【iBasso Audio DC-Elite レビュー】驚異的な再現力を誇るポータブル USBDAC。しかしてとてもピーキー。

4.0
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本ブログ3台目となるポータブル USBDAC。
3台目に選ばれたのは、ポータブル USBDACの最高峰に位置する本機と相成った。

今まで1万円台のポータブル USBDACしか知らないのに、いきなり7万円クラス?
そんなんでレビューとかしちゃうの?
加減を知れ馬鹿野郎、と言われてもおかしくない。
知るかバカうどん。

ポータブルUSB DAC
「ポータブルUSB DAC」の記事一覧です。

ということで方方から怒られたり荒れたりしそうだけど、5ヶ月ぐらい使い続けたので記事書きます。
満を持して iBasso Audio DC-Elite のレビューをします。

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iBasso Audio DC-Elite の基本データ

iBasso Audio について

iBasso Audioは、中国のどこかを拠点に置く2006年に設立されたブランドだ。
設立されて以来は、小型・高音質のポータブルヘッドフォンアンプおよび派生製品の製造を行っている模様。
日本に於いては2010年からヒビノインターサウンドが輸入代理店となり、7月から製品の販売が開始されており、2018年8月から輸入代理店が株式会社MUSINに引き継がれて展開されているとのこと。
wikipediaより

iBasso Audioの製品は軒並み評判が良く、高性能高品質、且つコスパに優れているとの評判が絶えず、ポジティブな評価について枚挙に暇がない印象。
前々から何か欲しいなぁと思っていた次第ではあるが、ついに謁見叶うことができた。

公式HPはココ
製品のFWやアプリケーションのアプデなどが定期的に更新・公開されているので要チェック。

iBasso Audio DC-Elite について

iBasso Audio DC-Eliteは、2023年12月に発売されたポータブル USBDACである。
上述したように、2024年10月現在、ポータブル USBDACの最高峰に君臨する機種となっている。

iBasso Audio DC-Eliteは、同社のフラグシップ級DAPである「DX320」シリーズでも搭載されるDACチップ“ROHM BD34301EKV”が搭載されている。
デスクトップクラスの電流出力DACチップを小型オーディオアダプター製品で採用するのは前代未聞とのことで、これだけでも話題性に事欠かない本機ではあるが、独自の技術で6つのデュアルオペアンプを搭載しているようでもあり、ポータブル USBDACというコンパクトなサイズのなかにフラッグシッププレーヤーに匹敵する高度かつ大規模な精密回路を搭載しているという具合だ。

更に更に、プラグは3.5mmシングルエンド/SPDIF兼用と4.4mmバランス仕様のデュアルコネクタを採用。
最大768kHz / 32bit PCM、DSD512に対応。
「24段4セクションステップアッテネータ」を搭載し、音量を上げてもクリアランスが維持された歪みのないサウンドを実現しているという。

とにかく、デスクトップオーディオに採用されるようなレベルのものがポータブル USBDACサイズに凝縮している、と解釈すればいいだろう。
うーん、この製品概要だけでわかる化け物感よ。

ちなみに弊ブログは先んじて以下のような記事を記載している。
ご興味あれば是非ご確認いただきたい。

iBasso Audio DC-Elite の外観

まずは外箱から。
ポータブル USBDACとは思えぬでかい箱。

内箱。青いッス。

開けるとこのように。
ポータブル USBDACとは思えぬ高級感。

ボリュームダイヤルの注意事項の記載が付属。
「24段4セクションステップアッテネータ」の特徴についての説明。
ボリュームダイヤルの位置によってはステレオ再生に影響がある旨の記載がされている。
しっかり回しきれば影響はないので筆者は気にしない。

Beautiful.
なんだよこれ、エッチだなぁ。

内容物。
ケースとUSB変換ドングルと説明書。
巻かれてる白い奴はType-C to Type-CケーブルとType-C to Lightningケーブル。

ケースは合皮っぽさがあるがしっかりした素材。
刻印付き。

本体はこのように。
なるほどフラグシップモデルと言わんばかりの高級感がある。
金属分はチタンみがあり、黒い箇所はガラス加工がされている。
指紋が残りやすく傷つきやすそうなので注意が必要。

プラグは3.5mmと4.4mm。3.5mmはSPDIF兼用。
同軸出力でもUSBと同じ32bit / 768kHzに対応とのこと。

ボリュームダイヤルは大きくて回しやすい。
「24段4セクションステップアッテネータ」となっているため少々クセがある。

サイドボタンは押すごとに-1dbされる。
合計-3dbまで適用され、その上でもう一度押すとデフォルトに戻る仕様。
この機能により、より繊細なボリュームコントロールが可能となっている。

ケースに入れるとこんな感じ。

体重測定。
ケースなしは60.5g、ありは75.6g。
上記のとおり、本機はガラス加工のためケース装着が必須。
故に75.6gでの運用を前提に考えたほうが良いだろう。

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iBasso Audio DC-Elite の良いところ

驚異的にパワフル、高繊細、高音質

本機で音楽を再生した時、まずビビるのはパワフルさ。
全ての音がはっきりと明瞭になり、それらが渦となり纏まって音の波として押し寄せてくる。
ここまで明確に”音楽に飲み込まれるような感覚”を覚えるのは初めてと言えるぐらい、圧倒的な力強さを感じることができる。

一つ一つの音の粒立ちが尋常ではなく、サスティンを含め解像感が半端じゃない。
臨場感や音の回り込みも明確で、それでいて音の配置もバッチリ。
音楽は勿論のこと、映像作品の鑑賞においても優れた空間再現性があり大変に高品質であると感じる。どちらかというと中高音域に力を入れたチューニングなのか、低音域以外の音の分離感、高音の抜け、空間の広さが顕著に伸びが良い印象がある。
元々低音域の強いイヤホンやヘッドフォン、JAZZやBossa Novaといったジャンルの曲と大変に相性が良く、とても心地よいリスリング体験を提供してくれる。

デスクトップオーディオをポータブルサイズに、というは誇大広告ではないと思える実力が十分にあり、これをスマホ直挿しで味わうことができるというのは、度を超えてあまりにも恐ろしい。
この解像度、もしかしたらゲームにも使えるかも?

ケース最高

手触りが良く、品質も高く大変に好印象。
やすっぽいケースでなくレザー調がデフォで装備されているというのはありがたい。
しかも、ふにゃふにゃペラペラじゃないというのだから大したもんだ。
本機のサードパーティ製品は数多く確認できるが、何故かケースはあまり展開されていない。
ということは、そういうことなのだろう。
そのぐらいには純正品ケースの品質が高いといえる証拠と言える。

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iBasso Audio DC-Elite の微妙なところ

イヤホン・ヘッドフォンを選ぶ

本機は上記の通り、とても高レベルな解像感と再現性を所有している。
且つ、中高音域に力を入れたチューニングが顕著であり、その範囲に対し突出したクリア感を演出することに適している。

では、元々この領域が得意なイヤホン・ヘッドフォンと組み合わせた場合にどうなるか。
言わずもがな、この特色が”べらぼうに”誇張され、途端に耳うるさく破綻した楽曲を奏で始めることになる。
特に、「金属筐体で多ドラ」というイヤホンとの相性がすこぶる良くないように思え、筆者お気に入りのTANGZU × HBB Wu Heydayなんかとは、地獄のような組み合わせとなってしまった覚えがある。

とにかくサスティンが刺さり、はっきり言って耳障り。
バリバリツンツンに高域が耳に響き、非常に疲れが溜まる感覚がある。
低域もソリッドに響くTANGZU × HBB Wu Heydayはよりこの感覚を誇張するために、ともかくにこの印象を強まらせ、リズム感や抑揚に水を差している様相さえ覚える程度である。

元々低域が強めで他音域のバランス感の味付けが優れているイヤホン・ヘッドフォン、例えばHiFiMANやDUNU、Moondorop等との組み合わせには”すこぶる相性が良い”が、ソレ以外にはハッキリ言ってかなりピーキーな印象を受けるDACという印象がある。

正直言って、諸手を挙げておすすめできる製品ではない、という結論に落ち着かざるを得ない。
自分の環境に合うのか、是非とも購入前に試聴を推奨したい製品だ。

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iBasso Audio DC-Elite の総評

驚異的な再現力を誇るポータブル USBDAC。しかしてとてもピーキー。

筆者は最初、このクセ強DACに対し負のイメージしか無かったが、HiFiMAN Ananda NanoやDUNU Davinciとの組み合わせがすこぶる良いことに気づいてからは、まぁそういう特色があってもいいかと愛し始めている最中であったりする。
そう、5ヶ月も使い続けてやっとこのレベル感だ。
本機のピーキーさは、そのぐらいに強いと理解して欲しい。

ともかく、本機のポテンシャルは尋常ではない一方で環境に左右される、ということ。
楽曲を選ばないまでも、イヤホン・ヘッドフォンを選ぶクセのある製品。
ハッキリ言って、ポタオデ初心者にはオススメできない。
本機を乗りこなすことができるかは、あなた次第だ。

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