴らしてくれる”という、扱いやすく癖の無い理想的なUSBDAPだ。

音質の好き嫌いは勿論個人によりけりなものではあるが、このように環境に左右されず小手先のソレを介さず、全力で”自分の音”で勝負を仕掛けてくる潔さは大変に好印象。
ソレがハマった人には、冗談抜きに唯一無二の相棒になり得るだろうし、そのポテンシャルも有していると思う。
とても魅力に溢れた商品だ。

アプリのUIデザインも良い

本機のアプリUIも極めて良好。
限定版(Silver Sword)に準じたUIに変化し、騎士風てんきちゃんを拝むことができる。
表示例は以下の通り。

少々日本語化への対応が甘いところではあるが、漢字を使う民族故の”なんとなくわかる”というアドが発揮されるので日本人的に不自由はしない。
なおフィルタ設定の変更による影響はかなり微小という印象。
まぁソレだっていいじゃないか。てんきちゃんが微笑んでくれてるし。

オマケの謎さ

本機の発送に際し、HiFiGOからは事前に「限定版のアクリルスタンドは在庫切れ」と提示されていた。
上述したように発送遅延が発生していたこともあり、「じゃあなんか代わりにくれよ」と冗談交じりに伝えてみたところ、「浅野てんきちゃんのポストカード2枚とキーホルダーをオマケするね」としてくれた。
HiFiGOは神。ハッキリ分かんだね。
で、提供されたブツは上記の通り。

ポストカード2枚って同じ奴かよ!?
しかもコレTANCHJIM ORIGINのじゃねーか!

持ってないし今後TANCHJIM ORIGINのレビューし辛くなっちまったじゃねーか!!!

いや、向こうは「浅野てんきちゃんのポストカード2枚」と言っている。
間違いではない。TANCHJIM LUNAのてんきカードを送るとは一言も言っていない。
そうだ、決して偽りなどではないのだ。
大丈夫、落ち着いていこう。

…では気を取り直してキーホルダーを見てみようか。

なにこれ。

本当になにこれ。

どう扱えばいいの?説明書とかもないの?
なんかベタベタするし肝心のてんきちゃんはモヤがかってハッキリ見えないし。
おそらくガチャ部分のレバーであろう部分は剥がれててマトモに機能しないし。
なんだこのゴミ。

…くぅ~↑最高かよ!!
意味不明過ぎてテンション上がるぜ!!!!
HiFiGO最強!!!

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TANCHJIM LUNA の残念なところ

扱い辛すぎる

筐体があまりにも脆弱。
本機表裏の鏡面部分がかなり柔らかく傷つきやすい。

しかも専用ケース等の提供は無し。

TANCHJIM 4Uと同じモチーフなのであろうが、美麗さを有する反面で筐体の堅牢さがかなり失われている模様。

鏡面部は言わずもがなであるし、アルミニウム製CNCハウジング筐体も少しの衝撃で凹みそうな軟さを感じるものである。
本機に対するTPUケース、シリコンケースなどの公式提供もなく、サードパーティ製も現状無し。
有志が保護ケースを個人制作しているような状況であり入手は困難。
持ち運び易さという面ではかなりの難易度があるように思える。

筐体を気にせずガンガン使用するのであれば、そもそもに限定版(Silver Sword)を選択する必要自体が無い。
であれば限定版(Silver Sword)を購入する層に向けた救済策を用意すべきかと思うが…。
まさかポータブル USBDACなのに室内限定使用を想定しているって事?いやいや。

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TANCHJIM LUNA の総評

音・デザイン共に満足度が高く好印象。
一方でポータブルUSB DACとしてはかなり扱い辛い

音そのものは良いのだが、本機の傷つきやさをどこまで運用面でカバーできるかがポイントとなる。
なんだか本来の趣向と異なる面で気を使う製品だなぁという印象。

脆弱筐体の扱いにおいては、イヤホンの場合は耳に入れる以外はケースに入れるで対処可能だが、スマホに直付けして運用するUSB DACにおいては、ズボンやカバン、服のボタン等にも干渉する可能性を考慮しなければならず、正直運用面で”気が気ではない”という状況にならざるを得ない。
もう少し気兼ねなく使用できる状況を用意してほしいところだ。
…つまり専用ケース発売しろってこった。

浅野てんき信者においては大変に満足できる製品。
なんたって描き下ろしのてんき尊師が複数確認できるうえ、ステッカーまで付いているのだ。
TANCHJIMらしさも感じる音色に加えて、このファンサは大変に素晴らしい。
これは是非ともコレクションして欲しい、いや買うべき逸品だ。

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