Truthear HOLAと時期同じくして興味を持っていたイヤホンを入手した。
安価で品質が良く、パッケージが”いつも通り”に印象に残る例のアレシリーズだ。
最近美少女パッケージのイヤホン集めおじさんになっているけど、しょうがないじゃん目立つんだもの。
ということで今回はTANCHJIM OLAをレビューしていこうと思う。
TANCHJIM OLA の基本データ
TANCHJIM について
TANCHJIMは中国(おそらく深セン)を拠点とした、2015年~17年頃に設立されたオーディオブランドだ。
初のイヤホンは2017年末発売ということを確認しているのだが、上記画像からわかるようにロゴには「2015」と刻印されている。
つまり…どういうことだってばよ?
公式HPはTANCHJIM.comより確認可能。
ここの会社の製品はどれもが「白、黒、金、銀」のみの彩色で構成されているのが印象的。
デザインも中々に個性的であり、また会社自体の名前も個性的(なんて読むのかもわからないうえスペルも覚えにくいという意味)であるからとても記憶に残りやすい。
更には最近の中華イヤホンでおなじみの美少女イラストパッケージを採用しているため、パッケージ一つをとっても否が応でも目につきやすい。
TANCHJIM OLA について
TANCHJIM OLAは、2022年4月に発売された1DDイヤホンである。
「オラ」ではなく「オーラ」と読む。
TANCHJIMが独自に開発した第 4 世代 DMT ダイナミックドライバーを採用し、精密 CNC で加工された航空宇宙グレードのアルミニウム合金フェイスプレートで装飾されている。
筐体部分は人間工学に基づいたカナル型透明強化プラスチックで形成されているとのこと。
比較的安価・かつかなり小型なモデルでありながら0.78mm 2pinを採用しておりリケーブルが可能。
不足ケーブルも筐体デザインに合わせたシルバーで統一されており印象は良い。
装備されているフィルターも防塵防水を謳っており、意外とぬかりが無いように見えるのがポイント。
TANCHJIM OLA の外観
まずはいつもの通り外箱から。
これがOLAちゃんですか。
いままでの美少女パッケージイヤホンと違ってしっかりとブランディングされた印象がある。
この女、金の匂いがしやがる。
裏面はこのように。
竹-CHU、HOLAと同じような感じ。
…ん?
…こいつもネームド(名前持ち)か!?
調べてみたらTwitterアカウントまで持ってやがる。
日本名で中国語流暢に喋りやがって!
気を取り直して箱を開けてみる。オラ。
中蓋もとってみる。オラ。
本体と会社ロゴが出てくる。
ここまでの開封体験は中々に良い。
調和の取れたデザインと安っぽさが無いのが好印象。
中蓋の中には上記が格納。
6種類のサイズのイヤピとポーチ、それから紙がたくさん。
謎の合格証とか説明書とか保証書とかなんやら。
ケーブルは本体下に格納されていた。
マイク付きで3.5mmプラグ。
これもまたデザインが統一されており安っぽさは感じない。
品質もまぁまぁでリケーブルしなくても全然使える。
筐体はこのように。
プラスチック部分はドライバがまるっと確認できるレベルで透け透け。
ガウスもなくクリア過ぎてとても安っぽく見える。
ステム部分も中空のプラスチックがにょきっと生えた先にフィルタが乗っかっている、という状態が如実に確認でき、これまたやすっぽさがある。
アルミニウム合金フェイスプレート部分も見てわかるように丸みがなく、エッジが立っている。
角張ったフェイスプレートに透け透けプラスチックの筐体、ニョキッと生えた中空ステムにフィルタが乗っかっている、と文字に起こしてみるとなんともな残念な印象がある。
アンボックスの高揚感はどこかに行ってしまった。
重さは2.8gを計測。
持っている有線イヤホンのどれよりも軽い。そして小さい。
TANCHJIM OLA の良いところ
クリアで高解像度な良音質
さて、ここまで筐体が安っぽいと述べ続けてきた訳だが、こと音質に関してはその印象を大きく覆してくれる優秀なポテンシャルを感じさせてくれた。
まず聴いて最初に感じるたことは「クリア」であるということ。
不純物のないスッキリとした印象があり女性ボーカルの伸びがとても良く映える印象を受ける。
低音域は適度でありながらしっかりとしたアタック感を感じることができ、中高音域にかけてを気持ち強めに上げておりボーカルが大変に聴きやすい。
なにハーマンカーブ通りの事を言ってんだと思われるかもしれないが、実際ハーマンカーブ通りの素直な音作りを感じることができるというのが本機の魅力だと思う。
多くのイヤホン好きなら共感してくれる思うとが、ハーマンカーブ通りの印象を受けるイヤホンなんてそう無いよ?という話。
解像度もこの価格帯では中々に良く、左右へのパンにも十分に追いつけるしハイハットの音一つもキレイに出力できている印象がある。
以下のような女性ボーカルでトリッキーな曲と大変に相性が良く、高級機に負けないユニークさがあると感じた。
Truthear製品のように作られたフラット感はなく、あくまで自然にクリアな出力が行えているぶん、Truthear HOLAよりこちらのほうが良い印象がある。
ただし中高音域に対し少しパワー不足というか、あと一歩足りないような”スン止まり”感があるのが気になった。
これはアンプを挟んでも変わらなかったので本機の味なのだろうが、好き嫌いが分かれそうな所なので注意が必要かもだ。
TANCHJIM OLA の残念なところ
本体の安っぽさと装着感
本機は他イヤホンに比べて非常に小さく軽量だ。
それでいて特徴的なデザインに彩られており所有感は満たされるのだが、やはり安っぽさがある。
上述したように見た目的には高級感はあまりなく、角張ったフェイスプレートによる手触りもあまり良くはない。
またソレに伴い、人によっては長時間の装着に支障を来す可能性があることも注意が必要だ。
筆者的には数時間の装着でも致命的な痛みは発生しなかったが、本機のエッジが触れるところがあり少し違和感を生じるものではあった。
本機は他イヤホンに比べ小さく軽量のためあまり人を選ぶ形状ではないとは思うが、この安っぽい外観と角張った筐体が受け入れられるかを、事前に実機を触って確認しておくことを推奨したい。
TANCHJIM OLA の総評
音質は期待以上。
安っぽい筐体に目をつぶればとても良いイヤホン。
面白さはあまりないが、個性を感じることができる筆者的に好印象な製品。
浅野てんきちゃんを受け入れられることができれば、老若男女問わずおすすめできる優秀なイヤホンと言えるだろう。