【TP-Link Deco X50 レビュー】大変優秀なWi-Fi 6対応メッシュルーター。バックホール接続のみで安定した速度が出せる。

4.0
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まず最初に、本記事はメーカー様(TP-Link社)より商品を提供頂いた上での記事となる。
提供品だろうがなんだろうが正直に書き記すスタイルは変えるつもりは無いので、偏見無しに一読いただきたい。

さて、我が家では継続して以前に同社様よりご提供頂いたArcher AX73がメインを張っている環境となっており、このルーターに変えてからというもの生活環境が一変している。
YoutubeはおろかAmazonプライムですら4Kをデフォルトで流せる状況となり、QOLが爆上がり中だ。

このArcher AX73を使用するまでは、同社製品であるTP-Link Deco M5を利用していた。
メッシュWi-Fiシステムを勉強・構築するにはとても安価で簡単という点で大変に優秀であり、色々と学ばせてもらった。
メッシュWi-Fiとはなんぞや、という人はまず以下の記事をご確認頂きたい。

そんなDeco M5を利用していたことを知ってか知らずか、発売前の新DecoであるDeco X50をご提供頂いた。
今回はそんなDeco X50についてレビューをしたためたく思う。

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Deco X50 の基本データ

TP-Link について

TP-Linkは1996年に設立された会社。
コストパフォーマンスに優れたネットワーク製品を多数提供している。
詳細はArcher AX73の記事を参照。

Deco X50 について

製品情報としては以下の通り。

AX3000メッシュWi-Fi 6システム
AX3000メッシュWi-Fi 6システム

スペック値について書き出してみると以下の通り。

TP-Link Deco X50
サイズ(アンテナ含まず)110 × 110 × 114 mm
ワイヤレス規格2.4GHz:IEEE 802.11ax/n/b/g
5.0GHz:IEEE 802.11ax/ac/n/a
周波数2.4GHz+5.0GHz
最大通信速度(理論値)2.4GHz:574Mbps
5.0GHz:2,402Mbps
接続端末数最大150台
ワイヤレスセキュリティWPA-Personal
WPA2-Personal
WPA3-Personal
CPUArm Cortex-A53
2コア 1.0GHz
インターフェース1Gbps ポート×3
*各Decoユニット(WAN/LAN自動判別)
プロトコルIPv4
IPv6
その他HomeShield(保護者による制限)
AIメッシュ
ビームフォーミング
ハイゲインアンテナ×2(内蔵)

2.4Ghz・5GHz帯共に802.11ax(HE160)に対応しており、昨今の規格に対応している。
接続端末数は圧倒の150台を公表。一体誰がそんなに繋げるのか。
まぁ余裕があるのは良いことかなって。

スペック的にはTP-Link Archer AX55に似ている印象。
上位機種を上回る計測値を叩き出していたArcher AX55がメッシュWi-Fiとして出ているようなものなので、中々に驚異的なポテンシャルを秘めているかもしれない。
これは期待が高まるじゃないか。

Deco X50 の外観

まずは外箱。
Archerシリーズに比べて落ち着いている印象のあるデザイン。

側面と後ろ。
相変わらず説明書代わりになっている。
必要なセールスポイントが確認できる。

内箱を取り出したところ。
全然ルーターには思えない外観だ。

なんだこれ。ブレンダー?水切り機?
いいえ、Wi-Fiルーターです。
Decoシリーズらしい上蓋が特徴的。

全部取り出したところ。
本機と電源ケーブル、LANケーブルと導入ガイドのみ。
設定ガイドはなく、アプリへの誘導が記載されているのみ。

これがDeco X50本体だ。
ボタン類やアンテナ、ヒートシンクやLEDなどが一切確認出来ない。
本当にWi-Fiルーターっぽくないスマートなデザインだ。

背面もこのようにポート3つと電源ポートのみ。
勿論LED類は確認できない。

Deco アプリによる導入

アプリをスマホにインストールして、画面の表示に従ってポチポチするだけ。
他メッシュWi-fi子機(サテライト)との接続も勝手にやってくれる。
大変に気楽で簡単。未就学児でもできるレベル。

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Deco X50 の良いところ

バックホール機能のみで優秀な速度を計測。

メッシュWi-Fiの基本を抑えた上での話になるが、本機はバックホール機能のみの通信でも安定して高速な通信を計測できている。
メッシュWi-Fiの基本についてはDeco M5の記事を参照して欲しい。

バックホールのみの速度は平均して以下数値を計測している。

イーサネットバックホールなしで150Mbps以上の速度が出せているのはとても優秀といえるだろう。
これならLANポートの無い箇所に設置しても高速な通信が可能となるため、場所を問わずネットワークを張り巡らせるといったメッシュWi-Fiの本領が発揮できる

何かが特別遅くなるだとか、途切れるだとかということも無く運用が出来ている。
4Kのストリーミングだって、24bit/382kHzのハイレゾの連続再生だって何も問題がない。
すっごい優秀。

Deco M5が最大でも90Mbpsしか出てなかったところから考えると着実に進化してるなぁと感じる。

Decoアプリが優秀。

HomeShieldは相変わらず大変に便利。

どのデバイスがどこに位置し、どれだけ通信しているかなどが一目瞭然。
更にはどのユーザーがどのデバイスを使用しているかも一元管理できるため、
「この時間はこのユーザーの通信を制限する」といったことも可能になる。
速度を求めるデバイスには「優先」にチェックを入れれば★マークが付与され、どのデバイスよりも優先して帯域を割り当てることが可能。

また、Decoラボでは細かいネットワーク設定の確認が可能。
Wi-Fi干渉テスト機能も装備されており、最適化機能もある。これは地味に便利。
またスピードテストの機能も備えており、何故かゲーム要素がある。
気になる人は是非購入して試して見てほしい。

ハンドオーバーのラグ発生がほぼ無し。

これは本体の技術力の向上なのか、計測デバイスの性能の向上なのか。
Deco M5で感じた各サテライトへの乗り換えに、本機ではほぼラグを感じない。
1秒もかからずハンドオーバーが行われておりとてもスムーズ。
それに伴って通信途絶もほぼ発生せず利用が可能。
製品のキャッチコピーの如く、「高速Wi-Fiでお家を塗りつぶせている」感覚が心地よい。

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Deco X50 の残念なところ

Deco M5の弱点はそのまま

以下記事で記載している弱点は変わらず。

上記の通りハンドオーバーは改善されているようだが、「5GHzと2.4GHzを固定できない」「非メッシュ機種に比べると理論速度は遅い」という点は変わらず。
特に「非メッシュ機種に比べると理論速度は遅い」という点は気になるところ。

おさらいになるが、大体のメッシュWi-Fi機種はデュアルバンド、或いはトライバンドという複数のアンテナが搭載されている。この内の一つをメッシュネットワーク専用に使用するために、実質どちらかのバンドしか使えない。わかりやすく言うと、サテライト同士の通信に5GHzと2.4GHzのどちらかを使用(トラフィックを専有される)ことにより、おおよそ使用帯域の理論速度が半減する。

これを回避するためにはバックホール専用のバンドを内包したトライバンド機種を選ぶか、サテライト同士を有線 LAN で接続(イーサネットバックホール)する必要がある。

本機は5GHz帯域をバックホールに利用する(公式確認済み)ため、5GHz帯の接続デバイスへの通信がフルで発揮されない。
事実、TP-Link Archer AX73では下り400Mbpsを計測している我が家の環境では、本機利用環境下では昼夜問わず200Mbpsを超える数値を出せていない。

コストカットの面ではしょうがないところではあるが、専用バンド(トライバンド)は欲しかった。

AIメッシュへの疑問

本機はAIメッシュに対応しているとのこと。
メッシュWiFiは、実際の環境ではルーターの設置場所・壁の厚さ・家電等、さまざまな影響によってそのパフォーマンスが低下してしまう可能性がある。
AIメッシュテクノロジーを搭載したDecoであれば、ネットワーク環境・クライアントの種類・ユーザーの行動を自動で学習し、その優秀なアルゴリズムを使用して、利用環境にピッタリなメッシュ環境を提供してくれる、という謳い文句だ。

TP-Link

しかしながら、このAIメッシュ機能が反映されるまでの評価期間や反映時期が不明。
公式に確認したところ、ファームウェアアップデートのタイミングでAIメッシュの機能がブラッシュアップされたり微調整されたりするため、その効果の明確な期間は設けていないとのこと。
また、AIメッシュ機能事態は常に動作しているとのことから、特に評価期間などはなく常に最適化が行われているのだろう。

が、正直その恩恵というか、変化が感じられない。
メインPCで4kストリーミングを積極的に流していても、試験期間1週間の中で速度変化はあまり見られなかった。

非公開情報もあるだろうから詳細までは分からないまでも、少なくとも本機能は一朝一夕では何がどう変化するかは体感できないということだ。
AIメッシュ機能の恩恵に肖りたいのであれば長期的な付き合いが必要になるだろう。

電源がでかい

Decoシリーズあるある。
すごいでかい電源。どれくらいのデカさかというと…。

USB変換タップよりもふたまわりぐらいでかい。
故に設置場所や設置方法に気を使う必要がある。

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Deco X50 の総評

纏めると、以下の通り。

  • イーサネットバックホールなしで高速・安定動作
  • 優秀な管理アプリ
  • サテライト間のハンドオーバーのラグをほぼ感じない
  • イーサネットバックホールを使用しないときのスペックダウンに注意
  • AIメッシュ機能が未知数

スタイリッシュなデザインでありながら高性能、有線LANポートを必要とせず高速なメッシュWi-Fi環境を構築可能な優秀なルーターと判断できる。
AIメッシュ機能が若干の不安要素であるが、別に機能しなくたって優秀なことには変わりない。

これから高速なルーターを導入したい、高速なメッシュWi-Fi環境を構築したい、という方にはうってつけ。
設定も設置もめちゃくちゃ簡単。すっげー便利。

スマホを始めとした数々の無線機器が増えて行く昨今、そしてなんでもかんでも場所を問わずストリーミングしなくてはいけない今の時代に刺さる逸品。
これから色々始めたいという人に、是非ともおすすめしたい製品だなと判断した。

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