【TANCHJIM 4U レビュー】やたらバラ撒かれているイヤホン。しかして、その実力は素晴らしい。

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おなじみTANCHJIM製品のレビューです。
弊ブログ7台目となるTANCHJIM製品であるが、今回の製品はどうやら宣伝の力の入れようがこれまでと段違い。
至る所でPR品として目に入るものでうえ、企業臭いやたら評価の高いレビューが散見されるものであり、ぶっちゃけ地雷臭が桁違いな本製品であるが、その実力は果たして。

ということで今回は TANCHJIM 4U のレビューしていこうと思う。
勿論、本ブログでは自費での購入品となる。

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TANCHJIM 4U の基本データ

TANCHJIM について

TANCHJIMは中国(おそらく深セン)を拠点とした、2015年~17年頃に設立されたオーディオブランドだ。
兎にも角にもブランドキャラの浅野てんきちゃんが可愛い。
詳細は以下記事を参照して欲しい。

TANCHJIM 4U について

TANCHJIM 4Uは、2024年5月に発売された1DDイヤホンである。
 DMT4(デュアル チャンバー DDユニット)を搭載したモデルであり、従来モデルよりクリアで鮮明なサウンド再生が可能、卓越した出力を実現できるとのこと。

上記画像より分かる通り、TANCHJIM 4Uには4段階に調整可能なロータリースイッチが備わっている。
このロータリースイッチは回路フィルターとなっており、好みに応じて低音レスポンスをカスタマイズできる機構となっている。
MONITORING/NATURAL/POP/ATMOSPHERE の4種の設定が可能。
文字通り低音の出力傾向のみを変更するものとなっているため、劇的なサウンド変更は期待できるものでは無いが、昨今よく見る”スイッチ式”に比べるとデジタルな過剰修正が少なく、よりアナログな変換方法となるので違和感は少なそう。

また本機は冒頭でも述べた通り、異常なまでにPR品として数多のインフルエンサーに配布されている。
これまでのTANCHJIM製品はTANCHJIM KARAの記事でも述べたように、日本国内においては少々控えめな宣伝というか、ネット広告に全然力を入れていない印象があるものであったが、本機ではガラッと戦略を変えて大々的に広告が打ち出されている様子。
というのも、本製品はどうやらTANCHJIM単体ではなく、大手イヤホン販売店HiFiGoとのコラボ製品のような扱いとなっているようなのだ。
この場合、HiFiGoが有する莫大な資本力とPR力によってバラマキが行われている、と捉えるべきか。

このことについて、知名度を上げる戦略としては大成功を収めている一方で、この露骨なバラマキ方に嫌悪感を抱くユーザも大なり存在している現状
伴ってTwitterを含めたネット上では本製品を忌避する声も多からず、という難しい状況となっている。
これが今後のブランド展開にどう影響していくのか興味深いところだ。
…改めて記載するが、本ブログでは自費で購入しているぞ。

TANCHJIM 4U の外観

まずは外箱から。
いつもの通りなTANCHJIMデザイン。

内箱。
箱の四隅がボコついているのはいつもの事。

いつものアンボックス体験を得ることができる。
製品として統一されたデザインはブランドとしての美しさを感じることができる一方で、こうまで長く続くと飽和気味というか、正直”飽き”のような微妙さも介在しつつあるように感じる。

“for you”とかけたであろう”4U”の刻印が美しい。

ケーブルはいつものデザイン。
ペラフニャ感は無くしっかりしている。

付属品は上記の通り。
ケースでは無くポーチが付属。
イヤピも複数あるうえ、謎のガス缶のようなアイテムが確認できる。

これは勿論炭酸ガス缶などではなく、マイナスドライバーとなっている。
コレを使用してロータリースイッチを操作しろという事らしい。
コレ自体にもTANCHJIM刻印がされており、ちょっとしたコレクターズアイテムのような印象がある。

本体は上記の通り。
オール金属筐体で手触りも質感も良い。
真鍮感を感じさせる様相はDunu Kimaを彷彿とさせる。

重さは9.1gを計測。
オール金属筐体製品ではまぁ平均的なずっしり感。
この重さがしっくりとくるので心地が良いのだ。

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TANCHJIM 4U の良いところ

非常に優れたバランス感

本機は低域から高域まで満遍なく鳴らしてくれる印象があり、過不足を感じないバランス感に優れた印象がある。
正直、今まで自分が使用してきたTANCHJIM製品の中でぶっちぎりにバランスが良いとまで感じる。

オール金属筐体故なのか、どの音域でも粒立ちが良くとても引き締まった音で出力されるものであり、サクサクとした聞き疲れのない音を楽しむことができる。
サスティンの伸びもよく、ボーカル域も男女問わず前に出ており聴きやすい。
金属音の刺さりやサ行の刺さりも無く、それでいてしっかりと鳴らしきれているのは好印象。
低域も「POP」「ATMOSPHERE」であれば、かなりの残響感を感じることができ、空気の振動がビリビリと響きとても面白いと感じた。
アニソン・ポップスからメタルやハードロックまで楽しく聴かせてくれる、大変にバランスの良いイヤホンだ。

音場は少々狭め・奥行きも浅めであるが、こと音域に関してはこの価格帯ではかなりレベルが高い印象がある。
個人的には「ATMOSPHERE」モードでの残響感が中々に評価が高く、”このモードであればそうなるだろうな”という上記欠点についてはさほど気になるものではなかった。

しっかりと機能するロータリースイッチ

この手の製品のギミックは、まぁ気の持ちようというか、「このモードにしたんだからこうなってるはず」という本人の意識に大きく依存するモノが多い。
一方で本機はしっかりと音質の変化を感じる事ができる。
言ってしまえば、モード変更に伴う音質の変化がかなり分かりやすい。

この品質性能は侮り難く、いくつかのイヤホンの音質傾向を再現できることにも繋がる。
よって本機だけ購入しておけば、ある程度のイヤホンに代替する事だってできる可能性があるのだ。
誇張した表現と思われるかもしれないが、そのポテンシャルはしっかりとあると筆者は感じている。
うっそでぇ、と思う人は視聴できる環境へ是非とも伺って欲しいところ。

尤も、この変化が分かりやすいモード変更は好みに合わなければ一生使う機会が無いという側面もある。
筆者的には「MONITORING」「NATURAL」のモードには違和感しか感じない。
低域スカスカで高域が滑り散らかっている印象しか無く、まるで良いと感じない。
まぁこれはユーザ次第なのでとやかく言うものではないが、使わないモードは恐らく一生使わない/使えないものであると認識したほうがよいかと。

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TANCHJIM 4U の残念なところ

浅野てんきがいない

オイコラァァァ!!!!
浅野てんきどこやった!!!!!!

本機は上述したように、HiFiGoとのコラボ製品のような扱いとなっている。
その弊害かなんなのか、浅野てんきが何処にもいない。
ポストカードも無ければ、眷属もいない。
公式HPにも描かれていない。なんなの?(半ギレ

てんきちゃんのいないTANCHJIM製品なんて、海老天の無い天丼、スタンド能力の無いジョジョの奇妙な冒険、トイ・ストーリーが見れない人生みたいなもんですよ。
悔い改めて、どうぞ。

…と言いつつ、実は本製品説明にあしらわれているてんきちゃんアイコンはネットにかなり散らばっている様子。
HiFiGo関係者のとあるTwitterにて大量に使用されているのでチェックしてみると幸せになれる。

鏡面が傷つきやすい

まぁわかっていたことではあるけども、フェイスプレートの鏡面が非常に傷つきやすい。
少しでも気を抜けば、あっという間に何らかの擦り傷が入るぐらいの脆弱さ。
持ち出し時に戸惑うレベルの柔らかさなので、利用シーンと保護方法をしっかり確立したうえで購入することを推奨したい。

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TANCHJIM 4U の総評

やたらバラ撒かれているイヤホンであるが、その実力は素晴らしい。

嫌悪してしまう気持ちは分かるが、製品としての品質は確かなもの。
筆者的には、この価格帯ではかなり優良で品質の高いレベルの製品であると判断している。
騙されたと思って是非とも手にとって欲しい、優れたイヤホンと感じた。

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